ラジオドラマを先にアップして、これを上げるのを忘れていました。
遅ればせながら掲載させていただきます。
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子供の頃から、なぜだか頭から離れない光景がある。
それは、荒れ野の発掘現場。
深く掘り下げた地面の下から、まばゆい光沢の、見たことのない機械が姿を現す。
深く掘れば掘るほど、最新式の、新しいマシンが発見、発掘されるのだ。
もちろん、そんな光景を実際に見たことはない。
ぼんやりと橋にもたれて、河の流れゆく先を眺めている時などに、そういったイメージが頭に浮かぶのだった。
故小松左京氏のホラー小説に「骨」という作品がある。
ある男が、地面を掘る。
初めは、恐竜の化石、ついで木簡、掘れば掘るほど見つかるものが新しくなって、ついに彼は、自動車の部品を掘り当て、地面の外に出る。
そして知るのだ。
自分がとうの昔に死んでいる亡者で、地面の底から地上にむかって穴を掘っていたことを。
おそらくは、子供の頃に読んだ上記作品が引き金となって、初めに書いたような、奇妙なデジャヴュ(ともいえないが)が頭に浮かぶのだろう。
差し障りがあればお詫びするが、わたしは昔から「考古学」の発掘現場というのが苦手だった。
掘っても掘っても、出てくるのは、骨、貝、真っ黒になった木の板(木簡)、あげく見つかるのは、千年前のトイレの跡……
もし、掘れば掘るほど、現代の人間に理解のできない未知の科学機械(オーパーツ)が出てくるなら、わたしは、なにを置いても、考古学の道に進んだに違いない。
そんな、「地面の下に行くほど新しいマシンが出てくる世界」を舞台に、女ばかりの採掘集団アース・ノッカーズが経験した人類創世の話が、今回の原作です。
これも来月にはラジオドラマになると思いますので、その時は、また音声ファイルをアップしようと思います。
よろしければ、お読みください。
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