電子工作

2011年1月23日 (日)

アリガトウ ~自動車用感謝電光板製作~

 白状すると、わたしは、もうずっと前から、あの自動車のチカチカが好きではありませんでした。

 ほら、あの、渋滞時に、脇道から来た車を割り込ませたりすると、ハザードをチカチカさせてシャイを示すアレです。

 どうせ「謝意」を表すなら、緊急時(ハザード)を示すランプなどで伝えられたくないのですね。

 本当なら後ろを振り返ってアイコンタクトしてほしい……でも、それはさすがにアブナイ。

 だから、不本意ながら、これまで、わたしは割り込ませてもらっても「シャイ」を示すことができませんでした。

 なんとか「ありがとう」の気持ちを伝えたくても、その方法がなかった。

 きっと、薄情なヤツと思われていたことでしょう。

 昨年末までは。

 しかぁし!

 今年からは違います。

 なぜなら、正月休みを利用して、年末に買い求めた超超高輝度LEDを87個使って、後方を走る車へ「ありがとう」の文字を送るマシンを製作したからです。

 といっても、そんなに難しいものではありません。

 必要なものは、

1.プラ版(透明)50cmx20cm程度
2.超超高輝度LED(今回は青色をつかいました)
3.コード
4.プッシュスイッチ
5.シガープラグ
6.プラ版固定用吸盤

といった程度のものです。

 工程も

 1.好きな字体を選んで紙に「ありがとう」を印刷し、それをプラ版に貼ります。
 2.文字を見ながら、油性ペンでプラ版に印をつけます。今回はひらがななので
   「あ」の文字に多くのLEDを配しました。
 3.上記の印にしたがって、5mmドリルで穴を開けます。
 4.穴にLEDを差し込み、はんだづけ。
 5.プラグ近くに、LEDの個数と必要電流から逆算した抵抗をはんだづけ。

といった程度。

 自由に曲げられるLEDチューブでも実現可能ですが、コストの面で見送りました。
 結局、上記の材料で自作するのが一番のローコストです。

 それにあれは輝度が、それほどでもないので後ろから見えづらいのです。

 さて、完成したプレートを、実際に取り付けて見ると、透明プラ版のため、まったく視界の妨げにはなっていません。

 ケーブルを、見えないように天井のシールに隠しながらはわせ、運転席にまで引きます。

 スイッチは、とりあえず、ダッシュボードのハザード上に両面テープで仮固定しました。
 
 エンジンをかけ、実際にスイッチを入れてみると、あざやかに「ありがとう」の文字が浮かび上がります。

208_3

 写真は夜のものですが、超超高輝度LEDのおかげで、昼間であっても背面スモークグラスを通しても、はっきりと視認できました。

 これで、シャイなわたしも、親切にしてもらった時にシャイを表すことができます。

「ドッグインカー」などという、あまり意味を感じないプレートより、よっぽど便利なので、こういった「シャイ表示プレートの普及」をこれからの社会に望みたいですね。

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2008年9月18日 (木)

光モノかならずしも金ならず 〜昇圧回路を用いたミニマグLEDライト〜

 コドモの頃はよくラジオを聴いた。おもに深夜ラジオを聴いたものだ。

 まあ、それは一過性の「若気の至り」というヤツだったようで、その後ラジオからは遠ざかっていたのだが、最近、夜に仕事をすることが多く、その合間にラジオを聴くことが多くなった。

 深夜、というか未明に、NHKのラジオ深夜便の、妙に落ち着いたアナウンサーの声と、「東京のバスガイド」などの昭和20年代古代歌謡曲を聴いていると、ささくれた気持ちが落ち着くのがわかる。

 というわけで、ラジオの製作、といいたいが、あれはバリコンや同調コイルの調整が面倒なので、今回はパスして、もっと簡単なものにチャレンジしてみたい。


 現代の生活に電池はかかせない。eneloopやリチウムイオンのような充電池(二次電池)もよいが、アルカリ電池のような使い捨て(一次電池)も安価で使いやすいため、いつのまにか、電圧が下がって使えなくなった電池が多くたまってしまう。

 わたしの場合、例えば単三電池など、最初はアウトドアのライトに使って、暗くなったらトランジスタラジオに使い、その音が小さくなったら廃棄するようにしているが、それでも電圧を測ると1.1ボルトあたりは残っていることが多い(新品の場合は1.5ボルト前後)。

 それらを捨てるにしのびないので、何とかうまく最後まで利用できないかと考えたところ……

 それらを使って、ミニライトを点灯させることにした。

 わたしの趣味は、子供のころからアウトドア(ありていに言えばキャンプ、長じて登山)と自転車旅行がだった。

 そして、そのどちらでも重要だったのは明るいライトだ。

 しかし、昔のライトは電池の消耗が激しくすぐに暗くなるため、長く点けておくことはできなかった。

 だから、ちょっと点けてすぐに消す、その繰り返しだった。

 子供心に、いつか一晩中点けていても大丈夫なライトを持ちたいと思っていたが、その願いは、数年前にあっさりと叶えられてしまった。


 みなさんご存じのLED(高輝度LED)のお陰だ。

 わたしは狂喜して、いろんな種類のLEDライトを買い集めたが、それらにも欠点はあった。

 多くのライトが3ボルト以上の電圧でないと点灯しないため、電池を2本以上必要としたことだ。

 有名なミニマグ社のライトも最近LEDになったが、電池を三本必要としていて「重いわスタイルは悪いわ」ですっかり幻滅させられてものだった。

 だが、捨てる神あれば拾う神あり、電子工作さえすれば、なんとかそれを解決できる。

 使うのはDC−DCコンバータIC(HT7733A)とあと4つの部品のみ。

 それを使えば0.6Vまで下がった電圧を3.3Vに引き揚げてくれるのだ(昇圧回路)。
 そうすれば、弱った単三電池一本で明るくLEDを点灯させることができる。


 というわけで、今回は、単三電池2個使用のミニマグライトのオリジナル球をLED球に変えて、単三電池一個で点灯できるように改造を行います。

 昇圧回路は小さいので、不用になった電池一個分のスペースに納めることができるでしょう。


では、材料から。
(個数はすべて1個)

●DC−DCコンバータIC
(HT7733A PFM「PULSE FREQUENCY MODULATION」)
●電解コンデンサ 47uF
●電解コンデンサ 22uF
●マイクロインダクタ 100uH
●ダイオード

 コンデンサはタンタル電解コンデンサ、ダイオードは、ショットキー・バリア・ダイオードの方が良いのです(反応速度が速いため)が、普通のものでも、おそらく大丈夫でしょう。
 ただし、マイクロインダクタは、抵抗のなるべく小さいものの方がベターです。大きいと回路が働きません。相性もあるので、いくつかの種類を買った方がよいかもしれません。

 材料費は全部で300円もかからないでしょう。

 部品写真は以下です。




データシートに載っている回路図は以下。今回はこのまま製作します。






 できあがりは以下です。

 わかりにくいかも知れませんが、基盤(茶色の板です)の左端は、ライトの一番奥つまり+局にあたり、左端は単三電池の+局と接触しています。





 二本入れる電池の一本目の代わりに、昇圧回路をいれます。このあとに続けて単三電池を入れ、ふたを閉め……




 ミニマグライトに初めからついていた球を抜き、LED球(80円ほど:+−の極性あり)をさすと、見事に点灯しました。






 おもしろいので他にもいくつか作りました。
 (部品は10個買いなどで購入すると、さらに安くなる)
 下のものは、電池ボックス(単三2本用)の一本には電池を、もう一つには先の回路をいれて昇圧しています。




 昇圧回路は、汎用のタイマIC555を使ってもできますが、今回用いたパルスモデュレーションICの方が必要な部品数も少なくカンタンでした。さすが専用ICです。

 昇圧の仕組みですが、簡単にいうと、ICが一瞬だけパルス電流を流す度にマイクロインダクタ(コイル)に大きな電圧が生じ、それを一秒間に数百回繰り返して、充電池の一種であるコンデンサに貯め(電圧を足し算して)、必要な電圧を取り出します。
 その際、ICは生じる電圧を監視し、ちょうど3.3Vになるようにパルスの発生間隔を調整します。
 (低いときはどんどんパルスを出し、高いときはパルスを少なくする)

 効率は、データシートによると85%程度なので、それほど損はしていないでしょう。
 動作電圧は0.6V〜6Vなので、かなり弱った電池でも、むりやり電圧を上げてLEDを点灯させてくれるはずです。

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21世紀のホビー

 最近ではあまり見かけないが、以前(20世紀末まで)はよく、少年誌などの裏表紙に、「21世紀のホビー」あるいは「キング・オブ・ホビー」などと銘打って、電子工作の入門セットの広告が載っていた。

 だが、実際に21世紀になると、世はこぞってソフトウェアの時代となったようで、右手にハンダごて左手にフラックスを持ってトランジスタやOPアンプなど、ハードウェアと格闘するよりは、EXCEL VBAやSQL、PHPやJAVA、はてはFLASHのアクション・スクリプトを使いこなせることこそが、ビジネスでも求められるようになってしまったようだ。

 だいたい、わたしの知る限り、キング・オブ・ホビーなどと呼称される趣味が本当のキングであった試しがない

 電子工作以外にそう呼ばれていたものを、思いつくままに挙げると、ハム(シオブタではなくて、アマチュア無線のことだよ。わたしも免許は持っている)鉄道(時刻表)マニア、そしてNゲージなどの鉄道模型、あるいはジオラマ製作など、どうも人前で口にするのをはばかられるものが多いようだ(別に恥じることなぞまったくないが)。

 わたし自身、ハードは大学の専門でもあったのだが、実のところ勉学不熱心な学生であったし、卒業後は、ソフトウェアの会社で働いたこともあって、しばらく半田ごてなど握ってはいなかったが、何年か前必要に迫られて(留守中、猫に自動的に餌をやる装置が必要になって)、やり始めると、昔とは段違いに便利なICが作られていて、昔なら複雑だった回路が、カンタンに実現できるので嬉しくなったのだった。

 今さらハンダごて電子工作というのもナンだが、実のところ、やってみると楽しいし、実用的でもある(そうでないこともあるが)。


 というわけで、あなたも週末にはハンダごてを握ってみませんか?

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