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2016年2月 9日 (火)

惜しい!  ~ファンタスティック・フォー~




 この作品は、昨今、流行の「リブートもの」です。

 個人的には、この過去作品の「リブート化」なるものと、その言い回しが好きではありません。

 

 

【リブート】

リブートは、シリーズにとって核となる要素とコンセプトを整理することで、あらゆる「不可欠でない要素」を取り除く事を可能にし、シリーズをやり直す手法である。リブート作品は、シリーズの初期タイトルをあまり知らない消費者にも簡単に触れることができる


と、いうことらしいのですが、不可欠でない要素」を取り除くって、何なんですか?

 わたしは、「細部にこそ神が宿る」「枝葉末節がその作品にフィギュア(綾)を与える」と信じたいものなので、どうにも信用ができない。

 要は、かつての名作を、今フウに改変してシリーズの初期タイトルをあまり知らない消費者を取り込みたいだけなんでしょ、って思ってしまうのですね。

今回の「ファンタスティック・フォー」も、幼少時に観た「宇宙忍者ゴームズ」↓、

宇宙忍者ゴームズ

 そして、実写映画化され、続編も作られた前シリーズ↓の人気にあやかって作られたリブートモノなのです

 便宜上、今回の作品を「ファンタスティック・フォー(リブート)」と表記することにします。

 ああ、そうだ。これまで書かずに来ましたが、これは明記しておくことにしました。

「本ブログの映画感想はネタバレ全開で書いております。また、偏った視点による感想が多いので、読まれたことで気分を害される方にはあらかじめ謝罪しておきます」

 さて、「ファンタスティック・フォー(リブート)」を観ました。

 あの、アキラへのオマージュたっぷりの佳作「クロニクル」の作者ジョシュ・トランクの作品であり、ゴームズいやファンタスティック・フォーのリーダー、リードと「ムッシュムラムラ~」岩石人間ガンロック(=THE THING)ベンが幼なじみ(確か原作コミックでは大学の同期だけ)であるという設定から、クロニクルのような友情物語を期待しつつ………

 もともとは、映画館で観ようと思っていたのですが、評判がいまひとつだったので、見送っていたのです。

 実際に視聴してみると……やはり皆さんの評判は正しい。

人間関係の描き方もイマイチですし、多くの方が指摘されているように、戦闘シーンで、突然異世界に移動してしまうのも制作者側のご都合主義丸出しでどうにもノレない。

 しかし、いろいろと良いところもあるのです。

 はじめに期待したように、ゴームズとガンロックが小学校以来の幼なじみで、後の巨人ガンロック(=ベン)の方が小柄というのがいい!

 そして、ベンが小柄ながらイキがよく、インテリのゴームズを常にサポートし守る姿勢も好ましい。

 だからこそ、一緒に異次元移動マシンを開発したヴィクター・ドゥームの

「アポロを月に送った科学者の名は残らないが、月に行ったアームストロングの名前と言葉は歴史に残った」

という言葉に触発されて、リードが、わざわざベンを呼び寄せ一緒に異次元へ行こうとする気持ちはよくわかる。

 夜中に突然呼び出されたベンが、驚きながら、

「俺はボディーガードだから一緒に行くよ」

と二つ返事するのも、後の事故を考えると悲しくなります。

 やがて事故が起こり……いや、他のメンバーは良いんですよ。

 身体がゴムのように伸びたり、透明になったりバリアを張ったり、意図的に発火したり空を飛んだり、カッコいいじゃないですか。

 でも、ベン、ガンロックは違う。醜い岩石の巨人です。

 ハルクに似ていますが、ハルクなら、まだブルース博士でいられる時間がある。

 でもガンロック(シャレの効いた日本語名とは違い、本当の英語名はTHE THINGですよ!)は、いつもいつの時でもオールウェイズ岩人間。

 おそらく、マーベルのスーパーヒーローの中でも、最低のシチュエーションでしょう。

 事故の後、異世界から帰ったガンロック(ベン)は、ゴームズ(リード)を恨みます。

 当然でしょう。わざわざ出かけなければ、怪物にならずにすんだ上に、リードは見かけはフツウなんですから。

 しかし、しかしね。ここでベンには、自制してほしかった。

 悔しい、辛い、文句を言いたいけれど、あえて運命を甘受するという態度を示してほしかった(現実ではなく映画ですから)。

 そういった状況であれば、なおさらリードはベンを元に戻すために、死にものぐるいで闘うことになる、そういうシチュエーションがほしかったのですね。

 さっきは文句を言って当然と書きましたが、最後は自分で行くと決断したのでしょう?

 誘った奴が悪いって、それは覚悟がなさ過ぎる。

 そういった点を微調整すれば、今のような酷評はなかったかもしれません。

 悪玉のヴィクターの性格設定が不明瞭なのも残念です。

 ヒューマントーチを黒人おっとアフリカ系アメリカ人にするのは、今のハヤリで良いとしても、紅一点のスーをコソボ難民に設定するのは、なんだかアザトサを感じてしまいます。

 容姿の点でも、前作でスーを演じたメキシコ系アメリカ人の血を引くジェシカ・アルバのほうが魅力的だったように思います。

 現在の評価から考えて、おそらく続編は作られないでしょうが、弔いの気持ち?でDVD(ブルーレイ)レンタルを借りてごらんになっても良いかもしれません。

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