ブレア・ウイッチ以上クローバーフィールド以下? ~トロール・ハンター~
8月8日レンタル開始の映画「トロール・ハンター」をDVDで観ました。
ノルウェーの映画です。
本国公開は2010年ですから、最近の映画事情から考えれば、随分、前の映画ですね。
ヒマラヤのイェティ(雪男)やネス湖のネッシー、ひょうたん池のヒョッシー同様、いるかも知れないが未確認である生物(UMA)のひとつ(とまでも言えないほど神話的ですが)、北欧のトロル(小鬼)の映画です。
いや、ヒョッシーは、「逆転裁判」に出てきたUMAでした。架空でした。申し訳ありません。
小鬼というのは、表現上のことで、中には体高数十メートルを超える大きなものもいるそうです。
ダンジョン&ドラゴンズ日本語版より
で、この映画「トロール・ハンター」は、「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」型というか、「クローバー・フィールド」型というか、とにかく、本当にあったかのように、個人所蔵のハンディ・ビデオテープ・ライクな映像を用いて、話をすすめていく、モキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)手法の映画です。
個人が手持ちのカメラで撮っているという手法ですから、とにかく揺れる。
その方の揺れに弱い人は見てはいけません。
しかし、内容は、結構イイ感じです。
なにより、画は揺れるものの、ちょっと湿った感じの寒そうな『ノルウェーの森』が美しい。
その地で、例によって地元のヴォルダ大学の学生三人が、学校の課題として、地元で問題になっていた熊の密猟事件をドキュメンタリーとして追った事がきっかけとなり、偶然にも撮影したのが、この「トロール・ハンター」の映像テープというわけです。
映画全体の雰囲気としては、ブレア~よりクローバー・フィールドに似ています。
クローバー~と違うのは、ヒーローが出てくる点です。
大学生たちが出会うヒーロー、孤高のトロール・ハンター、秘密組織の「トロール保安機関TSS」に、所属するただひとりのハンター、初老の男ハンスがいいのです。
紫外線を放出する太陽光ビーム装置を車にとりつけ、「保護地区」から逃げ出した巨大なトロールを秘密裏に処理する男。
日々、孤独にトレーラハウスで寝とまりするものの、暗闇がおそろしく、24時間、寝るときでさえ、トレーラー内を太陽光で満たしている男。
「なぜ、この撮影を僕たちに許すんです?」
と尋ねられ、
「この仕事がキツ過ぎて嫌になった。残業代も出ないし、もう暴露して辞めるんだ、俺は」
と答えるものの、その実、国がUMAを秘密にするがゆえに、見つかりそうになったトロール殺戮することが嫌になった、というのが本心な、いいヤツなのです。
トロールはキリスト教徒が嫌いで、彼らのニオイをかぎ分けて執拗に追いかけてくる、という設定には、不謹慎ながら笑ってしまいますが、ハンスが、いかにも小さな町工場に頼んで作ってもらった感たっぷりの、さまざまな武器と道具を駆使して、巨大なトロールと闘う場面は、なんだかワクワクしてきます。
というわけで、もしビデオ屋で「トロール・ハンター」を見かけられ、画面の揺れにある程度耐性があれば、ご覧になることをオススメします。
少なくとも「クローバー・フィールド」が好きな方なら、楽しむことができるでしょう。
あるいは、英国の湖水地方の景色が好きな方なら、怪物はともかく、その風景は楽しむことができるかもしれません。
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