ご存じですか? ○カイ遺産
さて、クイズです。
タイトルにある、○カイ遺産、○の中に入るのは?
「セ」で、世界遺産?
もちろん、それも正解です。
ウチの近くにも、自転車でちょっと走ると世界遺産があります。
近頃は、「世界遺産指定」を話題にして、観光客を増やそうとする態度ばかりが目について、ちょっと嫌になっているのですが……
いや、今はその話ではありません。
今回のテーマは、「キカイ遺産」――奇怪遺産?生駒トンネルの幽霊?恐山のイタコ?じゃなくて、「機械遺産」です。
機械遺産?聞いたことがない?そうでしょう。
機械遺産とは何かを、少し紹介させていただくと、
「2007年6月、日本機械学会の設立110周年を記念して設けられた制度。国内の機械の中でも、特に我々の生活に大きな影響を与えた機械・機器、関連システム、工場、設計仕様書、教科書などを記念物として認定するものである。『機械遺産』の選定基準は、社会発展に貢献した機械であること、現存していて実際に動かせる状態であること」
機械遺産の公式サイト{日本機械学会}
ということなのですが、 歴史的に意義があり、我々の生活に大きな影響を与えた「教科書」まで含まれているのが良いですね。
さて、その機械遺産の本年度分が、先月23日にきまりました。
まず、温水洗浄便座「ウォシュレットG」
これは、いわずと知れた?1980年に東陶製器(いまのTOTO)が発売したしたものです。
おしりの洗うポイントや水温、噴射の角度など、さまざまなデータを社内で集め、多くの新技術を詰め込んで開発しました。現在は北九州小倉北区の同社歴史資料館に保管されています。
一見、ヨーロッパのホテルには常備されているビデと同じに見えますが、その性能、コンセプトがまるで違う「発明」です。
外国人からすれば、まさしくCOOL JAPANの代名詞。機械遺産にふさわしい製品です。
さらにもう一つ決まったのが、「吉野山ロープウェイ」です。
奈良県吉野山のロープウェイですね。
運行開始は1929年。国内で現役最古のロープウェイです。
架線支持材や市中の多くの部分で、80年以上経った現在も、当時のものが使われています。
その他に、通勤用車両に多いステンレス車両の原型となった「ステンレス鋼製車両群(東急5200系と7000系)」
(横浜市総合車両製作所が保存)
さらに、池貝工場製第一号旋盤(現存する最古の動力旋盤)
(国立科学博物館蔵)
理研工学光学工業(現リコー)が1955年に発売した、「卓上複写機リコピー101」
(静岡県沼津の同社事業所にて保管)
の五つが追加されました。
しかし、このリコピーのデザインの優美さはどうでしょう。
昔の機械のデザインは、なんだか、どれも良い感じですね。
今回の追加で、機械遺産は55件となりました。
学会では、100件の登録を目指しているそうですから、あと44件ということになります。
来年、追加されるのはどんなキカイでしょうか。
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