« スポーツに対する関心 インド | トップページ | フラッシャー その2 »

2012年8月22日 (水)

フラッシャー ご存じですか?

 先日、夜道を歩いていると、向こうから強烈な光を放ちながら原付が走ってきました。

 ずいぶんと静かなエンジンだなぁと思って、すれ違いざまによく見ると、原動機付自転車ではなく、アシストサイクルでした。

 タイヤの軸(ハブ)に発電機構を仕込む「ハブ・ダイナモ」の普及によって、自転車は、かつてのタイヤやリムにローラーを当てて発電する「ローラー・ダイナモ」時代には考えられなかったほど、明るく夜道を照らすライトを持つようになったのですね。


 さらに、ハブダイナモは「ペダルを重くしない」という特性も持っています。


 わたしたちが子供の頃は、ペダルが重くなって走りにくい、という理由で、多くの人が、ダイナモもライトもついているのに、あえて無灯火で夜道を走っていたものです。


 後に、発電用のマグネットを8個内蔵した、スーパーエイト・ダイナモというものも出てきましたが、これも、明るくはなるものの、ペダルが重くなるのは変わらなかったので、やはり無灯火自転車が多かったように思います。


 かといって、電池で光るライトは、あまりに効率が悪く、すぐに電池が無くなってしまうので、コストがかかる上に実用的でもなく、ほとんど普及しませんでした。


 しかし、LEDという一つの発明が、その事態を変えてしまいました。

 今や、ハブダイナモがついていない自転車でも、多くの人が、電池式LEDライトをつけて夜道を走っています。

 LEDになって電力効率がよくなり、数日に一度は電池を交換しなければならなかった時代がうそのようです。


 基本的に、電池と自転車は相性が悪いものです。


 ある程度以上、年配の方ならば、かつての自転車には多くの電池が使われていたことをご存じのはずです。

 たとえばブザー。

 親指でチリンチリン鳴らすベル(結構複雑な機構で、蓋をとって中を見るとドキドキしたものです)や、ただスプリングをはじいてチーンとならすベルではなく、かつてブザーと呼ぶべきベル(日本語がおかしい?)が自転車にはついていました。

 おぼろげな記憶では、ロケットみたいな形をしていて、先日書いた「アール・デコ」っぽいデザインでした。
 (画像を探しましたが見つかりませんでした)


 しかし、これも、電池が切れると新しい電池は補充されず(昔は電池が高かったのですよ)、いつしか蓋はとれ、雨の日に戸外に置かれると、ため池よろしく悲しく水がたまるのが常でした。

 
 立志伝中の人物に松下幸之助という人がいましたね。

 二股ソケットが有名な「経営の神様」でしたが、彼のもうひとつの顔?は、「自転車大好きおじさん」でした。

 だから、わたしたち自転車コゾウにとって、松下(現パナソニック)製のスポーツ自転車は、かなり性能の良い、そして値段が高い、手の届かないあこがれブランドだったのです。


 その彼が、ある製品を開発した部下をベタ褒めしたことがあるといわれています。


 それが自転車用フラッシャーです。

 後には、ボタン一つでライトが上に飛び出る、リトラクタブル・ライト付きの物も発売されましたが、それは蛇足として――

 ハンドルについたスイッチを右にすると、後部キャリアにとりつけられた装置によって、光が左から右に走り、逆にすると、その方向に光が走る。

 つまり、フラッシャーとは「自転車用方向指示器」なんですね。

 現在も、自転車に方向指示器はついていませんが、あったほうが安全であるのは間違いありません。


 だからこそ、松下翁(おう)は部下を褒めたのです――いや、そう思いたい、確かにその部分もあったはずです。

 実際のところは、そのフラッシャーが「単一の電池」を6本も使用することから、松下の電池が売れることに喜んだ、と言われています。

 
 自転車講習を受ければ分かるように、ほとんどの場合、いまだに曲がるときには、片手運転をしながら、手サインをするように教えられます。

 けれど、片手運転は人によっては、かなり危ない行為です。

 だからこそフラッシャーが必要なのです。

 しかし、例によって、単一を6個も交換しつづけ(られ)る子供はほとんどおらず――


 やがては、電池の蓋も無くなり、雨ともなれば、その大きな入れ物の中に水が溜まるようになるのが関の山でした。

 翌日、晴れた街に自転車をこぎ出し、ブレーキをかけると、穴からあふれた水が足にかかったりするのですね。


 LEDが普及し、ハブ・ダイナモが一般化して、さらに、リチウム充電池という大容量のバッテリーを搭載した自転車が発売されているのに、いまだにフラッシャーが標準装備されていないのは、なんとも不思議な気がします。

 と、思ったら、LED仕様のフラッシャーが売られていました。

 しかもスタイリッシュ?になって。

 参考までに載せておきます。

DOPPELGANGER(ドッペルギャンガー) 方向指示器 テールライトウィンカー DA015SG

自転車ウインカーランプ(LED発光・メロディーブザー) EEA-YW0496


 電池の保ちが(連続使用で)15時間……これは、長いですよね?

|

« スポーツに対する関心 インド | トップページ | フラッシャー その2 »

森羅万象気になること」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/159899/55499940

この記事へのトラックバック一覧です: フラッシャー ご存じですか? :

« スポーツに対する関心 インド | トップページ | フラッシャー その2 »