さよなら、さよなら倫敦
ウディ・アレンの映画に「さよなら、さよならハリウッド」というコメディ映画があります。
例によって、監督・主演のウディ・アレンが、かつてはアカデミー賞に二度も輝きながら、今はすっかり落ち目となった映画監督に扮しています。
映画の内容は、落ちぶれた彼が、メジャースタジオの話題作の監督に抜擢され、再起をかけようとした矢先、心因性の失明をしてしまうというものです。
映像の面からいえば、これも例によって、ニューヨークしか撮ることができない(そんなこともありませんが)と揶揄(やゆ)されるアレンらしく、プラザ・ホテル、バルサザールズなどニューヨークのお馴染みの街並がふんだんに登場し、NYを知るものにとっては楽しめる映画です。
というわけで、今回のタイトルは、「さよなら、さよなら倫敦(ロンドン)」です。
これはもう、いわずと知れたロンドン・オリンピックが明日で閉会するという意味なのですが、今回のオリンピックは、いくつかの点で「さよなら、さよならハリウッド」に似ています。
ひとつは、かつては一世を風靡した国の首都でありながら、今は、(失礼を承知でいわせてもらうと)緩やかに没落の道を歩む老いた街であること。
しかしながら、今回のオリンピアードをきっかけに、治安の悪い貧民街のウェストエンド(19世紀末にジャック・ザ・リッパーの出没した地域でもあります)の再開発を行うなど、なんとか輝きを取り戻そうともがいていること。
そしてその競技場の位置は――
ヴィクトリア・パークの近くのオリンピック・パーク、アクアティクス・センター、ウォーター・ポロ・アリーナ、カッパーボックスや、ロンドン東部のエクセル、ノースグリニッジ・アリーナ、グリニッジパーク、そしてロンドン中心部のザ・マル、アールズ・コート、ロンドン中心部のハイドパーク、ロンドン北西部のウェンブリー・アリーナ、ウェンブリー・スタジアム、南西部のウィンブルドンや、ハンプトン・コート宮殿であり――
本日行われたマラソンのコースは、発着地点の「バッキンガム宮殿」、「トラファルガー広場」、「ザ・マル」、「セントポール大聖堂」、「ロンドン塔」、オリンピック仕様の「タワーブリッジ」、大観覧車「ロンドンアイ」、ロンドンのシンボル「ビッグベン」などをめぐる、まさしくアレン映画なみのロンドン名所案内となっているのです。
長らくロンドンには行っていないわたしも、その街並をなつかしく思い出すことができました。
大会運営上の不手際はいくつかあったものの、現在のところ、さほど問題もなく閉会式を迎えるようです。
別項で書きましたが、オリンピック、いつものわたしは、ほとんど柔道を観るだけなのですが、今回は競技の始めの、柔道の試合があまりに不甲斐(ふがい)なかったので、つい、気分転換もかねて、他の試合も観てしまいました。
そして、その結果、以前よりずっとオリンピアードを楽しむことができました。
わたしは開会式を観ませんでした(再放送でも)し、閉会式もおそらく観ないと思いますので、ここで、2012年年、ロンドン・オリンピックに別れを告げたいと思います。
さよなら、さよなら倫敦……
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