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2012年7月 3日 (火)

アメリカ、ヘロヘロやんかー ~「世界を救う処方箋」より~

 日本では、 今もなお経済大国としてアメリカを持ち上げる人の多いのが不思議ですが、USAは、2010年の財政赤字が100兆円近く(1兆3000億ドル)あり、それはGDPの9%でした。

なぜ、赤字になるのか?

それは単純な数式でわかります。

税収は、現在のシステムでGDPの18%。

それに対して、社会保障や医療・年金などの義務的経費が13%、軍事予算が4%、借金利息が3%これだけですでに赤字になる。

つまり、

18-13-4-3=-3

絶対に必要な経費だけで、すでにマイナスなのに、この上にさらに経費がかかるため、慢性的な赤字体質になっているのです。

世界経済の牽引車たるアメリカがもう立ち行かなくなってきている。

386

「 世界を救う処方箋」の著者、ジェフリー・サックスは、その原因を、ひとえに(ひとつに限定する時点でちょっとマユツバなのですが)、

「高額所得を得て、多くの資産を保有し、大卒以上である」ような富裕層が、「少ない税率しか負担しなくなった」からだ、と断定しています。

 このあたりの話は面白いので、もう少し紹介すると、

 ブッシュ以降の新自由主義政策によって、富裕層は、所得も投機収入も資産も課税を減免されてきた。

 同時に、軍事・医療・石油に関わる大企業は、ロビー活動を通じて、民主党へ、共和へと、党を問わずに政治献金を行い、メディアはアメリカの危機は「大きな政府によるものだ」というキャンペーンを張って、サブプライム危機を引き起こした当事者の金融機関幹部は責任を問われるどころか、ボーナスを稼いできた。

 中国からの製品が輸入され、アメリカの国内のインフレ率は低下したが、グリーンスパンは、それをIT革命にもとづく生産性の向上のせいだと強弁して金融緩和しか講じなかった。

 そのために製造業では賃金は下がり雇用も失われた。

 つまるところ、グローバリゼーションを見誤ったのである。

「グローバリゼーションのお手本」として、アメリカバンザイと彼の国を持ち上げることしか知らない日本の識者に教えてやりたいような内容ですね。

  サックスは断罪を続けます。

 リーマン・ショックを経てさえ、政府は金融緩和と減税しか施策を打てないでいる。

その理由は、

「コーポレートクラシー」=「有力企業による圧力団体が政策アジェンダを支配するような政治形態」

が、依然としてアメリカを政府と議会を羽交い締めにしているからだ。

結果として………

 貯蓄率は下がり続け、インフラ・ストラクチャへの投資がままならないために、ニューオリンズは水没し、教育に金がまわらないため、学歴で労働者はヨーロッパどころかアジアにも後れをとりつつあり、地球環境やエネルギーといった将来のための問題への関心も薄く、大きな格差は「郊外と都心」「サンベルト(南部)とスノーベルト(北部)」といった居住地域間に政治的分裂をもたらした。

 「ヨーロッパどころかアジアにすら学歴が」ってところは、なんだかアメ公らしい「上から目線」を感じますが、まあ言っている内容はそれほど間違っていないと思います。

 以上、わたしが今回お伝えしたかったのは、日本の「識者」によるアメリカ経済への視線は、昨今の米国の就業率微増でかなり楽観的になっているように見えます。

 しかし、現実のアメリカの病根は根深く、安易に表層的に、アメリカへ追従しては、かえって日本がアブナクなる、ということです。

日本は、安易なアメリカへのお追蹤(ついしょう)をやめて、日本の風土と文化に根ざした経済立て直し、グローバリゼーションを考えるべきなのですから。

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