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2012年7月13日 (金)

これぞ馬鹿の壁(の勘違い)

 考えてみると、世の中には勘違いされていることがたくさんありますね。

●「情けは人のためならず」の意味、あるいは「役不足」「確信犯」の意味

●「おもむろ」の使い方

●「気のおけない」の使い方

●「斜に構える」(はすにかまえる)と「犬も歩けば棒に当たる」の意味

●いまだに「汚名挽回」する人がいたりする。さすがに「名誉返上」する人は見かけないけれど

●脆弱(ぜいじゃく)=「よわっちいこと」をキジャクと読むことは無いと思いますが……

●日本では、阪神タイガー「ス」だけど、アメリカでは、デトロイト・タイガー「ズ」であること

 等々――


 しかし、学生の頃に真実を知って、一番、やられたぁ、と思ったのは、「東西ドイツを隔てるベルリンの壁」でした。


 わたしが中学生の頃の歴史では、ほとんど第二次大戦後までは学習しなかったのですが、それでも「東西冷戦の象徴」としてのベルリンの壁は、『覚えておくべき言葉として』教えられました。

 で、その時のイメージですが、

「ドイツという国がありまして、その国を真ん中で区切ると、ついでにベルリンという町を東と西でまっぷたつにしてしまった。そこにつくられたのがベルリンの壁なのだ」

と、まあこんな感じでした。

 が、しかし、事実はまるで違いますね。

Karte2_2

 上は、統一前のドイツの地図です。小さい方が東ドイツですね。


 第二次大戦に勝利した国々(アメリカ、フランス、イギリス、ソ連)は、ドイツを分割支配しました。

 大戦を引き起こしたドイツを罰し更正させる、という名目ですね。

 ドイツ各地は四ヵ国によって切り取られ、支配され、首都であったベルリンも四ヵ国に分割支配されました。

 やがて、資本主義(米、英、仏)と共産主義(ソ連)の対立が激しくなると、ドイツ各地の分割地帯がまとめられ、国自体が西ドイツと東ドイツに分かれました。

 その結果、不幸なことに、ベルリンは、東ドイツのど真ん中、周り全部が共産主義の地域に囲まれることになったのです。

 まるで、思想的な「陸の孤島」。

 下図をみてください。

420

 四面ミナ楚歌ス!ではなく、四面ミナ一週間ス!

  ~日曜日に 市場にでかけ  糸と麻を買ってきた~

 西ベルリンに住んでいる民主主義の人々は、かつては同胞であった者たちが、敵となって周りをとりかこみ、「ローレライ」ではなく「一週間」を歌い出すのを聴くようになったのですね。

 面白いのは、西ベルリンの人々が、

「じゃあ、こんな陸の孤島は逃げ出して他所に行こう」

と思わずに、逆に、東ベルリンの人々(それどころか、まわりの共産主義支配地域の人々)が、労働のキツサと締め付けに嫌気がさして、次々と西ベルリンへ入り込む(亡命する)ようになったことです。

 実害として労働力がなくなり、まわりに示しがつかなくなった西ベルリンを取り囲む共産主義地域(つまり東ドイツ)は、西ベルリンぎりぎりの「自国の領土内?」に壁をつくって、ぐるりと西ベルリンを取り囲んだのです。

 上図にあるとおりですね。

 これが、いわゆるベルリンの壁。

 したがって壁とは、さきに書いたように、

「西ベルリンと東ベルリンの間の境界線上(約60キロ)にあって、東西ベルリンを互いに隔てる南北に真っ直ぐな線」ではないのです。

 実際は、

「西ベルリン全体を東独の中で封鎖し、孤立化させるために周囲を取り囲んだ、『刑務所の壁に似たもの』」

だったのです。

 だから壁の長さは、西ベルリンの外周、約165キロにもなってしまった。

 この「通常とは逆」の事実を知った時には、少なからずショックを受けたものです。

 だって、たいていは、狭い場所に閉じこめられることを嫌がり、取り囲まれた場所から外へを出て行きたく思うはずだからです。

 しかし、現実は、周り全部の人々が、壁に囲まれた西ベルリンを目指し――

 機銃掃射で殺されたりしたのですね。

 まあ、こんな勘違いをしていたのは、わたしだけかも知れないので、こんなことを書いても自らの恥をさらすだけなのかも知れませんが……


 世の中には、勘違いされていることが、本当に多々あるものです。

p.s.
 あとから考えると、「四面ミナ一週間ス」より「四面ミナ『トロイカ』ス」の方が分かりやすかったかもしれません。

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