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2012年7月15日 (日)

No Idol No Dream! ~アイドル多チャンネル化の先にあるもの~

 よく、「最近は、時代を代表するアイドルがでなくなった」と言われます。

 そして、必ずといってよいほど、その後に、

「現代は、趣味や好みが多様化して、万人の好む、ただ一人のアイドルは存在しなくなってしまったのだ」

と、続くのです。


 前にも書いたように、わたし自身は、不幸にして、アイドルのファンになったことは無いのですが、アイドルとは、つまり個人の女性(あるいは男性)に対する趣味の発露(はつろ)であるような気がします。

 ある人が好きなアイドルを知れば、その人の異性に対する趣味と傾向がわかるはず。



 趣味といえば、現在は、また、趣味の雑誌受難の時代であるともいわれます。

 人の趣味が多様化し、万人が、それぞれの嗜好(しこう)を追求した結果、大きく分類すれば同じ範疇(はんちゅう)に入る趣味でも中身はかなり違う、という結果になってきていますから。


 たとえば、同じ鉄道ファンであっても、ある者は「車内アナウンス」が大好きで、それをICレコーダーで収集していたかと思えば、ある者は、会社ごとに違う制服のファンであったりする、つまりはそういうことです。


 かつては、たとえ、そういったニッチな好みであっても、それら全ては大分類された専門誌が受け皿でありました。

 上記の、アナウンス・ファンも制服ファンも、雑誌「鉄道ファン」を購読して、その中で、自分は鉄道ファンだけど、中でも特に社内アナウンスや制服が好きなのだ、と読者コーナーで発言をし、編集者は、時に「アナウンス特集」を、あるいは「制服特集」を行って、それらのファンのニーズに応えていたわけです。


 逆にいえば、何か趣味を持つにしても、世間一般と同じ傾向のものにしておけば、情報の入手も共有も簡単であったため、あえて自分の好みを押し殺して、一般的な趣味に、自らを合わせておく者が多かったともいえます。


 しかし、毎度のことながら、ネット社会になって、mixiやFacebook、ブログや個人サイトを通じて、そういったニッチ(隙間)な趣味であっても、同好の仲間を探しやすくなり、無理に大分類された趣味にとどまる必要はなくなりました。


 今まで、地方で暮らしていて、三つしかチャンネルのない生活を余儀なくされ、数少ない娯楽番組で我慢してきた人が、スカパーに加入した途端、数百チャンネルの番組から、より自分の好みのチャンネルを選べるようになったようなものです。


 驚異の多チャンネル化!


 インターネットの広がりと、検索エンジンの高性能化は、それらをさらに細分化し、ニッチ化したようなものです。

 その上、ネットは「インタラクティブ(双方向)」であり「リアルタイム性」まである。

 読者投稿欄めがけてハガキを書く必要が無く、自分が投稿した意見の返事を、来月号の誌面を待たなくても知ることができるのですから。


 人々は、多くの人が好む「趣味の王道」のファンのふりをしなくてもよくなり、本当に自分の好きな「人とはチョット違う好み」を、全開で追いかけられるようになりました。



 上で書いたように、アイドルが「異性に対する趣味の発露」であるならば、それもまた細分化され多チャンネル化されてしまった。


 もはや、世間が一斉に「山口百恵が好き」、「ピンクレディーが好き」、などという事態はあり得なくなったのです。


 だって、『一人の人間』が、そんな『多くの人に好まれる多チャンネル(容姿、性癖など)』を持つことができるわけがないわけですから。


 それでも、芸能プロダクションは、世間にアイドルを提供しなければならない。


 困った彼らは、一計を案じました。

 ひとりの人間が、多チャンネルを持つことができないのなら、かつてなら考えられないほどの人数を集め、ひとつのグループ名を与えて擬人化し、ファンそれぞれに、その中の誰かを選ばせればよいのです。

 つまり「情報過多」のネット社会に則した、「アイドルの多チャンネル化」を行ったのですね。


 さあ、ここにカワイコチャンのアソート(メント)=(盛り合わせ)がありますよ。

 Please Help yourself. (自由にお選びください)

 そういえば、アソートには交際するっていう意味もありますね。


 二十一世紀のアイドル、

 A(あなた)K(好みの)B(ベイベー)を四十数人集めました!



 少し前にネットで流行った各国アイドルの比較イラストの通りですね↓。

421

 この先にあるのは、初音ミクに代表されるArtificial Idol、つまり人工的に作り出された、二次元(アニメ)でない、歌って踊れる3D-CGアイドル、しかも、個人の好みによって、微妙に容姿や性格を変えることのできるアイドルなのかもしれません。


 さらにその先には、ブルース・ウィリス主演の映画「サロゲート」よろしく、大阪大学の石黒教授(サロゲートにも出ておられました)の研究テーマである、人間そっくりアンドロイドが控えているのかもしれませんね。



P.S.
 上記イラストの日本以外の画の意味は各自お考えください。

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