え!あれでまだこれだけしか…… ~サグラダファミリアと他の迷宮~
三重県の伊勢地方に、パルケエスパーニャという遊園地施設があります。
公式サイト http://www.parque-net.com/
その名のとおり、スペインをテーマにした遊園地なのですが、その中に、バルセロナのグエル広場を模した公園があります。
その、ちょっと懐かしいタイルで作られた壁をみると、なんとなくガウディの建築を思い出してしまうのですね。
パルケ自体、それほど凝ったアトラクションがあるわけでもないのですが、なぜか心が惹かれます。
温泉!?つきのホテルも隣にあるし、年末年始に、ノンビリするのには最適なテーマパークだと思います。
メイン・キャラクターの、ドン・キホーテの造詣には、ちょっと辛いものがありますが……
と、ここまで書いて、スペインつながりで、サグラダファミリアを思い出しました。
バルセロナにある、アントニオ・ガウディ設計の大聖堂ですね。
もちろん、皆さんは、おそらくあの建物が未完成であるのはご存知でしょう。
では、どの位未完であるかをご存知ですか?
以前に、ナショナルジオグラフィックのポスターで、それをわかりやすく示したものがあったので、ここに。掲載させていただきます。
灰色の部分が、未完成の部分です。
どうです?
まだ、メインの「イエスの塔」ができていないのですね。
あの様々なメディアに良く登場する有名な塔は、ほんのお飾りの前の部分だけなのです。
いったい、いつ完成するのでしょうか?
上のグエル広場でひとつ思い出しました。
グエル広場のモニュメントに雰囲気の似た城を、33年かけて、ひとりで作り上げた郵便配達人の話です。
フランスのドローム県オートリーブにある「シュヴァルの理想宮」が彼の城です。
自転車で郵便配達をしている時、変わった形の石につまづいたフェルディナン・シュヴァルは、それからいかなるインスピレーションを得たのか、様々な場所から石を拾い集め、庭にそれを積み始めます。
そして、33年かけて、建築の知識もなく、美術の専門教育をうけたわけでもない男が、独力で城を(もちろん、小ぶりなものですが)建ててしまうのです。
写真などは、lolitaさんのブログにすばらしいものがありますので、ご覧になってください。
この話を思い出すと、同時にドイツのルートヴィヒ二世の、あの城、ノイシュヴァンシュタイン城も思い出します。
ディズニーランドの「シンデレラ城」のモデルとなった城といえばわかりやすいと思いますが、この城の特色は、その内部に、ワグナーの歌劇(彼は『楽劇』と称していますが)を演じさせるためだけの「人工の洞窟」などが作られたという点です。
城には当然存在しなければならない、というより、そのためにこそ城は存在しているはずの『玉座』より、楽劇用の人工洞窟造りを優先させるほど、ルートヴィヒ王はワグナーに傾倒してしまったのですね。
人の住まう城ではなく、趣味のモニュメント。しかも大金のかかる。
そのために、城の完成後、100日あまりで王は軟禁されてしまいます。
しかし、実用を排した「趣味の城」であるがゆえに、ノイシュヴァンシュタイン城は美しく世界中の人々を惹きつけ、現在ではヨーロッパ観光の目玉といわれるほど人気の高いスポットになっているのです。
ノイシュヴァンシュタイン城は、上のシュヴァル宮とは、形は違えど、常人には理解できない奇妙な情熱を全力で傾けた残滓(ざんし)名残であるという点で、同じ範疇のモノであると思います。
アジアでは、この手の話をあまり聞きませんが、欧州・米国に、こういった偏った情熱の名残が多数残されているのは、彼の地が、すぐに朽ちて消えてしまう木の文化ではなく、永年にわたって残る石の文化、石による建築物の文化であるからかもしれません。
「だからこそ、生涯をかけて作り上げる値打ちがある」と思わせる、永続性が石の文化にはありますから。
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コメント
<入れ墨調査>無回答「昇進させぬ」…橋下市長リスト指示
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投稿: <入れ墨調査>無回答「昇進させぬ」…橋下市長リスト指示_528219 | 2012年5月22日 (火) 18時11分