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2012年5月29日 (火)

死の重さ50グラム ~ニュースになった毒~

「ニュースになった毒」という本があります。

 作者のAnthony T.Tuは、サリン事件の分析にも関わった毒物の専門家です。

 台湾で生まれ、現在は日本の大学で教鞭をとる彼が、サリン事件を始め、和歌山ヒ素カレーを、成分や人体への有害性を科学的な視点から解説してくれる本です。

 しかし、中でも特に興味深いのは、薬物に関する罰則の国際比較です。

 死刑!になるヘロインの最低所持量がすごい。

 ご存じの方も多いでしょうが、世界の多くの国で、麻薬の所持、密輸入にはかなり激烈な罰則が定めてあります。

インド      10キロ
バングラデシュ  2キロ
中国       50グラム

 中国は、50グラムで死刑なんですね。

 こういった他国とは別格の厳しさは、アヘン戦争の為に香港まで英国に取られてしまったという痛恨の歴史があるからだと著者はいいます。

 ひるがえって、我が国における密輸入の罰則はどうなのでしょう?

 ヘロインだとこうです。

 非営利犯 1年以上の有期懲役
 営利犯   無期又は3年以上の懲役 情状により1000 万円以下の罰金を併科

モルヒネ・コカイン・マジックマッシュルームなどの輸入は、

 非営利犯 1年以上10 年以下の懲役
 営利犯 1年以上の有期懲役 
     情状により500 万円以下の罰金を併科(阿片法は300 万円以下)

となっています。

 日本は、まだまだ違法薬物に関する罰則が弱いようです。

 だから、その気分のまま、安易に「どこかの外国」から「外国」への入国の際に、荷物を渡され「いくらか渡すからこれを持ち込んでくれ」といわれて了解し、税関で麻薬が見つかって、無期懲役だの死刑だのという恐ろしい量刑を求刑されて泣く若者があとをたたないような気がします。

 中身を知らないまま、頼まれて鞄を運んだりすると大変なことになるのです。

 「たかが粉を持ち込んだだけじゃん」と、笑ってすましてくれる国は世界にはないのですから。

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