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2012年4月30日 (月)

志村ぁ~うしろーじゃない!  ~ドリフターズ~

 今回は「ドリフターズ」について書きます。

 ドリフターズといっても、「志村ぁうしろー」のドリフではありません。

 ズッコケ(ドリフト)ではなく、この世界から、漂流(ドリフト)させられた漂流者(ドリフターズ)=歴史上の有名人たちが、エルフ(妖精)の暮らす世界で闘う話です。

 漫画家、平野耕太が月刊漫画雑誌『ヤングキングアワーズ』に、2009年6月号から連載していて、いまコミックスが二巻でています。

Photo

  内容について、もう少し詳しく書きましょう。

 エルフの暮らす異世界に流れ着くものには、大別して二種類の人種がいて、そのひとつが「漂流者(ドリフターズ)」と呼ばれ、他方が「廃棄物(エンズ)」と呼ばれています。

 ドリフターズとして流れてくるものは、闘って死んだものの、それなりの充実感を持っていたものが多く、エンズとしてやってくるのは、晴らしきれない恨みを抱えて死んでしまったものがほとんどです。

 つまり、ドリフターズは、戦士としての矜持(プライド)をまだ持ち続けている者たちで、エンズは、人を世界を憎みきっている魔物に近い者たちなのです。

 例)
 ドリフターズ:織田信長、那須与一
 エンズ:ジャンヌ・ダルク、土方歳三、ジルドレ、アナスタシア、ラスプーチン

 え、織田信長と那須与一?

 いやいや、それどころか、ハンニバルとスキピオまでいるんですから、ドリフの世界は歴史の偉人オール・キャストといった様相を呈しています。


 ストーリー的に、主人公は関ヶ原で死んだ島津豊久です。

 戦いに傷つき、戦場を彷徨っているうち、急に闇と霧に包まれ、気がつくと、異境の世界にいたというわけです。

 その豊久を助けたのが、同じドリフターズである、那須与一(女性と見まがうばかりの美貌)と本能寺で隻眼となった信長でした。

 この信長のキャラクターが特に良いんですね。

 魔王と恐れられたあげく、家臣に裏切られ謀殺された彼を、呪いの塊であるエンズではなく、ドリフターズとして扱うところに、作者のセンスの良さが感じられます。

 その上、「俺は何もかも自分でやろうとして失敗してここにいる、だから、俺たちの大将はお前がなれ」と、トップの座を豊久にゆずり、自分は参謀としてドリフターズとエルフの軍隊を動かすのです。

 歴史上の著名人物を集めた「オール・スターキャスト」で、何かをさせる、というのは、モノ書きなら誰でも一度は思いつきますが、それを魅力的に書くのは、なかなか難しいものです。

 それを、作者は、主人公を島津豊久という、まあ、あまり我々の記憶にない(知る人ぞ知る)侍に設定し、(実は本当に描きたい)織田信長をワキにまわして好きに動かし、読む者を飽きさせないストーリー展開にすることに成功しています。

 ちょっと、デフォルメしましたが、上の画像を見てもわかるように、洋服に近い赤色の島津の戦闘服に身を包んだ豊久が、弓の名手として名高いエルフたちを遙かにしのぐ、天才射手の美形、那須与一や、魔王信長を従えて、怒りと憎しみと呪いの塊になっているエンズたちと合戦を繰り広げるストーリーは、かなり魅力的です。

 というわけで、「ドリフターズ」

 話としては、まだまだ序盤ではありますが、うまくすると、この先、魅力的な異世界群雄割拠モノ?の作品に化ける可能性があると楽しみにしている作品です。

 みなさんも、一度、お読みになってはいかがでしょうか?

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