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2012年3月 8日 (木)

ちょっと惜しかったB級SF フジテレビ「O-PARTS~オーパーツ~」

 先日、放映された、四夜連続深夜番組「O-PARTS~オーパーツ~」を観ました。

Op1

            いや、これはオレオではなく、本当のオーパーツ↑

「O-PARTS~オーパーツ~」公式サイト(あらすじの詳細、画像などはすべてここ↓にあります)
  http://www.fujitv.co.jp/O-PARTS/index.html

 何かの予告で観て、四夜連続、チープそうなSF映像、そして、まったく知らない役者陣(どこかでカンジャニとか書かれてましたが、そもそも、その人たちを知らない)と、マイナス要素が多すぎて、かえって興味が惹かれ、録り捨て用のトルネで録画してあったものを観たのです。

 はっきりいって、最初は辛かった。

 例によって、イカニモな、自己中心的かつ自己主張過多な登場人物たちが(そうじゃなかった若者は早々に退場!)叫シーンが多い。

 富野ヨシユキがガンダム以降流行らせ、アンノがエヴァンゲリオン(ヲンか?)で一応完成させた「巻き込まれ型僕ちゃんヒーロー自己主張す」のパターンですね。

 すぐ声高に「オレたち仲間じゃないか」なんていうのも、気味が悪いったらありゃしない。

 今の若い人に尋ねてみたいけど、本当に、ジッサイ、みんなで「仲間」「ナカマ」って確認しあって仲良しぶるものなのかなぁ。

 もしそうなら、それはかなり歪んだ教育のタマモノのような気がする。

 なんというか、自己中心的、利己的な主張と、「ナカマ」って叫ぶと、なんとなく仲良くなると言う設定にギャップがありすぎるんだな。

 少年あるいは青年コミックスなどを読んでも、あまり違和感がないけれど、たまに日本のドラマ(映画含む)を観ると、この人たちいったいどうしたんだろう、と思ってしまうことが多い。

 最近観たものでは、「インシテミル」「彼岸島」なんかがそうだった(まあ、最近の映画でもないし、「彼岸島」は原作コミックでもそのコトバが鼻につきますが)。

 これって、上記コミックスは男性向けで、ドラマは、視聴者がほとんど女性という、対象者の性差の問題なのかな。

 でも、女の子が、「仲間」「ナカマ」って連呼するのは、ちょっとあり得ないように思う。

 いったい、どこで、日本のドラマはこんな風に作るんだ、という風潮ができたのだろう。

 あるいは……

 そうか、これらのパターンは、中・高校生向けのドラマによくある言動なのかも。

 義務教育に近い、学校教育に関わっている世代の子供たち。

ということは、やはり学校教育が原因かな。

 コミックスは、読者層に大人も入るから違和感が少ないのか?

 ともあれ、全体としてみると、この物語は、それほど悪いデキではなかったような気がします。

 特に、ヒロインの扱いがうまかった。

 実験用のモルモットとして、徹底的に傷つけられた存在として、政府を恨みながらも、人そのものを憎むことができない「善良さを持つ生き物」としての描き方が良い。

 未来から来る暗殺者、といえばターミネーターが有名ですが、それに、先祖・子孫という「血縁同士なればこその共感性」を加えたのも良かった。

 オリジナルとクローンの恋、というのは、わたしも思いついて、三十年前に「由良」という作品で書きましたが(自作小説にあります)、なかなか魅力的な設定なんですよね。

 そりゃあ、なんで未来から来た暗殺者集団が、毎回、電子レンジよろしく、マイクロ・ウェーブを使ったショボい間接攻撃方法しか取らないの?とか、何で、物質の交換転送ができるなら、遠距離からターゲットを狙って、比較的大きな物体と交換(例えばペコちゃん人形とか)し、体の大部分を取り去ってしまえば、あっさりと殺すことができるのに、やらないのか、どうして怪人二十面相*(ルパンというべきか?)のように日付のみならず時刻まで予告するのか(しかも、その理由も要領を得ない*)、という欠点はありますが、物語全体の流れは悪くない。

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 *最近になって、初めて「二十面相の娘」を読んだので、つい二十面相、といってしまいます(「二十面相の娘」については、別項にて書く予定)。

 *物語中では、テロリストはそういう示威行為的な行動をするものだ、と言っていたけど、何か違和感が残ります。

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 しかし、やはり気になったのが演出面。

 電磁波の生体への影響は、少しでも電磁波をかじったものなら知っていますが、眼球の白濁、つまり目が煮えて白くなるという症状になって現れるのです。

 そのくらいは映像表現として出して欲しかった。
 目から血を流させる、なんて安っぽい方法をとらずにね。

 「オーパーツ」の総評、ヒトコトで言えば、シノプシス(あらすじ)は悪くないけど、演出がヘボかった、ということになるかな。

 最後のオチといい、爆弾の処理方法といい、観るべきところは多かったのに残念でした。

 プロットとして、ターミネーター、リターナー、僕の彼女はサイボーグあたりに影響を受けた作品でしょう。

 安易に、SF「映画」からではなく、ちょっとハードなSF「小説」からインスパイアされていれば、もっと歯ごたえのある作品になったのではないか、と思います。

「マンガを描くのに、マンガから得た知識で描くな」
とは、よくいわれることですから。

 まぁ、そんな難しい作品にしてしまうと、企画が通らないんでしょうがね。

 ともかく、オーパーツ、最後まで通してご覧になられるなら、DVD化された際に借りてご覧になられても良いかと思いますよ。

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