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2011年5月15日 (日)

浮世絵百面相 歌川国芳展にいってきました

 さきほど、録画しておいた今朝の新日曜美術館を視ると「歌川国芳傑作選」をやっていました。

 しまった、先を越された!

 知らなかったなぁ、今日、国芳を放送するなんて。

 先週は「超写実画家 野田弘志」で、野田氏のスゴさに感動するうちに、次週予告を見なかったのです(野田氏については、検索してみてください)。

 え? 先を越されるって?なに?

 実は、先日、大阪市立美術館の「没後150年 歌川国芳展 」を観に行ってきたのです。

 http://kuniyoshi.exhn.jp/

 それについて書こうと思っているうちに、先にテレビ放映されてしまいました。

 まあ、大NHKと争っても仕方がないのですが。

 喜多川歌麿、安藤広重は有名ですから、わたしも何度かその作品を目にしたことがありますが、歌川国芳というと、鯉と戦う金太郎「坂田怪童丸」↓と、巨大な骸骨(個人的に、和田慎二氏が超少女明日香シリーズで描いた巨大骸骨の元ネタだと考えています)が宮中を襲う絵「相馬の古内裏」↓、あとは人で出来た顔「みかけハこハいがとんだいゝ人だ」ぐらいしか知りません。

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                      「坂田怪童丸」

 002                      「相馬の古内裏」

 国芳の人となりについては、おそらくデフォルメされているであろう、高橋克彦氏の小説で知るだけです。

 今回、その作品の概要を知って、彼が、ユーモアとウイットと反骨心と、進取の気性に富んだ人物であったことがわかりました。

 メジャーになったのが三十歳を過ぎてから、という、浮世絵師としては少々遅咲きながら、日中の故事に因んだ英雄物語の挿絵、美人画、手に入れた蘭画の構図を貪欲に取り入れた作品を残しています。

 まあ、面白くて粋だったら何でもいいじゃないか、という精神ですね。

 この心持ちは清々しくていい。

 挿絵としての「八犬伝之内芳流閣」は、屋根の頂上にいる犬塚信乃(しの)に、大勢の捕り手が襲いかかる図ですが、信乃に弾き飛ばされて、屋根の下まで流れ墜ちる(流閣)捕り方たちの様子が、躍動感あふれる筆致と構図で描かれています。↓

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 猫を使って文字を描く、なんてこともやっています。↓
 なんと書いてあるか分かりますね。

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 英雄譚の酒呑童子モノでは、いま、まさに人から鬼に変わろうとしている童子が、パース無視の「魁男塾」大豪院邪鬼ふうの巨人として描かれています。↓
(あるいは、宮下あきら氏は、この絵にインスパイアされたのか?)

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 だまし絵もあります。

 その名も「欠留人物更紗 十四人のからだにて三十五人にミゆる」↓
 よく見てください(小さい画像ですが)。見ようによっては、15人にも35人にも見えます。
 

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 あるいは、古来より英雄として有名だった朝比奈三郎を巨人として描いて、あたかもガリバー旅行記のような構図の絵を描いたこともあります↓。

 日曜美術館では「天保の改革で娯楽を抑えられた腹いせに、娯楽の世界の英雄朝比奈に武士を見下ろさせた」のだと説明していました。

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 さらに、その巨大朝比奈の体を使い、人の体で顔面をつくったのが、冒頭で述べた「みかけハこハいがとんだいゝ人だ」なのです↓。

 下の画で、赤く囲ったのが、もともとの朝比奈の頭だそうです。

 つまり、肩から下が朝比奈。

 この遊び心は面白い。

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 あるいは、だまし絵に近い、影絵も描いています↓。

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 ちょっと意外だったのが、彼が大のネコ好きであったということです。

 たくさんの猫関連作品を描いています。

 なかでも、東海道五十三次を、猫五十三態で表した「其まゝ地口猫飼好五十三疋」↓がいい。

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 大阪美術館の展示では彼の猫の画をうまく使って、各展示室入り口で、国芳の画から切り抜き拡大した「巨大ネコカンバン」が出迎えてくれるようになっていました。

 さらに、順路にそって、ネコの足跡が「こちらですよ」と案内する趣向にもなっています。

 大きく四つに分かれた会場内の分類もわかりやすく、展示の最後が、国芳65歳死去の折り、弟子歌川芳富によって描かれたとされる「国芳死絵」で締めているのも、余韻が残る良い演出でした。

「国芳死絵」は、粋な旅装に身をつつんだ、実際より少し若く二枚目に描かれ(イメージ的には大石内蔵助ふう)左手には「猫の根付」のついた煙草入れを持った国芳に、前年二十四歳で亡くなった弟子の一宝齋芳房が、荷物をもって寄り添って、さあ、次の旅にでかけようとしている絵です。

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 大阪の後、関東でも展示される予定ですが、関西にお住まいの方は、ぜひ、この機会にホンモノ(刷り物ですが)をご覧になってください。

 平日なら、まだ空いていますよ。

 また、本日、夜から、再放送の教育テレビ:新日曜美術館もご覧になってください。

 大阪展 2011.4.11-6.5
 静岡展 2011.7.9-8.21
 東京展 2011.12.17-2012.2.12

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