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2011年3月

2011年3月29日 (火)

あけてはならぬパンドラの筺/映画「パンドラム」

今回は、久しぶりに映画について書きます。

 11日以来、iphoneをフルに使って、twitter、Facebook、ツブエキ、ニコニコ動画、はては「はてなブックマーク」まで用いて災害情報を集める合間、めったに見ないitunesを何かの拍子にクリックすると、なぜか映画のページが開きました。

 興味のないまま、ざっとラインナップを見ましたが、案の定たいして魅力的なタイトルはなく、まあこんなモノだろうな、と閉じようとした時に、映画サムネイルに見た顔を見つけました。

 ミョーに小汚い髭ヅラになっていますが、確かに彼はかつての二枚目俳優、デニス・クエイドです。

 映画のタイトルは「パンドラム」

Pandorum_poster

 観たヒトのレビューを観ると、大作ではないけれど、適度にヒネリのあるスリラー系SFで、暇つぶしにiphoneの小さな画面で観るには手頃なB級っぷり、といった評価が並んでいます。

 値段を観ると、レンタル400円、購入2,000円。

 微妙に高い気がする。

 うーん、だったらレンタルDVDかブルーレイで観たほうがいいや、と、恒例の夜の散歩がてら最寄りの店で探すと、新作の棚に載っていました。

 まったく気がつきませんでしたが、劇場公開された作品(2010年10月1日公開)で、ライナーノーツを読むと、

「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソン製作、監督はウォルフガング・ペーターゼンで贈るSFスリラー。出演は「ライトスタッフ」のデニス・クエイド」

とあります。

 そうか、わたしにとって、デニス・クエイドっていうと、まず「第5惑星」なんだけどなぁ。最近?では「デイ・アフター・トゥモロー」かな?チョイ役なら「G.Iジョー」か。



cf.ちょっとだけ「第5惑星」の説明を

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「第5惑星」(1985年)は、あの「インナースペース」(1987年)の前に彼が主演した映画で、傑作でも秀作でもないけれど、B級SF映画ファンにとっては、たまらなく奇妙でキッチュ(?)な作品でした。その内容は……

 21世紀末、地球はドラコ星と戦争を始めていた。
 地球人とドラコ星人、敵対する二つの種族のふたりが、戦闘のあげく第5惑星に不時着します。地球人をデニス・クエイドがやってます。
 やがて、二人の男(と思ったのに……)は、いがみあいながらも徐々に心を通わせ始める。第5惑星は、そうしなければ生き残れない過酷な惑星なのです。このあたり、トニー・カーチス、シドニー・ポワチエの「手錠のままの脱獄」っぽいところがあるなぁ。

 やがて、ドラコ星人が、ミョーに具合悪そうなそぶりをみせる。理由を聞いてもはっきりしない。
 やがて、ドラコ星人が雌雄同体で、彼/彼女が妊娠しており、出産が間近だということが判明します。
 って、普通、妊婦(あるいは妊夫)を兵士として戦場に行かせますかねぇ?

 まあいい。

 長くなるので、話をハショると、ドラコ星人は子供を出産し死亡(って、友情物語じゃないのか?いいのか殺して?)、クエイドは遺された子を守ろうとしますが、ドラコ人を奴隷にして働かせるモグリの鉱山経営者に子供を誘拐されて……

と、かなり紆余曲折のある、というか何がいいたいか分からない主眼のボケたプロットになっています。

 まぁ、このあたりが、B級SF映画ファンのスキ心をくすぐるのでしょうね。

 この映画に大きく影響を与えたといわれるのが、世界のクロサワの「太平洋の地獄」('68:三船敏郎、リー・マービン)です。第二次大戦中に、二人だけ生き残って無人島に流れ着いた日本兵とアメリカ兵、という設定は、「第5惑星」の前半部とまったく同じです。

 いかんいかん、ここで書きたいのは第5惑星じゃなかった。

 また長々と脱線してしまいました。アブナイアブナイ。

という、変わった映画に造詣の深い!?デニス・クエイドが主演のサスペンス・ホラーSFなのですから、面白くないわけがない(どっち?)。

 実際に観てみると、このクラスにしては、映像的に、ほとんどB級っぽさを感じさせないナカナカの作品に仕上がっていました。わたしの大好きな「イベント・ホライゾン」あるいは「マウス・オブ・マッドネス」(どちらもサム・ニール主演だ)ほどではないにしても……

 ある若者が、巨大宇宙船の中、冷凍睡眠から眼を覚ますところから話は始まります。
 
 覚醒室には誰もいない。
 自動的にカプセルから放り出され、暗く冷たい床に転がりながら、彼は自分が誰かわからないことに恐怖します。

 この映画世界の設定として、

1.コールド・スリープ後、数時間~数日は記憶に混乱が起きる
2.過度の記憶錯乱によって、中には「パンドラム」という重度の精神障碍を起こす者がいる。パンドラムの外見的な特徴として手が震える。

ということがあります。

 若者も、覚醒時の記憶異常を起こしていて、自分が誰なのかよく分かってなかったのです。

 徐々に記憶が戻ってきますが、初めのうち、彼は自分が何者なのかも分かっていませんでした。

 ここで面白いのは、コールド・スリープ後の記憶錯乱を緩和するために、記憶を取り戻すきっかけ(文字、言葉?)を入れ墨にして身体に残していることです。このあたり、「メメント」に影響を受けているのかも知れませんね。

 パニックに襲われた若者は、上官の冬眠カプセルを開けて、指示を仰ごうとします。

 その上官こそがデニス・クエイドだったのです。

 無理矢理起こされたデニス・クエイドと若者。

 ふたりのまわりは謎で満ちあふれています。

1.なぜか彼らは冬眠室に閉じこめられている。

2.なぜ、彼らを起こすはずの乗組員が見あたらない。

3.さらに電気が満足に供給されず、どうやら船は制御不能であるらしい。

4.若者が苦労して部屋の外に出ると、カニバリズム(人肉を喰らう)を実践する不気味な怪物が遅いかかってくる。

 いったい船に何がおこったのか?

 なぜ乗組員がいないのか?

 あの怪物は何なのか?

 もちろん、映画のラストで、全てが明らかになります。

 その終わり方も、結構ツジツマがあっていて、悪くありません。

 ただ、映画を観た人の何人かが書いていたように、疑問なのは、

「**が**したことを**だけで、あんな状態になってしまうか」

ということです。

 伏せ字ばかりですみません。

 まだ新作扱いの映画ですのであまりはっきりと書かない方が良い、という大人の考えに走ってしまったからです。

 ちょっと怖いのは大丈夫、という人は、時間の余っている夜なんかに、レンタル店で借りて観るのもよいかと思います。

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2011年3月24日 (木)

何かおかしい。気になること。

 アメリカから帰ってきてすぐに震災があったため、ずっと昼夜逆転の生活が続いています。

 何か新しい情報があるかもしれないと、NHK衛生波をつけっぱなしにして(深夜だし、関西なので過度の節電はなしということで)いると、毎正時ごとにニュースが放送されます。

 今も、一時のニュースを聞いていたのですが、NHKは(観ないからわからないけれど、たぶん他の民法も)、なぜ東京の水汚染の話しかしないのでしょうか?

 衛星放送ということは、特定地域向けの放送ではなく、日本全国へむけての放送のはずです。

 もちろん、東京都民の健康も大切でしょう。

 しかし、東北の人々の健康より大切ということはありえない。

 いや、こういう舌足らずの表現は誤解を招きますね。

 東京の人へこういった情報提供、ニュースがあるなら、東北地方へもそういった情報を流すべきだということです。

 風向きを考えたとしても、原発から東京までの半径でぐるっと円を描いた内部は、すべて水質汚染の可能性があるはずでしょう?

 それを、汚染が見つかった都の一部地区だけにペットボトルを配給、などとは笑止千万。

 東北地方の水質検査はどうなっているのでしょうね。

  一応ここに掲載されてはいますが↓どうもあやしい。
       http://atmc.jp/water/
 またぞろ隠蔽が始まっているのでしょうか。

 そりゃあ、できることから始めなければ、こういった広域被害の対策はできないというのはわかります。

 東京の一部の区にペットボトルを配る、とかね。

 しかし、NHKの放送(全国放送)も含めて、あまりに安易に対応できるトコロしか見ようとしていないような気がしますね。

 と、ここまで書いて、フランス(だったと思う)の有名なジョークを思い出しました。

 街灯の下にしゃがみこんで何かを探している男を見て、ある人物が声を掛けました。

「どうしたんですか」
「指輪を落としたんです」
「それは気の毒に。一緒に探してあげましょう」
「……」
「見つかりませんね」
「見つかりませんねぇ」
「本当にここで落としたんですか?」
「いや、落としたのは、むこうの暗がりなんです」
「じゃ、ここを探してもダメじゃないですか」
「だって、暗いところを探しても見えないじゃないですか。灯りの下で探さないと」

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2011年3月22日 (火)

救助犬

twitterで、震災関係のタイムラインを追いかけていると、

「救助犬って、遺体しか発見できないと、しょんぼりしてしまうらしい。あきらかに睡眠が浅くなったり夜泣きをしはじめたり…。だから、ワザと隊員が隠れて生存者救出のマネをしてあげるそうな」

というツブヤキを目にしました。


 真偽どちらにせよ良い記事なので、ウラをとらずに、ここに転載しました。


 個人的には、犬より猫の方が好きなのですが、こういう話をきくと、犬と人の浅からぬ因縁(というか付き合いの歴史)を感じてしまいますね。

 確かに、猫より犬のほうがはるかに利口です。

 生存者を発見できないと上記の状態になる、というのはそのあらわれでしょう。


 しかし、このツイートのキモは「ワザと隊員が隠れて生存者救出のマネを」というところですね。

 そういった「芸」を見破るほどにはコザカしくないトコロがまたイイんですよ。

 あるいは、すでに犬はその演技に気づいていて、その上でノッテくれているのかもしれませんが。

 いずれにせよ、人馬一体ならぬ人犬一体となった救助活動には頭がさがります。

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2011年3月19日 (土)

停電の誤解

久しぶりにブログを更新します。

 二月から、ひと月ほど私用でアメリカに行って来て、帰ってくるなり「東北地方太平洋沖」地震が起こったため、長らく更新できずにいました。

 ブログは情報の発信としては有効だと思いますが、情報収集としては、twitterとfacebookの方が役に立つため、帰国後は、登録したままほったらかしだったアカウントを起こし、ニコニコ動画もプレミアム会員となって、いったい何が起こっているのかを追い続けていました。

 今も、被災地では、恐ろしく辛いことが起こり続けています。

 とにかく、一刻も早く、被災地の方々が、プライバシーのある暖かい部屋で安全に食事ができて、入浴ができるように、無力な身ながら些少の募金をして祈っています。

「モンクのある者は口を開け、そうでないものは永遠に口を閉じよ」

とは、某異国の結婚の儀などで唱される文句ですが、被災地に対して何もすることの出来ぬ身なれば、ただ無駄な口を開かず祈っていよう、と思っていたのですが、一連の報道で、どうしても気になって仕方がないことがあるので、それについて、ここに書いておくことにしました。

 気になる、いや、ハラダタシイのは、関東の計画停電を受ける地区の人々が、インタビューを受けて、

「停電は不便ですが、東北の方のために我慢します」

などという、タワゴトを、たまに発するのを見る事です。

 このブログをお読みの皆さんがご存じのように、

 カントーチホウの停電は、東北の人々のためにやっているのではなく、東電が首都近辺の電力を確保するために東北地方につくったゲンパツが、今回の災害で故障し、寸断されたために、需要に供給が追いつかず、首都の不意の停電をさけるために輪番停電しているだけです。

 神奈川の人々が節電しても、東北地方に電気が行くわけじゃない。

 そもそも、東北の人々が使っているのは、東北電力であって、福島にある東京電力のゲンパツ電気じゃないのです。

 だから、ゲンパツが事故を起こして送電を中断しても電力不足にはならない(そもそもそれ以前に、今日まで電気がほとんど通っていない)。

 もう、既存のマスメディアには何も期待していませんが、それでも、そういったアタリマエの知識を関東圏の人々に通底させる程度のことはやって欲しいと思います。

 誰のための停電なのかぐらいは知らしむるべきでしょう。

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