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2010年8月 5日 (木)

生まれかわった超人 「バビル2世 ザ・リターナー」

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 いやぁ、買った買った、買っちゃいました。

 バビル二世愛蔵版全9巻

 なじみの古本屋が完全閉店記念で半額セールをやっていたので、書庫が膨れあがるのを覚悟で手に入れてしまいました。

 夜の散歩の途中だったので、かなりな重さの愛蔵版を簡易リュックに詰め込んで、とっとと4キロ余りを歩いて家に帰りました。

 しかし、なぜに今更「バビル二世」?

 もちろん理由はあります。

 猿(ウッキー)間違えた、去る2010年3月10日より、ヤングチャンピオン誌上で、野口 賢氏の描く、正統続編版「バビル二世 ザ・リターナー」が始まったからです。

 これがなかなよろしい……が、その前に!

 最近手に入れて読んだ、ちくまプリマー新書、岡田斗司夫著「世界征服は可能か」の影響も無視できません。

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 これは、現実的に世界征服は可能か、もしできるなら「その際に注意すべきこと」を大まじめに考察したお遊び本です。

 その中で、オタキング岡田氏は、「何でも自分でやってしまおうとするワンマン社長型」の秘密結社首領の典型例として、バビル二世のライバル、ヨミ様の名をあげていました。

 もう決して若くないのに(はっきりとした年齢はわかりませんが、高校生のバビル二世に比べれば明らかにダブルエイジ以上)、正当なバビル一世の後継者として選ばれた(つまり自分より能力が上の)バビル二世と肉弾戦で戦い、すっかり疲れて寝込んでいるところを、(若さゆえか)素早く回復したバビル二世とその「しもべ」によって基地が攻撃され、あわてふためいた部下に叩き起こされて、目の下に隈を作りつつ「よっこらしょ」と戦いにでていくヨミ様は、何もかも一人で決めてやってきた「零細ワンマン社長」以外のなにものでもないのだ、と、人間的にはあまり好きではありませんが、相変わらず岡田氏のヨミは鋭い!

 しかし、わたしも(元祖)バビル二世を読んだのは、もう数十年前のこと(アニメは観たことがありません)で細かいことは忘れてしまっています。

 そこで、今回の愛蔵版の出番となるわけです。

 おかげで、「バビル二世 ザ・リターナー」で、再び登場する(自称腕利き諜報員)伊賀野氏の若き姿も見ることができたし、岡田氏が、働き過ぎ中小企業社長的ヨミ様と呼ぶ理由も納得できました。

 しかし、改めて読み返すと、いかに、ヨミ様が部下思いの良い上司だったかということに感銘を受けますね。

 戦略的に部下を見捨てざるを得ないことがあっても、あくまで彼の顔には苦痛の色がある。

 つまり、部下と会社(結社)に愛情を持っている。

 だからこそ、孤軍奮闘する。

 してしまう。

「俺が頑張らないと会社は潰れる」という恐怖感が、彼を突き動かす原動力なのだ、と岡田氏はいうのです。

 ホントのところ、「あなた一人がいなくたって、会社は微動だにもしませんよ」というのが、一般的に悲しい現実ですが、ヨミ様の場合は違う。

 彼がいないと、本当に、彼の帝国、あれ、なんて名前だったっけ?

 ひょっとして名前がなかった……

 あれは、壊滅してしまうことでしょう。

 それだから、大人になった読者は、ヨミ様が疲れ知らずの3つのしもべ(ロデム・ロプロス・ポセイドン)と、決して裏切らない高性能AIで動く無敵の要塞、バベルの塔を欲しがる気持ちがわかるのです。

 とまあ、元祖のはなしはこれぐらいにして……

 今回の「ザ・リターナー」、新生バビル二世は、初代バビル二世より遙かに能力が上がっています。

 頭を吹っ飛ばされても、腕を消滅されても、数秒で回復するモンスター。

 それが、リニューアル・バビル二世です。

 いわゆる能力のデフレ現象が生じているんですね。

 まるで、満月期の犬神明です(「ウルフガイ」こっちも再度コミック化されて連載中ですね)。

 さらに、三つのしもべも大きく変わっています。

 まず、黒豹ロデムが、若い男の姿をとっているのが新しい。

 戦いを前にしたバビルとの会話で、彼?彼女?は故郷の星への憧憬を口にします。

「この戦いが終われば、わたしも故郷の星に帰りたい」と。

 おまけに、ロプロスとポセイドンは二回りほど大きくなって、完全ロボットではなく、有機体とのハイブリッド生命体という扱いのようです。

 前回からは、いよいよヨミ様が登場しました。

 あ、なんだか若い!

 おまけに長髪!

 今度のヨミ様は、ワーカホリックじゃないだろうなぁ。

 野口賢の画は、ヘタウマを越え……はっきりいって、線が多すぎてヘタクソなのですが、それが、なんだか良い感じに登場人物にミステリアス感を与えています。

 コミックスも先日発売されました。

 ぜひ、いちどご覧になってください。

 ちなみに、今度の「リターナー」は、どうやら、タイムライン上「別物」とされている「その名は101」と、ヨミがツギハギだらけの老人として醜く蘇る「バビル2世 第四部」の両方の続編という扱いのようです。

 作品をより深く理解するためには、その双方を読み返された方が良いかもしれません。

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