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2010年6月 5日 (土)

書くこと・読むこと・観ること

 しばらく前に「勝間氏-ひろゆき氏対談」に絡めて堀江貴文氏のブログの話を書きました(「パイドパイパーに気をつけろ」)。

 その中で、その時のテーマとは関係なく堀江氏が、

「youtubeで対談を観てもいいけれど、誰かが文字に起こしてくれていたものがあるので、それを読んでみた。動画と違って文字は、順番に観る必要がないし、ざっと目を通せるので便利だ。これからが文字の時代だろう」

と、書いていました。

 まあ、100%正確ではありませんが、そのようなことを書いたのですね。

 すると、(これもテーマとは関係ないのに)それに対してかなり感情的になったコメントがいくつか書き込まれたのです。

 曰(いわ)く、

「文字はいちいち読まなければダメだが、映像なら誰でも観ることができて分かることができるから、文字の時代になどなりはしない」

「動画の方が情報量が多くて、得るところが多いので、これからは動画の時代になるはず」

なんてね。

 これについては、色々な解釈があると思います。

 活字偏重(へんちょう)・マンガ嫌いで、世の活字離れを歎く人々にとって(以前はともかく最近では少ないでしょうが)は、堀江氏の意見は「我が意を得たり、その通りだ。やっぱりヒトは活字を使わないと頭が悪くなってしまう」と快哉(かいさい)を叫ぶでしょうし、反対に、「文字を読むのは苦手だから、やっぱり動画がいい。Youtubeでも、飛ばし観は可能だから問題ないし」と考える方もいるでしょうから。

 前後の文脈から、堀江氏は、単に「自分のように忙しく、活字も使える人間にとっては、文字ベースの情報の方が短時間で的確に利用できる」といいたかっただけのように思えますが、わたしが驚いたのは、それを目にした人の過剰なほどの反応ぶりでした。

 個人的には、文字ベースで読んだ方が速く理解できると思いますが、その時の問題は、映像を文字にする時に、筆者による「意味の追加とそぎ落とし」が行われている可能性があることです。

 ちょっとした視線の動きや、口調、相手の言葉に合わせるタイミングなどで、同じ単語を使っていても、まったく逆の意味になってしまう。

 もっとも、最近の、偏向報道著しいマスコミでもよく使われているように、わざと人を悪く見せるアングルの動画や映りの悪い写真を使った人物紹介もあるので、映像だから安心というわけにはいきませんがね。

 このブログでも、何度か書いていますが、文字ベースの情報の良い点は、ウマイ表現や使いやすい単語などを覚えて、自分の言葉や文章に、簡単に再利用できるということです。

 色々な言い回しと単語を増やせば、自分の表現力も増していく。

 イラストや漫画、動画を通じて何かを得ても、絵の上手い人でないと、それを使って、他人へ情報を伝えることは難しいでしょう。

 まあ、これから「光の道」が整備され、ネット環境がさらに整い、動画であろうと画像であろうと、簡単に切り貼りしてマルチメディア・コンテンツが容易に制作できるようになるか……あるいは、言葉で指示するだけでCGアニメを簡単に作ることができるようになれば、情報のやりとりを動画メインで行うこともあるでしょう。

 もしかしたら、実際に会って、面と向かって話をする時も、お互いにディスプレイを見せながら、CGアニメーションで意思の疎通をはかるようになるかもしれないですね。

 今も、目の前にいる相手と直接話すより、背中を向けて携帯電話メールで意思伝達した方がラク、という子供たちは存在するわけですから。

 その意味で、先日発売されたipadなどは、今後の進化次第では、危ないといえば危ないツールになり得ます。

 そう遠くない未来、ipadなどの「動画カンタン作成・表示可能」なコミュニケーション・ボードが、突然、会社で故障してしまい、意思疎通できなくなった人が「一時的失語症」と診断されて、家に帰される、なんてこともあるかもしれませんから。

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