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2010年5月12日 (水)

ホリエモンが語る宇宙論

 昨日、衛星放送でやっている上杉隆氏の番組に、ホリエモンこと堀江貴文氏が出演していました。

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 上杉氏といえば、ゴルフ好きで、もと鳩山弟の秘書、そして「すべてを記者クラブ批判に結びつける男」というのが定番ですが、昨夜は珍しく記者クラブの「記」の字もでませんでした。

 なんせ、タイトルが「ホリエモンが語る宇宙論」!

 なんで、堀江氏が宇宙?

 検察批判はなし?

 と思ったのですが、話を聞いて、なるほどと頷きました。

 堀江氏は宇宙が好きだったのですねぇ。

 その原点(からちょっと行ったトコロ)が、「オネアミスの翼」であるというのを聞いて二度びっくり。

 いや、それよりも、上杉氏が「オネアミス~」も「ガイナックス」も知らなかった(フリをしているだけかもしれませんが)のに三度びっくり!

 そういえば、堀江氏は、ライブドア時代、アメリカだったかの宇宙遊覧旅行に申し込んでたよな、と思ったら、案の定、上杉氏がその質問をすると、

「いや、あれは僕じゃなくて、役員の一人が、ライブドアの株を売って申しこんだんですよ」

との答えでした。

 いわれてみれば、そうだったような……

 しかし、
「23歳になった頃、ソ連のミール(宇宙基地)が20億程度で売りに出されて、それを買いたかったのは確かだ。当時のライブドアの収益が年間3億程度だったので無理だったけど……」
と、当時から、宇宙への夢を持っていたのは事実だったようです。

 ともかく、ネットワーク(と買収)の第一線から退いた堀江氏は、今、民間の力でロケットを打ち上げるために、新型ロケットの開発などに力を注いでいるようです。

 話を聞くと、さすがに頭の良い人らしく、よく勉強していますし、本を読みまくって無理矢理詰め込んだ知識を「下痢症状的に垂れ流す」ということもない。

 知識をしっかりと自分の中で消化して、自分の方向性に沿った、実のある言葉として、発しています。

 曰く、
「まず、コストを下げることが大切だ。今、一人打ち上げるのに30億かかるのを3000万円にすれば、民間が参入し、今の100倍の人が宇宙に行くようになる。なれば科学者もやる気になって、コールドスリープ技術も進むだろう。そうすれば、外宇宙も目指せる。今は、宇宙にでるのに金がかかり過ぎるから、研究者が、それから先の技術を目指そうとはしないのだ。だから、ボクは宇宙開発の障壁になっているのは、コストだと思っているのです」

 さらに氏は反物質エンジンについても言及します。

 彼の話を聞いて、わたしは小松左京氏の「出来てしまった機械」を思い出しました。

 ジュブナイルですが、近未来に、子供たちが、自分たちのロケットを作ろうと、デキアイのパーツを組み合わせているうちに、マシンが暴走し、時間を飛び越えてしまうという話です。

 つまり、でたらめに作った機械がタイムマシンだった。

 紆余曲折(うよきょくせつ)のあとで、もとの時代に帰った子供たちを見て科学者がいいます。

「ともあれ、タイムマシンが可能ということがわかった。なにより、一度出来てしまったということは、科学者にとってなによりの励みとなって、いずれ理論もわかることだろう」

 まず「できるのだ」という事実を示さないと、人々にやる気を起こさせることはできない、という、人間心理の本質をついた話です。

 堀江氏がこの話を知っているとは思いませんが、本能的に、彼はそれを察知しているのでしょう。

 先日、このブログでも書いた「純粋な熱意」が少し戻ったような感じですね(あくまで、「感じ」ですが)。

 と、例によって、ここまでが前振りで……

 上杉氏は、番組途中(生番組)でも、自分の前にノートパソコンを開いて、ずっとツイッターを見ています。

 以前は、ゲストに話をしながら、自分でもツイッターにつぶやき続けていましたが、さすがに、それでは会話がおろそかになるとのことで、今は、リアルタイムに質問を受け付けているだけなのですが、まあ、それはそれで、新しい試みではあると思います。

 ツイッター経由の質問に、丁寧に答えていた堀江氏が、言葉を荒げる瞬間があったのです。

 人は激情に襲われる時に、心情を発露しやすいものです。

 それはガードが緩む瞬間であるから。

 その経緯を書いておきます。

「オバマ大統領も火星へ人を送り込むといっていますね」という上杉氏の質問に答えて、堀江氏はこう答えました。

「マスコミは、宇宙ジャーナリスト以外は、火星だとか月しかわからないから、そこしか取り上げていないけど、オバマはキチンと『小惑星』について言及している。小惑星は、様々な理由で、資源の宝庫である可能性が高いから」

 そこで、彼は、なぜ小惑星に資源があるのかを科学的に熱熱弁します。

「だから、オバマも小惑星(火星-木星間の大アステロイドではなく、地球-火星間に点在する小惑星のこと)を目指すといっている。ボクも、まずは小惑星を目指そうと思っている。そこにあるウラニウムを使って、原子力エンジンの燃料にすれば、外宇宙を目指せるから。宇宙には酸素のある惑星があるはずだし、酸素があれば、生物は絶対に存在する。つまり宇宙人はいるから、彼らに会うこともできる」

 まことに希有壮大(けうそうだい)で夢のある話です。

 素晴らしい。

 誠意はともかく、堀江氏の熱意は確かなもののようです。

 番組のエンドテーマが流れる直前に、ツイッターからの質問を上杉氏を読み上げました。

「先ほどからいわれている、小惑星からの資源採掘ですが、所有権はどうなるのでしょうか?」

 ここで、いままで穏やかだった堀江氏が少し声を荒げたのですね。

「だから、『行ってないうち』から所有権の話を考えるからダメなんですよ。そんなことを考える前に行けよ。行ってからやれ(考えろ)よ。行った者勝ちに決まってるだろう(と言いたいですね)」

 わたしには、この時の堀江氏の気持ちが、なんだか痛いほど分かってしまったのですよ。

 もし、堀江氏がネットのことを熟知し、現在の、そして今後のネットについて思いを巡らしつつも、(ライブドア時代のように)ネットの開発・発展その他に埋没せず、ネットを自分の知名度を利用して(宇宙開発などを)ツイッターやブログで自分の考えを発する道具として捉えている(わたしにはそう見えるのですが)なら、つまり、ネットの「可能性」と、なかんずくその「限界」をわかっているなら、上の質問を受けた時に、こう思ったはずです。

「だからオメェらはダメなんだよ!ネットの匿名性に隠れ、指だけ動かして意見を書くだけで汗をかかず、攻撃もされず、思考の迷路に迷い込んで動こうとしないオメェたちに、先を突っ走る人間のことなんかわかるわけねぇだろ。世の中変えることができるのは、矢玉を体に受けて実際に動く人間だけなんだよ。もういいよ。お前たちは、死ぬまでユルユル繋がりの仲間同士でウジウジ理屈こねてろッ!」

 そして、なんだか印象的だったのは、上の発言をしたあとに、一瞬、彼が見せた力ない笑顔でした。

 それが、わたしには、彼がこういっているように見えたのですね。

「でも、かつて、ライブドアの前身時代に、オレが必死で、ネットシステム組んでたことが、こういったヤツラを作った原因でもあるんだよナ」

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