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2010年3月23日 (火)

原作者をこえて紡がれる夢 どろろ

 やった、やったやりました。

 ほげほげたらたらほげたらぴー

 ついさっき、二週間ほど前からやっていたps2ソフト「どろろ」の最終敵を倒し、エンディングを観ることができたのです。

 1969年度テレビアニメ版主題歌、ほげたらはこちら↓

 二週間といいましたが、最初の一週間たらずで最後の敵、いわゆるラスボスまでは、サクサクいけたのですが、なにせ、最後の敵が途方もないヤツで、あまりに勝てないものだから、しまいには半分以上あきらめて、毎日一時間だけチャレンジしてダメだったら仕事に戻る、という親にゲーム時間を決められている小学生のような日々を過ごしてきたのです。

 今日もダメだろうと思いながらやり始めたら、妙に体調がよかったのか、ついに最後の48連続スライス(という攻撃です)まで、キメることができました。

090

「イイトシをして何をゲームにうつつを抜かしている」とお考えの方もおられるでしょうが(しかも6年以上前の作品!)、これはゲームというより手塚治虫が描かなかった結末を描いた作品といってよいモノなのです。

 その意味で、この作品後に作られた映画「どろろ」とは、一線も百線も画した作品です。

 手塚マインドがたっぷりと詰まっている。

 どろろは、最近のゲームによくあるように、まっすぐなストーリーを、間にゲームを挟みながら進めていく「動画→ゲーム→動画→ゲーム」パターンの作品ですが、その映像とゲームの世界観が正しく手塚ワールド。

 廃墟のあばらやなんて、室町の荒れた寒村の雰囲気そのものです。

 そこに、ちょっと女の子みたいなどろろを引き連れた百鬼丸が乗り込んで、魔物を退治し奪われた48の体の部位を取り戻す、という、映画でも知られたストーリーが展開されるわけですが、映画より、はるかにおどろおどろしい雰囲気が楽しいのです。

 制作に、漫画原作者の広井王子や雨宮慶太(ゼイラム、ガロ)の名を連ねているだけのことはあります。

 雨宮慶太による独特の字体による題字もイカしています。

 残念ながら、キャラクターデザインの沙村広明の「らしさ」はあまりCGには生かされていません。マニュアルの扉絵はいかにも「無限の住人」っぽいのですが。

 しかし、文楽人形に似た、異様に手足の長い、怒り肩の百鬼丸は非常に魅力的です。

 銀魂の坂田銀時の声優である杉田智和の声も良い。

 手塚治虫が説明しなかった、なぜ百鬼丸が体の器官を48も奪われても生きているのか、という説明も納得いきました。

 もともと、魔物を退治する光の戦士として生を受けるはずだった百鬼丸を畏れて、魔物たちが、乱世を平定して平和な世の中にしたいと願っていた彼の父、醍醐景光の心のスキにつけ込み、百鬼丸の体を奪ってしまった、というわけです。

 そういった特殊なヒトだから、少々体を奪われても死なない、というのですね。

 同時に、子供のころからの疑問が氷解しました。

 百鬼丸は、からだがツクリモノだから強いのであって、魔物を倒していけば、どんどんタダの人間になって弱くなるはずなのに、どうするのだろう、と思っていたのです。

 しかし、もともとスーパーな人間なのだから、元に戻ればスゴクなって当たり前。
 
 ゲームの百鬼丸は体を取り戻すたびに、どんどん強くなります。

 足が戻ったら、今までの数倍の速さで走ることができるようになるし。

 このゲームをするにあたって、いろいろなサイトを参考にさせてもらいました。

 だって、攻略本を手に入れようにも6年も前の作品じゃ手に入りませんから。

 なかでも「ゲーム大好き主婦のブログ」のにゃおさんのブログにはお世話になりました。

  http://paralyze.cocolog-nifty.com/blog01/2005/12/post_c4d8.html

 「百鬼丸に海馬が戻った」時に、彼女がふとつぶやく、「良かった!でも……今までなかったのかよ」には、笑ってしまいました。

 どろろのストーリーモードは、ほぼ原作通り・映画通りです。

 父景光から魔物を落とし、弟多宝丸が死んだ後も、百鬼丸は魔物退治を続けます。

「アニキ、おいらもついていくぜ」
「勝手にしろ」

 そして、陽気なエンディング、横スクロールで歩いていく百鬼丸とどろろ……え、おわり?↓

 しかし、それが終わると、最後には「つづく」の文字が。

 これまでたどってきた村や山に戻り、生き残っている魔物を退治していくのです。

 そして、47番目の魔物を倒した時、百鬼丸はどろろに、

「おまえの体の中に48番目の魔物がいる」

 と告げます。

 ショックを受けるどろろ。

「俺はこれから旅に出て、おまえの中の魔物を倒す方法を探す。何十年かかってもだ」 
「わかった。おいら待つよ」

 そして旅立つ百鬼丸。

 その時に、「今度会う時までには、女の子らしくなっていろよ」というのもお約束です。

 しかし、映画のどろろもそうですが、このCGのどろろも、やっぱりちょと女の子みたいなんですね。

 原作では、どうみたって女の子には見えない(失礼!)どろろだからこそ、最後の百鬼丸のコトバが衝撃的なのです。

 そして、最終章、タイトルはその名も「どろろ」

 変体書家?の雨宮慶太の面目躍如。カッコイイ字です。

 そして、エンディングへと気持ちを引き込むすばらしい導入部。

 五年後――

 昔と何一つかわらない百鬼丸が帰ってきます。

 そして、大きく成長して女性らしくなったどろろが出迎える。

 このときのどろろの衣装がいいなぁ。

 子供の時は、ただの薄着一枚だったから。

 百鬼丸は、魔物を引き出すことはできるが、どろろから完全に引き離すことはできず、魔物の中にどろろを入れたまま戦うことになる、と告げます。

 危険だから、腕はこのままでも良いという百鬼丸を制して、やってくれ、というどろろ。

 そして最後の戦いが始まる……のですが、これが「っぱナイッスよ」というヤツでした。

 四つのステップで少しずつ弱めていくのですが、そのどれもが、今までのボスの比じゃない。

 ひょっとしてクソゲー?と何度思ったかしれません。

 しかし、ついに闘神降臨す!というか、単なるツキで倒すことができました。

 そして、達成感さめやらぬまま、最後にどろろが見せた感謝と愛情に胸が暖かくなるうちに、今度こそほんもののエンドロールが始まるのです。

 いやぁー、映画より遙かに物語らしい、マインドのこもった作品を観終わった感じですねぇ。

 このセンで映画をリメイクしてくれたら、一も二もなく観に行くんだがなぁ。

 というわけで、最近、滞っていたブログ更新のいいわけを兼ねて、「どろろ」攻略の報告とさせていただきました。

 あー疲れた。

 オトナになったどろろ↓

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