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2009年10月 8日 (木)

エジソンとテスラの握手 〜家庭内直流化への動き〜

 「オール電化」という和洋折衷のコトバがありますね。

家庭の機器を、熱源を含めて、すべて電気エネルギー利用で統一するという考えです。

 鳩山首相の温室効果ガス1990年比25%削減を受けて、以前から、ささやかれていた「家庭内直流化への動き」が活発になっているそうです。

 ご存じのように、家庭内で動く電子機器のほとんどは、最終的に直流で動いています。
 直流というのは、小学校の時に理科の実験で扱う、いわゆる分かりやすい?電気形態ですね。

 しかし、実際、わたしたちの家庭のコンセントに届けられるのは交流です。

 なぜかというと……あ、その前に、


 電気を表現するのに使われる「電圧」と「電流」を、わかりやすく理解するために、よく、水に例えて「電圧は水の勢い」「電流は水の流れる量」といわれますね。

 「電圧が高い」とは、水を押す力が強いことで、「電流が強い」のは流れる水の量が多いことです。

 でも、水圧が高かったら、流れる水の量は多くなるんじゃないの?

 その通り、しかし、水を送る時、もう一つ大事な要素は「水の流れる管の太さ」ですね。

 水を押す力が強くて、管が細ければ、すごい速さで水は流れるでしょうが、実際に流れる水の量はそれほど多くありません。

 逆に、押す力が弱くても、管が非常に太いものなら、速度は遅くても全体として流れる水の量は多くなります。

 電気でいう「抵抗」は水道管の細さをあらわす単位です。「抵抗が大きい」つまり数値が大きいというのは、管が細いということです。

 大きい方が小さい、というのはわかりにくいかもしれませんが、たとえば、紙ヤスリ、サンドペーパーなども、号数(数字)が大きいほど目が細かくなりますね。




 一般的に、遠くへ電気を送る(送電)する時は、電圧を思い切って上げた方が無駄が少なくなります。

 交流は、直流より電圧を変化させやすいために、20世紀になって、送電方式の主流となったのです。


 山を走る送電線には高圧がかかっています(高圧線)。
 都市に入る前に、変電所で電圧は下げられ、家のそばの電柱にある変圧器でさらに下げられて、家庭のコンセントに届く時には100ボルト(実効値)になり、それを、テレビやコンピュータの中にあるACアダプタ(交流を直流に変える装置)を使って、直流に変えてから使っているのです。

 しかし、電流の形態を交流から直流に変えるためには、ロスが生じます。

 ある技術者は「テレビの中はACアダプタだらけ」といっているそうです。

 個別の機械で、それぞれ変換するとロスが大きくなるため、家庭に届いた時点で、電気を一括で直流に変えてやろう、というのが「家庭内直流化」です。

 そうすることで、機械を小さくすることができ、エネルギーのロスを抑えることができます。

 家庭内の直流電圧を何ボルトにするか、などの業界のすりあわせが必要ですが、これが実現すれば、個人的に、二つの意味で喜ばしいこととなります。


 ひとつめは、わたしは、個人的に、こういった持って回った遠回り変換が嫌いなので、それがすっきりと統一されるのが単純に嬉しいのです。



 最近のコンピュータと周辺機器(ディスプレイなど)、あるいはDVDプレイヤーと音響装置(サラウンド機器)などはデジタルでつなぐようになっています。
 かつては、どちらも内部処理は全てデジタルなのに、それを一度アナログ信号に変換してからケーブルを使って機器に転送し、再びデジタルに戻して処理を続ける、という無駄なことを行ってたのです。
 そのため信号に余計なノイズが乗って、画質や音質低下の原因となっていました。



 そしてもうひとつ。

 別項で書きましたし、タイトルにも載せましたが、かつて発明王エジソンは、自分の推す「直流」を世界標準にするため、財力にものをいわせた、かなり強引な方法で、ニコラ・テスラの推奨した交流を追い落としたといわれています。
http://blogs.yahoo.co.jp/kabulaya/57303005.html)


 結果的に、変圧が簡単といった、いくつかの利点から、交流が世界標準となりましたが、今回の「家庭内直流化」で、家庭までは「テスラの交流」が、家庭内では「エジソンの直流」が仲良く手をたずさえて使われるようになる(もちろん機械の中では今までもそうだった)のが、なんとなく嬉しく思われるのです。

 100年を経た後の握手、というカンジですね。「海を越える握手」(スーザ)ならぬ「時を超えた握手」というわけです。

 しかし「家庭内直流化」になれば、今まで以上に、コンセントの極性が大切になりますね。そのため、コンセントの形状も、現在の平行型から外国によくあるT型や三局型になっていくのでしょう。電化製品にとっては大きな変革となります。

 と、同時に、明治期に発電機を仕入れた国の違い(イギリスとフランス)によって別れてしまった、60ヘルツと50ヘルツの交流周波数の違いも意味をなくすことになります。

 さらに、太陽光発電で屋根の上で発生する電力(もちろん直流)を、今後開発が期待される高性能バッテリーに保存し、それを効率よく直接家庭で使うことも可能です。

 それぞれのメーカーで違う思惑はあるでしょうが、できれば、ぜひ早期に実現して欲しいですね。

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