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2009年7月 6日 (月)

あの手この手で視聴率アップ  〜Mr.Brain〜


 ある事情があって、月に一度は、日本の主要ドラマを通して観ます。

 先日も、チェックを兼ねて「魔女裁判」「婚カツ!」「ぼくの妹」「クイズショウ」「白い春」「夜光の階段」「Mr.BRAIN」などをざっと観ましたが、その中で、いくつか気になったことがあったので書いておくことにします。

 まず、「婚カツ!」(フジ)です。(同じ曜日ではないものの)「コンカツ・リカツ」(NHK)という裏番組を背負っての放映ですが、この二つの番組は、タイトルこそ、ハヤリの言葉を使っていますが、テーマ設定のスタンスは、まるで違います。

 まあNHKが真正面から「コンカツ(そして離婚活動:リカツ)」をとらえ、フジがタイトルのみ「婚カツ」を拝借し、内容は、トシの離れた女の子との草食系男子(ってイミワカランが)の恋愛物語を作った……なんて評価は、ちょっと調べればみんな書いていることなので、違うアプローチをしてみます。

 それは、男脳の好むドラマと女脳の好むドラマの違い、ということです。
 つまり、「婚カツ!」は、(すべてではありませんが)主要脚本家が男性で、「コンカツ・リカツ」は脚本や主要スタッフが女性なんですね。

 最近、日本のテレビドラマを観る時に行っているアソビがあります。

 それは、前情報なしにドラマを観て、脚本が男性か女性かを予想するということです。
 そうすると分かってくるのは、どちらがよいかではなくて(もちろん、どちらが好みか、ということはありますが)、明らかに顕著な差があるということです。

 たとえば、女性が男(現在の恋人)に待たされるシーンがあるとします。

 女性の脚本なら、ヒロインが男を待ち続ける確率はかなり低い。もし、待っているとしても、ずっと待ち続けるのではなく、必ずそこに、何かイベントをいれます。

 たとえば、知人に出会わせたり(密かに憧れている男であることが多い)、携帯電話に、友人から着信があったり……

 しかし、男性の脚本なら、まず、女性は何もせずにずっと待ち続ける。

 つまり、性差による願望の違いが脚本に現れるのですね。

 視聴率的には、NHK的まじめな「コンカツ」より、少し捻った(というか、空想的な)「婚カツ!」の方に軍配が上がったようです。
 フジの方は、エンディング・テーマが懐かしいシュガーの「ウエディング・ベル」……と思ったら、パフィのカバーでした。オリジナルを使えばいいのに。

 「僕の妹」は、まあ、これも草食系優柔不断男子が主人公のドラマですね。
 前半は、大学病院権力抗争ミステリ仕立てだったのが、徐々に恋愛モノになり、それはそれでなかなか盛り上がっていたのに、最終回が完全な肩すかしでガッカリしました。


 「クイズショウ」については項を改めて書きますが、今、ここで書きたいのは、なんといっても「Mr.Brain」です。

 わたしは、日本のドラマを観始めてまだ日が浅く、役者の名前もよく知らないぐらいなのですが、これほど、あざとく視聴率を稼ぎに来た番組は、他に知りません。

 タイトルとテーマを、今ハヤリの「脳」にし、脳科学者による「犯罪」操作を軸にすることで、知識欲のある層と二時間ドラマファンを取り込み、主要キャストを人気アイドルと大物系で占め、番組開始時期を4月からズラすことで、マンネリ感のある他ドラマからあたらしモノ好きな視聴者を引き込み、第二話放送日(土曜日)の昼間には、先週放送された第一話をさっそく再放送して二話に飛びつかせる。

 さらに、一話を放映時間の半ばで終わらせ、残り半分の時間を次の事件のオープニングとして使うことで次週の視聴予約を確保する。

 なんというか「アメリカ的な」というか「脳科学を応用した、的な」というか、指摘されれば、そういう言い逃れのできそうな、姑息な手段のオンパレードの作品です。

 まあ、放送終了後には、これだけの視聴率を稼いだのは「脳の特性を使った」からです、とでもいいたいのでしょうが、如何せん物語の内容が「二時間サスペンスにとってつけたような脳学者の分析を加味しただけ」のお粗末なものですから、その程度のテコ入れではどうしようもならないようです。

 本当に、まだよく分かっていない分野(脳科学)をドラマ化する難しさを、スタッフはよく分かったことでしょう。

 あと、Mr.Brainのテーマ曲は、これも懐かしいヴァン・ヘイレンのJumpです。

 以前、ドラマやバラエティーで、中島みゆきや浜田省吾などの曲が多く使われた時に、友人が、「昔ファンだった人物が偉くなって、自分の一存で曲の選定ができる立場になったからだろう」といっていましたが、それからすると、Brainの制作者の中に、ヴァン・ヘイレンの熱烈なファンがいるということになりますね。

 もう少し後だったら、M.ジャクソンの「ビリー・ジーン」あたりだったのかも知れません。

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