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2009年5月11日 (月)

さよなら(非)人類

 子供の頃、宇宙からやってきたタコの形をした生物は、ただの「宇宙人」だった。

 (50年代SF映画で、BEM:Bug Eyed Monster:Big Eyed Monsterと呼ばれていたこともあったようだ)


 ついで、彼らは「エイリアン」(79年)になり、「E.T.」(82年)となった。

 それ以前に「未知との遭遇」(77年)で、彼らは、一度、華々しく登場したのだが、当時ちょっとモノモノし過ぎる評判に鼻白んで、わたしは観に行かなかった。



 エイリアンは、確かリバイバル上映で、オールナイト3本立てのうちの一つとして観たはずで、これもロードショーでは観ていないが、エイリアンを造形したギーガーは好きだったので、観に行くつもりはあったように覚えている。




 と、ここまで書いて気づいた。「彼ら」は、「エイリアン」以前「未知」と呼ばれていたのだ。

「未知との遭遇」は、原題を、Close Encounters of the Third Kind、つまり第三種接近遭遇というから、どこにも「未知」という単語は使われていないのだが……


 現在、「彼ら」を表す言葉は「エイリアン」か「E.T.」になっている(もちろん宇宙人も健在)。

 E.T.(The Extra Terrestrial [Life])直訳すると、地球外生命という意味だが、公開当時、スピルバーグが「未知との遭遇」の流れで作った人情映画という評を聞いて、やはり観に行く気にならず、わたしが、E.T.のホンモノ?を観たのは、十数年まえに訪れた、ロサンゼルスのユニバーサル・スタジオにおいてだった(スピルバーグが妙に思い入れて、当初「E.T.」のビデオ化を許さなかったことも原因のひとつだ)。

 当時、日本には無かった「バック・トゥ・ザ・フューチャーのアトラクション」で興奮し、今も日本にはない、圧倒的な洪水が地下鉄に押し寄せ、巨大なキングコングが頭上で暴れる「トラム」に乗って大興奮したあと、E.T.ADVENTUREに入ったのだ。

 まず、入り口で自分の名を登録し、小さな自転車タイプの乗り物にのって、ふわりふわりと、改悪される前の、ディズニーランドのピーターパンのように空中を漂い、ラスト近くで街の夜空を高く飛んで、例の「月に映る自転車の影」を観て(映画を観ていないので何にことかは分からなかったが)、奇妙な星に行き、最後に、ETがしゃがれた声で名前を呼びかけてくれる。

 アトラクション自体は、それほどたいしたものとは思わなかったが、自転車にのるまでの、森林を再現したウェイティング・エリアの「木のにおい」が、特に印象的だった。

 といっても、初めは、「なんだか変な匂いがするなぁ」と思っただけだったのが、後になって「あれは森の匂いですよ」と指摘されて気づいたのだが……






 その後、関西に出来たUSJで、何度かE.T.アドベンチャーに乗ったが、自転車が本家のものと違い、完全に「大きな乗り物」になっていたので、さらに印象は薄くなっていたが、乗車を待つ間の「木のにおい」は健在だった。

 今、思えば、特に興味もないのに、E.T.アドベンチャーに何度か乗ったのは、あの「森のにおい」を感じたいがためだったように思う。



 その「E.T.アドベンチャー」が10日に幕を下ろした。

 映画自体を知らない若年層が増えたことに加えて(わたしは、スピルバーグが、後にビデオ化を認めて初めて家で観た)、来年7月に導入する、新しいアトラクションのための場所確保のためだという。



 今度できるアトラクションに、目でなく、耳でなく、三半規管でなく、鼻で惹きつけるようなものを期待するのは、無理な相談、なのだろうな。

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