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2009年2月 3日 (火)

ガンは遺伝病?

 突然ですが……

 昨年、わたしの父はガンで死にました。

 祖父母もガンでした。

 叔父もガンで死にました。

 まあ、つまり、わたしはガン体質の家系に生まれているわけです。

 特に、父は若い頃から様々なガンを発病させ(ということは、逆にガンになるたびに治っていたのですが)、晩年は、いくつも臓器を取られ、最終的にかなり苦しんで死にました。

 だからこそ、わたしは、最近、よく口にされる術後のQ.O.L.(Quality of Life)の確保が非常に大切だと考えます。

 体の器官を切り取って、延命だけをはかるのは間違いです。


 まあ、その辺については、また別に書くとして、この項では別な話を。

 上で述べたように、わたしは、長らく自分を「ガンで死ぬべき運命の人間」だと考えていました。


 もちろん、いみじくも誰かがいったように

「人間、とどのつまり死ぬときはみんなガン。マス・オーヤマさえも肺ガンで死んだ」

なのですが、年老いて、免疫系が弱った結果の発ガンではなく、若いウチに死んでしまうと考えていたわけです。

 もっとも数年前、とにもかくにも、父が最初にガンを発病した年齢は越えてしまいました。

 最近の医学界の見解では、ガンは「遺伝病」ではなく「生活習慣病」ということになりつつあります。


 今回はそれについてのお話です。

 有り体(ありてい)にいうと、ガンはDNAの複製の失敗が原因で発生します。

 遺伝子の複製ミスによるキズが積み重なって「死なない細胞」つまりガンが生まれるのです。

 通常はNK(ナチュラルキラー)細胞などが小さなガン細胞を除去しますが、そういった免疫機能が取り逃がして生き残った1個のガン細胞が、10年以上の時を経て、検査で確認できる大きさの「ガン」になるのです。

 これは、考えてみると恐ろしいことですね。

 健康そのものに見える、自分や愛するものたち、ヒトやネコや大切な友人の体の中に、すでにガン細胞が生まれて(いや、実のところガン細胞事態は日々数千単位で生まれているのですが)育っているかも知れないのですから。

 上の説明は、ざっくりと簡単すぎて遺伝子のためにガン細胞ができてしまうような印象を与えますが、実際、ガンは「遺伝病」ではありません

 DNAの複製ミス免疫の取りこぼしミス、という不幸な出来事が重なった結果生じる病気だからです。

 この「不幸な出来事」の生じる確率を左右するのが、喫煙、食生活、運動などの生活習慣です。

 特に、タバコは、もっともミスを誘発する要因となります。

 タバコを吸わず、野菜中心の食事を心がけ、酒や塩分を控えて定期的に運動をすれば、発ガンのリスクを半分にできます。

 だから、ガンは「遺伝病」ではなく「生活習慣病」といえるのです。

 しかしながら、最近までのわたしを含め、日本には「ガンは遺伝する」という誤解が蔓延(まんえん)しています。

 現役の医者ですら、勉強不足の者であれば、単純に今までの経験則から判断して、親がガンなら子供もガンの可能性大と考えがちです(そう考えて予防を心がけるのは良いのですが)。

 もちろん、一家そろってガンになる例は珍しくありませんが、父親が家の中でタバコを吸えば、まわりの者も受動喫煙を余儀なくされるために、本人だけでなく家族もガンになる可能性が高くなるのです。

 食事の嗜好も、父親の好みが塩分過多の味付けであれば、自然、家族で食べる食事も塩辛くなり発ガンの危険性は増します。

 また、戦前は皆無であった乳製品を現在ほど多量に摂取すれば、ホルモンバランスが崩れて親子そろって乳ガンになることは充分に考えられます。

 そもそも、日本人の2人にひとりはガンになるので、3人家族の全員がガンになるのは1/8で珍しくはありません。

 面白いのは、ハワイに移民した日本人の子孫が、二世、三世になるにしたがって、胃ガンが減って、乳ガンや前立腺ガンといった欧米型のガンが増えることです。

 ところが、ブラジルに移民すると、胃ガンは減らず、乳ガンや前立腺ガンも、さほど増えません。

 これはブラジルの食生活が欧米より日本に近いためだと考えられます。

 つまり、人種や遺伝より食生活の方が、ガンの発症に影響を与えるということです。

 家族が同じガンに罹るのは、子供の頃、身に馴染んだ食生活を、オトナになってからも続けている場合が多いからと考えられます。

 もうひとつ、ご存じのように、一卵性双生児は、理論上、まったく同じ遺伝子を持って生まれますが、同じガンになる確率は10%程度であることが分かっています。

 もし、ガンが遺伝病で、親から受けついだ遺伝子によって、どんなガンになるか決まっているのであれば、一卵性双生児には同じガンができるはずですが、そうではないのです。

 このようなことから、ガンは遺伝病でなく、生活習慣病であるといえるのです(肝臓ガンのようにウイルスによって発生する例外もあります)。


 あとひとつ、大きなガンの要因に、精神的なストレスによるものがあります。

 これについては、別項で書きますのでサワリだけを。

 ストレスを感じると、脳下垂体(のうかすいたい)の上の視床下部(ししょうかぶ)からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)というホルモンが出ます。

 これが脳下垂体からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を出させます。

 さらにACTHが副腎皮質に刺激を与えコルチゾールというホルモンを出します。

 簡単に書くと

ストレス→CRH→ACTH→コルチゾール

という順番にホルモンが出るのですね。

 コルチゾールは、もともとブドウ糖を作り出すきっかけになるホルモンですが、量が多いと血圧を高めて動脈硬化を促進させてしまいます。

 しかし、なによりいけないのは、コルチゾールが、NK細胞(上記)のはたらきを無効化してしまうことです。

 NK細胞にはコルチゾールの受容体があって、コルチゾールを受け止めることで、NK細胞が死んでしまうのです。

 さきに述べたように、NK細胞はガン細胞を小さいうちに除去する、最初にしてもっとも有効なガン予防の武器です。

 それが、ストレスで死んでしまうのですから大変です。

 われわれ日本人の多くは、神経質とされているA型血液なのですから、せめてストレス・フリーな生活を心がけて生きていきたいものですね。

 みなさんは大丈夫ですか?

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