« ある朝、目が覚めると配管工のジョーは…… | トップページ | 第44代 オバマ大統領誕生 ← フーバーを忘れるな »

2009年1月19日 (月)

心臓と肺をセットで 〜日本初の心肺同時移植成功〜

 以前にNOTESについて書いたが、本日、朝刊を読んだところ、一面に「阪大病院で日本初の心肺同時移植成功」というタイトルが踊っているのが見えた。

「カァさん、また阪大病院がやったよ!」

 日本初の快挙。

 次々と「日本初」の「快挙」が行われる阪大病院、おそらく大学内で怪我の功名争いが起こっているのだろう(怪我は余計だが)。



 しかし、「心配同時移植」は、言葉としてよく耳にはするが、改めて内容を知ると一種常軌を逸した手術のような気がしてくる。

 なにせ、ドナー(臓器提供者)の心臓と肺をつながったまま取り出して、レシピエント(被移植患者)に納めるのだ。

 想像するだけで気が遠くなるような作業量だ。


 そして、移植を成功させるためのハードルも、途方もなく高い。


1.移植される心臓と両肺が健康であること。
  つまり交通事故などで、二つの臓器(実際は三つ)のすべてが損傷をうけていないことが必須。

2.ドナーとレピシエントの体格が似ていること。
  ということは、女性と男性では成り立たないことが多いということだ。

3.さらに阪大病院では移植実施の条件を、ドナーが近畿周辺で出た場合のみに限定している。

 3については、欧米では移植後5年生存率が50%を下回るために、日本初の手術を試みる阪大病院としては、少しでも条件を良くするために臓器を運ぶ時間を短縮したいためらしい。


 驚くのは、90年代前半には、肺だけを移植するより、心臓も同時に移植する方が生存率が高かったために年200例前後行われたということだ。

 だから「心配同時移植」という言葉を、よく耳にしたのだろう。

 考えてみれば、心臓と肺をセットにしたほうが生存率が高いのは、おそらく心肺をつなぐという作業が不要なことと、心臓と肺の拒絶反応を考えなくて良かったからだろう。

 作業がひとつ増えるたび、接触する臓器が増えるたびに生存率は下がっていくものだから。

 しかし、年間200例。そのうちの、どれだけの患者がどのくらい生存したのかは、おそらく知らない方が良いのだろうな。

 そういった手術の蓄積で、バチスタを含む(あれは移植ではないが)さまざまな心臓手術が開花したのだ。



 いずれにせよ、昨日の手術は成功した。日本の医療が一歩前進したのだ(移植という拒絶反応を前提とした治療を選んだ結果としての、長い予後治療があるにせよ……)。


 ワタクシゴトで申し訳ないが、昨年ごく近しい人が心臓関係の大手術を受けた。

 昼過ぎから深夜まで、13時間以上待合室で待っていた時の気持ちは、おそらく経験したものにしかわからないだろう。


 ともかくも、日本初の心配同時移植は成功した。

 あとは、患者とその家族のために一日も早い回復を祈るのみだ。

|

« ある朝、目が覚めると配管工のジョーは…… | トップページ | 第44代 オバマ大統領誕生 ← フーバーを忘れるな »

健康・生き残る体をつくる」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 心臓と肺をセットで 〜日本初の心肺同時移植成功〜:

« ある朝、目が覚めると配管工のジョーは…… | トップページ | 第44代 オバマ大統領誕生 ← フーバーを忘れるな »