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2009年1月16日 (金)

「ハドソン川の奇跡」は良いけれど

 15日、ニューヨークで、離陸直後の飛行機が機体異常を起こしハドソン川に墜落しました。



 その記事を読んで最初に思ったのは「乱気流が事故原因ではないか」ということでした。

 実際は、鳥をエンジンに巻き込んだための不調だそうです。


 真っ先に、乱気流が頭に浮かんだのは、以前にワシントンからニューヨークへ小型機で移動した時、死ぬような思いをしたことがあるからです。

 当時、搭乗するまで、どんな飛行機なのか知らないまま、空港で誘導指示にしたがって歩くうち、ウイングの一番端に導かれました。

 野外に出ると、バスに毛が生えた(ってドンナの?)大きさくらいの、おもちゃのような飛行機が停まっています。

 すっきりスマート」でなく、「ちょっと太短い」機体の小型機が。

 見たこともないような短いタラップを登ると、サングラスを掛けた機内員が、荷物を搭乗口横のくぼみに置きチェーンをかけてくれました。

 驚いたのは機内の狭さです。

 なんというか、天井が、「やっぱり飛行機って筒型をしているんだ」とはっきり分かるようなアールを描いて壁になり、シートのすぐそばに落ちてきているのです。

 シートは、横4人がけで10列ほど。

 満席になっても40人ほどです。

 もちろん満席ではなく、人影もまばらでガイジンばかり(って、アンタがガイジンや)。

 と、さっき荷物を固定してくれたパーサー(だと思っていた)が、さっと歩いて、機内先頭部のカーテンを開けました。

 なんとそこには操縦室が!

 もう、ハイジャックし放題って感じですよ。

 すると、二つある操縦席のうち、左に座っていた男性が振り向いて、マイクを片手に「ご搭乗ありがとうございます。わたしが機長のジョン・スミスです」とやり始めました。

 どうやら、さっき荷物を持ってくれたのがコ・パイ(副操縦士)で、今、アナウンスをしているのが、操縦士のようです。

 いわゆる、なんたらアテンダントは、乗っていないらしい。

 一方的にアナウンスすると操縦士はカーテンを閉めました。

 すぐに飛行機はタクシーイングを始め、直ちに離陸。

 滑走距離も、むちゃくちゃ短い。

 以前に、チョモランマ(エベレスト)山頂見学飛行機に乗ったことがありますが、あの時の遊覧飛行機のほうが、機体サイズも大きく滑走路も長かったような気がします。

 もちろん、機体は双発(プロペラエンジン二機)です。

 まあ、それでも、ワシントン近辺はよかった。

 多少の揺れとエアポケット乱発気味ではあるものの、あまり小型機であるということを意識させない飛行状態だったからです。

 ビシっとスーツを決めた白髪の男性や、ちょっとジゴロっぽい黒人男性、イタリア系らしく洒落た服を着ている中年男性といった搭乗仲間も、少々の揺れにはびくともせずに窓外や新聞を見ています。

 しかし、例によってカーテンを開け、後ろを向きながらアナウンスを始めた機長(って、だれが操縦しているんだ?)が、「もうすぐラガーディア空港です」といった途端、機体が異常に揺さぶられ始めました。

 どうやら、マンハッタン島近くの気流が不安定なようです。


 いきなり、機内の人間の「これぐらいの揺れは慣れているぜ合戦」が始まりました。

 機長が「シートベルトを着用してください」とアナウンスしても、誰もそんな言葉を守りません。


 わたしも、何度か「わっ」叫びそうになりましたが、なんとか堪えていると、その様子を余裕の新聞越しに横目でみた白髪の紳士がフッと鼻で笑います(確かにそんなふうに見えた!アイツ笑った)。

 しかし、「天網恢々疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず」「因果応報」「盛者必衰(しょうじゃひっすい)の理(ことわり)」なんでもいいや、とにかくバチは当たる!

 徐々に、揺れとアップダウンは、ジェットコースターもかくや、と言わんばかりにエスカレートしていき、しまいには、イキナリ30メートル(たぶん)ほど真下に落下しました。

 さすがに、この時は、斜に構えたジゴロ黒人も「オウ」と叫び、シャレモノイタリア中年も組んだ足をほどいて手すりにつかまり、余裕カマシの白髪男性は、新聞を引きちぎりそうになりました。

 その後は、これはマズイと思ったのか、皆シートベルトを締め、新聞をたたんで、おとなしい乗客となったのでした。

 窓の外を見ると、マンハッタンのビル街と自由の女神も見えていました。

 海面に陽光が反射して、きらきらと美しい模様が飛行機と共に走ります。

 なんて思っている間も、飛行機は上に下に斜めにと、滑るように不安定な飛行を繰り返しているのです。

 飛行機自体が小さいこともあったのでしょうが、実際にマンハッタン近辺の気流は、かなり不安定なようです。

 やっと、無事着陸した時には、期せずして大きな溜息をつきました。

 他のライバル(勝手に決めた)たちも、愚かな見栄はやめ(と思えた)、ほっとした顔をしています。

 という甘酸っぱい経験?から、初めに「ハドソン川に旅客機墜落」の記事を読んだ時に、乱気流のせいだと思ったのでした。


 幸い、今回の事故では、パイロットの大活躍によって人的被害は無かったようなのですが、穿(うが)った見方をすると、ちょっと操縦士を持ち上げすぎじゃないかなぁ。

 彼は、必要なことをしただけでしょう?

 いわゆる、ハプニング時のルーティンワーク(は言い過ぎか)をしただけ。

 日常茶飯に、同様の行いをする船長やバスの運転手など存在するはずです。

 犠牲者が出なかったのは、ハドソン川という事故現場が幸いしたこともあるでしょう。

 あの辺には、警備船もフェリーも多数いる。救助の「フェリーが殺到」なんて記事もありましたね。


 英雄大統領就任以外は、暗い話題が多いアメリカのことですから、マスコミも政府筋も、独りでも英雄は多い方が良いと考えたのでしょうが……

 わたしは、つい人間の弱い面を考えてしまうので、英雄に祭り上げられたパイロットの行く末が心配になります。

 必要以上に持ち上げられた人間、あるいはその回りの者(子供たち)は、道を踏み外すことが多いものですから。

 それこそ、お節介似すぎないのでしょうけど。

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