« O型ってこんな人 | トップページ | ウェッジウッド破綻 »

2009年1月 5日 (月)

俺の写真を無断で使うな! 「100人の顔」CD事件

 ラジオドラマなどを作っていると、BGMや効果音が必要になるときがあります。

 BGMは自分で作ればよいのですが、効果音はなかなか自分で作ることができません。

 以前に、「ペーヴメントを急いで駆けていく足音」を録るため、『革靴を履いて、小走りにその場駆け足をしながら、マイクをだんだん離す』といったことをしましたが、思い通りの音が録れなくて、結局(限定的)著作権フリー効果音CDを使ったことがありました。

 何か作品を生み出す時に、なにもかも自前で作ることの難しさが、ここにあります。



 現在、広告では様々な人が、テレビやラジオに出演して特定の商品のプロパガンダを行っています。

 それが特定会社専属のCMタレントを生み出すことになりました。

 たとえば、ヒタチの〜さん、マツシタの〜さん、といった有名アナウンサーなどのね。

 かつては、タケヤミソの森光子や永谷園の三木のり平といった、企業の顔タレントも存在しました。


 そういった「有名メーカー」なら、専属のタレントも、わたしはあのメーカーの顔です、と公言することができます。


 しかし、世の中には、「ちょっとこれは……」という広告(紙媒体)も存在します。


 例えば「口臭が気になるわたし」に登場する女性や、「男としての自信が甦りました」の熟年男性などです。

 「金の亀がついた財布を買ったら、その日からパチンコ・麻雀などギャンブルには勝つわ(マジメに働け!)、ベンチで大金を拾ったりして(警察に届けろ!)ウハウハ大金持ち……」みたいな、マユツバ強欲広告など、そういったものにも、ちゃんと登場するモデルさんがいるんですね。


 と、思っていたのです。昨日までは。

 しかし、実はそうではなかった……

 そういった、地方紙あるいはスポーツ新聞に載るような、ちょっとイカガワシイ広告に使われる顔写真のソースに、『商業目的への利用などについて充分な説明のないまま撮影された「一般市民の顔写真」を写真素材製造販売会社がCD化して販売した』ものが多いことを4日付の毎日新聞が報じていました。

 つまり、かつて、わたしが効果音を作り出せずに市販のデータに頼ったように、広告会社が広告を作る際に自前で写真を用意できず、デキアイのフリー顔写真(実際は違う)を違法に使っているというのです。


 CDタイトルは「100人の顔」

 1枚1万円で1200枚売れ、その筋ではベストセラーだったといいます。

 写真は、京都市の写真素材業者から依頼を受けた関係先のスタジオカメラマンが顧客に協力を求め、3,000円から5,000円の謝礼を払って撮影されました。

 しかし、その際サインしてもらう「使用許諾確認書」は、署名簿のように住所や名前を書いてもらうだけで説明も不充分なものだったそうです。

 CD−ROMに添付されている利用規約には、特定の団体や商品を推奨する際の使用禁止を盛り込んであるが、そんなものを守る業者が誰もいないのは想像に難くありません。



 気の毒なのは、善意で収録を許したモデルたちです。

 記事では、大津市の自動車ディーラー店長S氏が、実名で被害を訴えていました。

 S氏は、2001年に、会社の表彰で使うために京都市山科区のスタジオで写真を撮りました。
 その際、別のカメラマンから「写真集を作るので協力してほしい」といわれ、被写体になったそうです。

 数千円のギャラは受け取りませんでした。

 名前と住所を署名簿のような用紙に書きましたが、当時はそれが「使用許諾確認書」だとは思わなかったそうです。


 2005年にS氏は突然会社から通告を受けます。

「事実なら懲戒解雇だ」

 証拠として見せられたのは中古車売買業者のチラシでした。

 S氏が畑山という名前で登場し「セルシオを売って300万円もうけました」と笑っているものです。

 この広告は自動車ディーラーであるS氏にとっては致命的です。

 S氏は、何とかスタジオでの撮影を思い出し、「100人の顔」CDにたどり着きました。

 会社には納得してもらったものの、彼の受難は続きます。




 新聞に掲載された写真から、わたしにも複数の広告にS氏の「同じ写真」が使われているのがわかりました。

 あるものは「保険に加入して退職後も安心」という文字の横で破顔一笑しているもの。

 その隣では、「アスレチック・ジムで体力・スタミナアップ!」


 ヒドイのは、よく新聞の下部に載っているタイプの旅行企画広告です。

 「**温泉 お色気浪漫!」のタイトルの下、画像加工で背広を浴衣に変えられたS氏が朗らかに笑い、その横には「今宵は私の出番です!!」の文字。

 前後の文脈で「何の出番」なのか大体わかるが、これはキツイ。

 さすがに、この広告を制作した会社はS氏に謝罪しCDを破棄しました。

 CDの販売会社は「公序良俗に反する使い方をしてはいけないと明示しており、責任は購入者にある」と主張しますが、広告会社側は「このCDをこういうことに使わないで、何に使えというのか」と反論しているそうです。

 以上、S氏の受難から得られる教訓はひとつ。

 「安易に自分の姿を写真に撮られるな」です。

 もっとも、昔でさえ、町にひとつはあった写真館のショーウィンドウに飾られる写真に、無断で自分のものを使われるということはありましたね。

 で、ご近所に笑われたりして……

 今も昔も、自分の肖像権は自分で守らないといけないようです。

 さすがに、ディズニーランドやUSJのアトラクションで撮られる写真は大丈夫でしょうが、結論は、

 俺に無断で写真を撮るなです。

|

« O型ってこんな人 | トップページ | ウェッジウッド破綻 »

森羅万象気になること」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 俺の写真を無断で使うな! 「100人の顔」CD事件:

« O型ってこんな人 | トップページ | ウェッジウッド破綻 »