« 学力低下は錯覚である 〜客観的にみる努力〜 | トップページ | 日陰の虹 (推理時代小説) »

2008年12月27日 (土)

最初の100日が来る

 1933年、フランクリン・ルーズベルトが就任し、3月9日から6月16日までの100日の間に、矢継ぎ早に15本の法律が制定された。

 世に言うニューディール政策の始まりだ。

 大恐慌でアメリカの経済が底を打った時、「怒濤のごとき立法の連続が行政府主導の下に行われた」のだ。

 歴史上、鮮やかな印象を残す行為は、しばしば規範となり、その後の行為の試金石となる

 以後、すべての大統領は、「最初の100日間」の業績を評価されるようになった。

 それは、新大統領にとって重圧となる。

 だから、ケネディは就任演説で「すべてを最初の100日では成し遂げられない」と宣言した。

 ご存じのように、次期大統領のオバマ氏は、すでに最初の100日に向けて着々と準備を進めている。

 それは、「最初の100日」どころか、かつてルーズベルトが行った「怒濤の立法」同様、「就任前の100日」として以後の規範となりかねない勢いの行動だ。


 わたしは、個人的に、米国はそれほど好きではないし、拝金主義の塊であるウォール街の住人も、パワー・ゲームに奔走する政治家も好きではない。

 だから、それをもって、オバマ最高!、ビバ・アメリカ!(って古いよこの言い回し)、などとも思わない。

 彼は、自動車のように形あるものを生み出さず、債権という紙切れを組み合わせて世界中に売り込み、あげく破綻(はたん)を来した亡者たちにすがって経済を回してきた大国のツケを、あわてふためいて支払おうとしているのにすぎないからだ。

 言うまでもなく、日本もだめだ。

 長きにわたって内需の拡大が叫ばれ続けながら、目先の利益、おもに中国や韓国、インドとの競争に負けないため、国際競争力をつけるために(今もそういって、派遣社員のクビを切りまくっていますね)海外への販売に力を注ぎ続けたあげく、世界恐慌のあおりをくって縮小路線へ方向転換、なんて、間違った経営戦略の責任は誰が取るのだろう。

 トヨタの、ソニーの、キャノンの経営総括は行われるのだろうか?

 社員に金を払わなくて、いったいどうして内需が生まれるのだ?

 平然と錯誤(さくご)した意見をノタマウ乗っ取り屋たちもいるが、本来、会社は株主のためのみに存在するのではない

 言い古されているが、資源のない日本にあって、ヒトこそが資源であるという単純な事実に目をつぶり、安価でカンタンに調整可能な使い捨て労働力を多用するのをやめねばならない。

 会社は、社員のためにも存在するのだ。

 ヒトは勝手に生まれて勝手に育つのではない

 親に生んでもらい、親もしくはそれをとりまく社会に育てられて大きくなるのだ。

 会社もしかり。

 日本で生まれ、日本で大きくなったのなら日本に恩返しをしなければならない。

 依って来るところがアイデンティティの根幹なのだ。

 ヒトはもちろん、企業も、それを無視し、国を見捨てて手前勝手に突き進めば、やがては内部のウロが大きくなって自己崩壊することになるだろう。

 安易に海外に拠点を移すなどもってのほか、あまつさえ「そんなにウルサイことを言うなら、拠点を海外に移すぞ」と恫喝(どうかつ)まがいの言動を政府に向かってするなど言語道断(かつてそんなことをした愚物がいました)だ。

 将来的には、地球規模の連帯が行われ、星をひとつの単位として考えられるようになるだろう。

 だが、まだその時期ではない。

 「故郷は地球」と高らかに宣言するのは、地球外生物の存在が確認されるか、さらに宇宙開発が進んで、地球以外の生存場所ができた後のことだ。

 残念ながら、未だわれわれは国単位の規模でしか利益を考えることはできていない。

 とりあえずできるのは、まず自国を守ることだ。

 だからこそ、この、米拝金主義の亡者ドモが生み出したツマラヌ不況を乗り切った時に、日本の産業を底支えする中小企業が壊滅していた、という愚はなんとしても避けねばならない。

 是が非でも、あと少しの間、日本は中小企業をまもらねばならないのだ。

 たとえ金をバラまいても。

 オバマではないが、危急の際、政治ができることはたくさんある。

 だが、あと5日後、1月1日に「最初の100日」を迎える麻生総理大臣は、この期間に何をしてきたのだろう。失言以外に。

 日本には「最初の100日」はないが「明智の三日天下」がある。

 本来、彼は選挙管理内閣として、「三日天下」で終わるはず、終わるべき人物だったのだ。

 それとも、明智より世界的知名度の高い、ナポレオン・ボナパルトにあやかって、「ナポレオンの100日天下」で去っていくつもりだろうか?

 今のままでは、死んだ後もその事実を隠して権力に居座り続けた徳川家康(「影武者徳川家康」より)のように、晩節を汚しかねない


 あ、政治は、メールマガジンで書くつもりなのに、つい、勢いで書いてしまいました。

|

« 学力低下は錯覚である 〜客観的にみる努力〜 | トップページ | 日陰の虹 (推理時代小説) »

森羅万象気になること」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 最初の100日が来る:

« 学力低下は錯覚である 〜客観的にみる努力〜 | トップページ | 日陰の虹 (推理時代小説) »