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2008年12月31日 (水)

 2008年の終わりに当たって ちょっとマジメな経済のハナシ

 我々は、どこからきて、どこへ行くのか……

 などと、このところ、ちょっと気分が重くなっています。

 あー手帳に、今日あった楽しいことを書き連ねねて気分転換せねば。

 それはさておき、なぜ暗くなるかというと、日本の経済のこと、なかんずく「この国のありかた」に疑問が生じているからです。

 政治や経済については、不特定多数の人の目にとまるブログではなく、メールマガジンで書くようにしているのですが、今日は大晦日だから、まあ、こっちに書いてしまいましょう。

 今、わたしが一番気になっているのは、メールマガジンでも書いているように、人をモノ化して斬り捨てる企業の姿勢です。

 そりゃあ、営利団体である企業が金儲けを考えるのは仕方がない。

 わたしだって、小なりと雖(いへど)も自営をしている身ですからわかります。

 ただ、最近の大手企業のやり方は、目先だけを見て結果的に大損をすることになる悪い方向へ向かっているような気がしてなりません。

 先日観た討論番組で、興味深いことをいっていました。

 今日は、上に書いたことに絡めて、それをまとめてみます。


 えーと、何から書きましょうか。

 まず、マスコミの問題です。

 近頃の新聞などは、一面トップで「来年3月期1500億円の赤字」などと報じていますが、その実際の内容を大きく伝えてはいません。

 この赤字というのは、今年一年の収支、単年度の「見込み」なのです。
 とにかく、今年は赤字になりそうだぜ、ということです。

 おわかりとは思いますが、日本の大手企業は、昨日や今日できたものではありません。 比較的長い歴史を持っています。

 個人の家庭でも、何年か生活をしていれば、その財政は、だいたい二タイプに別れるでしょう。

 「貯金アリ」と「借金アリ」に。

 日本の企業は、ここ数年「超優良企業」でした。
 つまり、個人家庭でいえば、貯金がたっぷりある

 企業の貯金は、内部留保と呼ばれています。



 内部留保[ないぶりゅうほ] ... 内部留保とは、今期の税引利益から、税金、配当金、役員賞与など社外に払い出される分を差し引いた、残りの部分のこと。(野村證券HPより)



 この内部留保の蓄積が企業の資産です。

 たとえば、キャノン、2001年は9000億円でしたが、2008年9月で2兆8000億円
 たとえば、トヨタ、2001年6兆7000億円でしたが、2008年9月で12兆3000億円

 ともに、この数年で倍になっている。

 企業の本当の体力を見るためには、「貸借対照表」を見ます。
 これで、その企業が「どれぐらい儲かっているか」分かるわけです。
 これは一年分だけを見るのではありません。

 しかし、冒頭に書いた、新聞が騒ぎ立てる「来年3月期1500億円の赤字」というのは、今年分が赤字になるかどうかを示す「一年間の損益計算書」を見ているだけなのです。

 ありていにいえば、日本の企業は大金持ちです。

 少々、不況が続いても、ビクともしない

 世界有数の優良状態を保っています。

 なのに、この数年の不況にビビって、無意味な(後に述べます)クビ斬りを行った。



 バブルの時は、単年度(一年間)赤字であっても社員を馘首(クビ)にしませんでした。

 二年間赤字が続けば、初めて社員を斬った。

 いまは、「単年度で、どうやら赤字になりそうだ」ということでクビを斬る。

 その原因は簡単です。

 労働力たる社員の扱いが変わってしまったからです。

 かつて、社員の給料は人件費で計上されていました。

 いま、派遣社員の給料は、経費で記載されます。


 個人業主(特に零細で税理士なんて雇わない)にとって、頭が痛いのは税金の申告です。
 わたしも三月が近づくと、領収書などを整理して、自作のエクセル・マクロを使い、なんとか税務署に駆け込みます。

 もちろん、スタッフに支払うお金は「人件費」で計上しています。
 コピー用紙やプリンタのインクなどは「経費」です。

 小泉・竹中路線の過程で派遣法が大きく変わってしまい、精妙な技術を要する製造業ですら派遣社員を使えるようになり、彼らの扱いは「経費」になってしまった。(これに関しては、法改正に同意した民主党も同罪です)

 上でも書いたように、経費ってトナーやコピー用紙と同じなんですよ。
 消耗品です。
 使い捨て。
 つまり、人間をヒトあつかいしていない

 これは、実業(自動車製造)をやめ、虚業に転じたあげく毒混じりの紙切れを売りまくって大失敗したアメリカをお手本にしているからです。

 どうして、竹中氏は失敗者の真似を懸命にしようとしたのだろうなぁ。
 留学してよっぽど強い影響を受けたのだろうなぁ。

 確固たる自我のない人間が、若いうちに強いエネルギーを受けると、それの正誤もわからないうちに体の深いところに定着させてしまうことがある。

 彼もそういったおかしな洗礼を受けてしまったのだろうか。アメリカの愚かな拝金主義に。

 まあ、そうでないと、自分の妻を社長にして、国の事業で大もうけはできないかな。

 それはさておき……

 日本の大企業について、もう一度書いておきます。

 昨年度、トヨタは26兆円の売り上げがあり、2700億円の儲けがあって、13兆円近い貯金を持っています。

 派遣社員の年収を300万(月収25万)とすれば、3000人斬っても90億円。

 これを単純化して一商店に見立てると、

 26万円の売り上げがあり
 12万円の貯金がある商店が

 1500円の赤字が出そうになって、90円の出費を斬った

ということです。

 大企業にとって、90億円というのは、為替のレートが十数銭上下しただけで変わる金額に過ぎないのです。

 しかし、3000人の派遣社員には生活がかかっている。

 なぜ、こんなことをするかというと、経営者は、消費者も社員も見ずに株主の顔色を見ているからです。

 株主に増配(配当金を増やす)さえできれば、自分の義務は果たしていると考えている。

 あたかも、アメリカビッグ3の経営者が、国に金を出してもらう相談の時に、自家用ジェットで平然とやって来たのと同じ考えです。
 
 彼らには、株主に損はさせてこなかった、という自負があるから、あれほど厚顔な行為ができるのです。

 上で書きました、超優良企業であるキャノンやトヨタが、真っ先に派遣社員をクビにしたら、他の企業すべてが右にならえをします。

 その点でも、彼らの罪は重い

 トヨタやキャノンの社長に、課長島耕作(だったと思うが)で、彼の上司である中沢部長が代表取締役になった時に口にした、「昨日までの自分とはまるで違う、ひとつ上のステージに立って、会社だけでなく、日本という国のことを考えるようになった」という気持ちが少しでもあるのだろうか。

 所詮は、自ら起業せず社員として入社し、同期のつばぜりあいを制したあげく社長になっただけの会社員トップなのだろうか。


 ある人が、クビになった派遣社員をやとって年金の突き合わせをさせれば良い、と言っていましたが慧眼です。

 選挙の票あつめに、無意味なバラマキをするよりは遥かに良い。

 あるいは、トヨタは派遣社員をクビにせずに、揃いのジャンバーを着せて、ボランティアをしてもらう、とかね。

 国内の企業イメージを上げることが、内需の拡大に繋がるということを、彼らは考えていない。

 商売とは金を相手にするのではなく、人を相手にするものだ、という意識がない。

 おそらく、台頭する中国の席捲(せっけん)を恐れるあまり、正常な判断ができなくなっているのだろうな。

 もちろん、中国の隣国である我々は複雑な立場にある。

 歴史的経緯から日本が好かれてはいないことを差し引いても、中国が、強大なライバルと魅力的な市場の両方を兼ね備えているのは事実だからだ。

 だから「世界的な競争に負けてはならない」「国際競争力をつける」を錦の御旗に、派遣法の不整備をついて、このような非道な行いをしてしまう。

 企業は法人、法的に人の扱いをうけるもの。

 ヒトであるならば、見識と良心を持たないと、いつかは破綻すると思うのだが、彼らはそう思わないのだろうなぁ。

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