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2008年10月15日 (水)

おれたちゃ無防備だぜ!サァー殺せ  〜無防備地域宣言〜

 ちかごろの戦争は「ただ戦って勝てばよい」というものではない、らしい。

 近代の戦争は、国際条約:(戦時国際法)したがって戦うことになっているのだという。

 つまり、戦って相手を殺すにしても、そこに法律が存在するのだ。

 たとえば、有名なのがダムダム弾の所持。

 弾頭に十字の切れ込みをいれ、破壊力を増したダムダム弾(弾頭に凹みを持たせたホローポイント弾に含まれる)を所持していると、ハーグ陸戦条約違反で、敵に捕まった時点で軍事裁判を受けることなく直ちに処刑される。

 ヒトを殺すのに、厳しく殺すのも、優しく殺すのも(キリングミィソフトリィ)ないもんだと思うが、とにかく、そういうことになっているらしい。


 で、タイトルの「無防備地域宣言」であるが……

 内容は、

「自治体の長(おさ)などが、特定の地域について無防備を宣言すれば、そこを攻撃することは許されない」

 という、ジュネーブ条約追加第一議定書(世界の国のほとんどが承認している戦時国際法の規定)のことだ。

 簡単に言い換えると、「軍隊もおらず、戦争に対する用意をなーんもしてないし、抵抗もできんからバンザイするぞ。だから撃つなよな」という、開きなおりに近い、喧嘩必勝宣言なのだ。

 まさに負けるが勝ち

 なんか、使えそうな国際法じゃないの、と思ったら、じつは、長らく、日本ではコレが使えなかったそうな。

 「なんで!」と思ったら、「ニッポンは『戦争放棄の第9条』があるから、戦時法である議定書は、(タテマエ上)国会で承認される見込みがなかった」からだそうだ。

 が、しかし、例の2004年半ばに成された有事法整備のおかげで、議定書は国会承認され、現在では、大阪府寝屋川市と京都府精華町(学研都市のあるところだな)で、「無防備宣言」を盛り込んだ平和条例の制定を求める運動が進められているという。


 有事法整備がなされたことが、今後の日本にとって良かったのか悪かったのかは、いまだ定かではないが、少なくとも、単独国のひとりよがりにも見える、憲法による一方的戦争放棄(だが、わたしは、こういったヒトリツッパリ大好きなんだなぁ)から、ひとまわり大きな世界協定に枠組みをかえて、都市を法律で守ろうとする試みは、評価されるかもしれない。

 でも、国家って不思議だ。

 かつて、ソ連がロシアになって経済的に破綻(ハタン)しかかった時も、「あんな大男にバンザイして倒れられたら、みんな迷惑するから、なんとか介抱してやろう」と、世界中を出して底支えした。

 なんか言い方は悪いが、大男で、ウオッカばっかり飲んで肝臓をいためた酔っ払いおじさんが、地面に寝転がって大の字になって寝てしまったのを、なんとか起こし、なだめて服をなおしてやって、家に連れて帰る町内会の人々のような図式じゃないの。


 かつて、岸田 秀が、その著作の中で、国家を個人に見立てて精神分析をしたことがあったが、それほど、クニとは人に似るものなのだな。

 フラクタル図形のように、細部を拡大すると、その形が全体の形に瓜二つ、であるのは、珊瑚だけではなく、国家とそれを構成する個人にも当てはまるのだろう。 

 だから、ヒトも都市も、ヤラれそうになったら、万歳してホラ「無防備」宣言するのだ。

 まあ、実際、人工爆発による食料危機、あるいは疫病蔓延の世界的恐慌で、各国が戦争を始めてしまえば、こういった牧歌的性善説依(よ)った法律吹き飛んでしまうかも知れないが……

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