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2008年10月27日 (月)

最初の生豆焙煎

 珈琲を飲み始めたのは小学生の頃だったと思う。

 母は珈琲を好きで、よく飲んでいた。

 わたしは、その横で、お湯でかなり薄めたインスタント・コーヒーをお相伴(おしょうばん)させてもらっていたのだ。

 また母は、たまに時間がある夜などサイフォンで濃い珈琲を点(た)ててくれた。

 わたしは、それにたっぷりとミルクを入れて飲むのが好きだった。

 子供ごころに、理科の科学実験のようにアルコールランプを使い、ガラス管を上下する琥珀色の液体を見るのがうれしかった。


 中学生になると、受験勉強をするようになり、珈琲の量が増えた。


 忙しいときはインスタントを飲んだが、時間のある時は、買ってきた焙煎豆をハンドミルで挽き、カリタ式ドリッパーでドリップして飲んだ。

 当時、ひとり暮らしをしていたので、洗いモノが増えるのを嫌ってブラックで飲むようになった。
 砂糖やミルクを入れると、カップにこびりついて汚れが落ちにくかったからだ。
 現在のように、一般家庭に食器洗い機がなかったころのことだ。

 日に20杯は飲むようになっていたように思う。




 自家焙煎を始めたのは、15,6年前のことだ。

 生豆を手にいれたので焙煎の方法を調べたが、よくわからなかった。

 当時は、個人が焙煎する方法の載っている本がほとんどなくインターネットも未発達だったからだ。

 わずかに、茶こしがふたつ合わさった、ゴマ炒り器のような焙煎器具を使い、ガスコンロから強火の遠火で長時間かけて丁寧に炒る、といったことを知ったが、その器具自体、どこにいけば手に入るのか分からなかったのだった。

 いろいろと探すうち、ニフティの珈琲フォーラム(パソコン通信の!)で焙煎の方法を知った。

 フォーラムの管理者は、分かりやすく簡単な焙煎方法を教えてくれていた。(次回掲載)
 

 彼は、そのフォーラムで最後にこう締めくくっていた。

「焙煎自体は、そんなに難しくない。慣れれば誰でもできる。一番難しいのは、生豆を手に入れることだ」

 確かに、当時は珈琲豆専門店に行っても、よほど親しくならないかぎり生豆は売ってくれない、そんな時代だった。


 時は流れ、今ではインターネットを通じて簡単に生豆を買い、器具をそろえて焙煎することができるようになった。




 焙煎器にしても、先に書いた手動焙煎以外に、機械的な焙煎器も各種売られていて、だれもが簡単に焙煎したての珈琲を飲めるようになった。

 素晴らしいことだ。

 このコーナーでは、それら各種器具の比較もしていきたいと思っている。


 一度、焙煎したての珈琲を飲んだら、なかなか挽き売りの豆に戻ることはできなくなる。
 (自家焙煎したのを、適切に冷凍すれば、かなりおいしく保存できるが)

 いくら、店で挽きたての豆を買って、冷凍庫で保管しても、味の違いは歴然だ。

 健康に対する珈琲の各種効能は、広く知られるようになったが、本当に高価があるのは、酸化する前の炒り珈琲なのだ。

 生豆は、常温で長期保管できる。だから樽や麻袋にいれて輸入されていた。

 焙煎した途端に珈琲豆は酸化しはじめ、有効成分が減りはじめる。

 だからこそ、ひとりでも多くの人に、炒りたて、挽きたての珈琲を飲んで欲しい。

-以下次号-

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