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2008年10月21日 (火)

ダイオキシンは無害だった……


「武田邦彦著 環境問題はなぜウソがまかりとおるのか
  The Lie of an Enviromental Problem.」2007年3月初版発行
を読んだ。

 以前に、新聞の広告欄で見て、ぜひ読んでみたいと思っていたのだが、先日、やっと読むことができたのだ。

 著者は、中部大学総合工学研究所教授。

目次を以下に示す。

第一章 資源7倍、ごみ7倍になるリサイクル
第二章 ダイオキシンはいかにして猛毒に仕立て上げられたか
第三章 地球温暖化で頻発する故意の誤報
第四章 チリ紙交換屋は街からなぜいなくなったのか
第五章 環境問題を弄ぶ人たち


 各章ごとに刺激的なタイトルが並んでいるが、特に気になったのが、第二章ダイオキシンだった。

 簡単に内容をまとめてみると……

「ダイオキシンは、人類史上もっとも強い毒性を持つ化合物」で、「焚き火をしたり、魚を焼いたりするだけで発生する」というのは、ウソらしい。

 著者も2000年まで、マスコミ報道のダイオキシン強毒説を信じていたそうだ。

 だが、2001年に人体への毒物研究の第一人者である、東京大学医学部教授(当時)和田攻氏が発表した「ダイオキシンはヒトの猛毒で最強の発ガン物質か」という論文を読んで、「ダイオキシンは、それほど強い発ガン性を持たず、急性毒性という点では非常に弱いものではないか」と考えて調査を開始したのだった。

 三年後、著者は「ダイオキシンにはほとんど毒性がない」ことを確信した。

 かつて、ダイオキシンは水田用の農薬(CNP:水田除草剤)に含まれていた。

 もっともダイオキシン濃度が高かったのは、1970年ごろで、当時は、ベトナム戦争でまかれた60倍もの量のダイオキシンが、水田に使われていたというのだ。

 その上、ダイオキシンは、「人類が作り出した極めて特殊な化合物」などではなく数億年前から自然界に存在していたのだ。

 では、当時、ダイオキシンが猛毒とされたのはなぜか。

 それは、いわゆる「ためにする」モルモット実験が原因だ、と著者は指摘する。
 「ダイオキシンが毒性を示しやすいモルモット」を選んだ結果なのだと。

 何のために?

 ダイオキシン問題をあおって、それを種に、金儲けをたくらむ団体および個人がいるのだという。著者は、一貫して、そういった利益団体を攻撃しているのだ。

 現在では、ダイオキシンの毒性が弱いのは、専門家の間では周知の事実なのだという。

 わたしは知らなかったなぁ。もちろん、専門家じゃないけどね。

 あと、「第三章 地球温暖化で頻発する故意の誤報」もおもしろかったなぁ。

 ざっと列挙すると、

北極の氷が溶けても海面は上がらない」→北極の氷は、南極と違って水に浮いているので
溶けても海の体積は増えない。

森林を増やしても二酸化炭素は減らない」→成長期に木は「体を作るため」に二酸化炭素を強吸収するが、成熟すると、あまり二酸化炭素を吸収しなくなり、枯れると分解されて二酸化炭素を放出する。

などがある。

 木の二酸化炭素吸収については、林野庁の試算(子供向けサイト)で「自動車一台の出す二酸化炭素の年間放出量は2,300Kgで、スギの木が160本で吸収する」とハッキリ書かれているそうだが、それは間違っているのだという。

 上記のサイトでは、その但し書きとして「50年生のスギの人工林には、1ヘクタールあたり約170トンの炭素を貯蔵……」と書いてあるそうだが、それはつまり「スギが死なないと仮定」した試算なのだ。
 生き物である限り枯死したり、材木として利用しても、結局、最後は使いつぶされて、同じ量の二酸化炭素になるので吸収されない、というのが著者の意見だ。


 確かに、南極の氷が解けたなら、あれは地面の上の氷だから水位は上がるだろうが、北極はあまり関係なさそうだ。
 でも、だれか北極の氷が溶けて土地が水没するって言ったのかな?

 どちらかというと、北極グマが孤立して死ぬからカワイソウ、というのが最近の論調のはずだ。

 植林がムダなのは、ちょっと意外だったけど、考えたらそうかも。

 木は、「自分の体を作るため」と「維持するため」に、二酸化炭素を分解しているだけなのだし、維持するより体を作る方が、たくさん二酸化炭素を吸収するのは当然だ。

 しょせん、石炭や石油として、何億年も前に、地中にカプセル化された高濃度な二酸化炭素を、エネルギーを取り出す代価として安易に使い続けたツケなのだから。

 付け焼き刃で、現代の小さな木を植えても根本的な快活にはならない。石炭のもとになったシダ類は巨木だったようだし。

 ただ、多くの木を植えて、それを様々に加工して、長く使えば、二酸化炭素対策にはなるようには思えるのだが。

 著者は、行政とマスコミへの怒りのあまり、筆が走りすぎている部分もあるような気もする。

 読者としては、冷静に内容を判断しなければならないだろうな。

(いま、このシリーズは3まで出ています)


 私のおすすめ:
環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks (024))

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