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2008年9月 6日 (土)

迷いの無い目 〜スピード・レーサー〜



 かなり多くの人が、CGを全面に押し出した映像に拒絶反応を示した結果、同時期に始まったインディ4がロングランを続ける中、早々に打ち切られてしまった。

 この作品については、観る前に一度書いていたと思うけど、実際に観た感想を以下に書いておきます。
 

 物語終盤、グランプリ・レースで出遅れたスピード・レーサー(三船剛)が先行車をゴボウ抜きしていく場面で、アナウンサーが叫ぶ。

「素晴らしく速い。迷いの無い走りです」

 そう、世間の評価はともかく、主人公同様、映画の制作者マトリックスのウォシャウスキー兄弟、そして監督のジョエル・シルバーの瞳にも全く迷いはなかったはずだ。

 いかにもアニメ的な原色使用のド派手な背景処理も、顔の向きが変わるにつれて背景が変化するといった、アニメ的なショットの切り替え方、そして三船オヤジが頭の上で悪漢どもをクルクル回すと、ポケットに隠し持ったシュリケンが、次々と壁に刺さる演出まで、原作通りの世界観で統一している。

 いくらオマージュったって、もうタツノコ作品をリスペクトしすぎ

 結論からいうと大好きな作品で、何度か観てしまいました。


 ただ、惜しむらくは、レースの最高峰グランプリ、つまり最終レースを、いかにも未来的な立体鋼鉄コースにしてしまったことだ。


 60年代、レースのことをよく知らなかった吉田竜夫たちが、憧れと勢いで作ってしまったアニメ作品「マッハGOGOGO」は、どう見たってオンロード使用のレースカーが、だだっ広いラリーコース(しかも、砂漠や洞窟などの極限コースばかり。不思議と雪コースはない)を、バリバリ違法なギミックを使用(ご存じのように、それらはステアリングポストにあるA−Gのボタンで起動する)しつつ駆け抜けるストーリーだった。

「スピード・レーサー」でも、物語の途中で「悪事を暴くため」ということで、ラリーに参加し、いかにもCGっぽい軽いジャンプを繰り返して優勝するシチュエーションはある。

 だが、それで我らが2シーター仕様のマッハ5(日本じゃマッハ号だったのに向こうじゃマッハ・ファイブと呼んでいた)の出番はおわり。

 最終グランプリには、スピード一家総出で、スーザン・サランドンママのアメリカではよくある、ママの愛情とコレステロール満載のジャムたっぷりパンケーキを食べながら、三十二時間で作り上げたシングルシート・タイプのマッハ6が出場する。

 しかし、シングル・シートじゃミッチ(じゃない、ドングリ眼のクリスティーナ・リッチ演じるキュートなトリクシー:好きです)とのデートもできゃあしないし、クリ坊&サンペイ(なんか英語名忘れたな)が、トランクに隠れることもできないじゃないの。

 やぱり現実的には、レースと言えばF1がメジャーであるから、未来においてもサーキット・コースが、最終グランプリコースになってしまうのだろうねぇ。

 そこんとこ、ちょっと頭が堅かったかな。

 本当に原作を敬愛するなら、最後もラリーでいってほしかった。

 どうせ未来の話じゃないの。

 積んでいるエンジンも、ベルヌーイ製のコンバーティネーターと称する、なにやら超伝導エンジン、つまり無煙電気エコエンジンみたいなんだから、レースのほうも、自然を駆け抜けるラリーが「キング オブ レース」になっていても不思議じゃないと思うんだがね。

 ホント、なんかあのグランプリが気にいらんのよね。

 ちゃちい鉄骨組み合わせたみたいなスケスケ・コース

 そりゃ最大斜度45度以上の下り坂とか、ぶつかったら一発オシャカのトゲトゲコースとか、魅力的な仕掛けはいろいろとはあるけれど、なんかねぇ。

 今なお、おもちゃ屋で販売され続けている、数種類あるレース・トイ(ホイールではじき出されたレースカーがレール上を走り回り、最後は空中に飛び出して、再びコースに戻っていく:商品名:ホットウィール・スピードレーサー・マッハグランプリ・スカイジャンプ)を売らんがための、設定のような気さえしてくる。


 まあ、その辺の事情は、日本の特撮モノとは違うと思うが……。
 (恥ずかしいから、ちっちゃい声でいうが、なんかこのコース欲しくなったな。イイトシして情けないが。しかし買っちまうと邪魔になるだろうな)


 前に書いたけど、ジョン・グッドマンって凄いねえ。

 何をやってもアニメ顔そっくりになってしまう。

 ベーブ・ルースも似ていたが、ヤバダバドゥーのフリントストーンもそっくりだった。
 そして、今度はあろうことか、日本人の三船オヤジにそっくりになってしまったのだ。

 たしかにタツノコの登場人物は、意味もなく純粋日本人の目が青かったりするが、あれはちょと異常なぐらい似ている(アゴの肉とかさ)。


 ともかく、スピード・レーサー。

 絵柄で毛嫌いせず、ぜひ一度観て欲しいものだ。
 


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