男はみんな、悲しきヒットマン 悲惨な「飛散防止シール」
わたしは今、猛然と憤(いきどお)っている。
怒っている。
悲しんでいる。
まずは写真を見ていただきたい。
これが何かおわかりだろうか?
商品名は、おそらく「飛散防止シール」というのだろう。その惹句(じゃっく)は、「トイレをキレイに使用するためのシール」。
これを便器の奥深い部分に貼り付けておけば「男性(子供を含む)のおしっこの床への飛び散りを解消、ママのトイレ掃除の負担も減らします」ということらしい。
男たちは、小用の際に反射的にこのマークを狙って放尿するのだ、と。
ああ、なんと人間心理を衝いたアイデア商品(原文ママ)なのだろうか?
だが、同時に世の男性をこれほど愚弄する商品は無いのではないか?
ブツ自体はただのシールだ。(おそらくは防水の)
ただ、尿がかかると、つまり命中すれば的の色が変わるような小細工は、なされているらしい。
しかし、実際に、当たると色が変わるのがおもしろくて、オトコたちはこのマークを狙うのだろうか?
それでは、電柱やタイヤにマーキングをしてまわる犬と同じではないか?
この商品は、人間を犬扱いしているのではないのか?
それで思い出した。
以前に、どこかで、座り小用をたす男性が増えている、という記事を読んで、愕然としたことがある。
その人たちは、会社でトイレに行っても、必ず「大」のほうに入るのだ。そして座って小用をたす。
別に、本人がそうしたいからではない。
家庭で行う習慣が習い性となって、会社でも、ついそうしてしまうらしい。
理由は、妻が家庭のトイレ掃除を簡単にするためだというのだから恐れ入る。
うーん。これも、ゆがんだジェンダー意識の発露なのだろうか?
男と女は、同じ人間だが、肉体の構造及び脳構造において生き物として、かなり違う部分を持っているのだ。
太古の昔から、男とは立って小用をたす生き物なのだ。
それを、無理に女性と同じにするのは間違っているのではなかろうか?
いや世に遍(あまね)く広がるフェア至上主義の信念から、そう考えるのなら、間違っているなりに納得はいく。
だが、恐ろしいことに、この場合は、そうすれば掃除が楽になるから、という、自分の仕事を楽にしたいというだけの理由で、妻が夫や子供の本能をねじ曲げようとしているのだ。
トイレの掃除を楽にするために、夫に座って小用をたすように強制する妻。
男の本能を押さえ込んだりすると、他に弊害がでるかも知れないのに。
それなら、いっそ夫にトイレ掃除をするように話しあえば良いのだ。
以前、わたしはどこかで、男は小用をたす時、何かを狙わずにはいられない生き物だ、と書いたことがある。
だから、砂漠をドライブしているうちに自然に呼ばれ、小用をたす時には、必ずといってよいほど男たちはレンタカーのタイヤを狙う(マイカーの時はしないよ、セコイね)のだ、と。
そういった、情けないイキモノなのだ、男は。
人類で最初の職業だと言われている「売春」行為は、男のリビドーが根本原因だ。
今も、夫婦の間で浮気を巡っての諍いは絶えないだろう。
男の大半は、自身のリビドーに振り回されている。
本能に翻弄されているのだ。
でき得れば、いや願わくば、世の女性方には、そういった馬鹿な男の振る舞いを、暖かい温情で見守って欲しいものだ。
時に叱り、時に優しくいなしてね。
うまく男の本能をなだめて、導いて……。
だから、わたしは、かねがね女性の生き方の方が、男よりずっと高尚で難しいと思っているのだが……。
このシールはいけない。
仕事を楽にするために、あからさまに本能を利用するのはダメだ。
おそらく、この的の効果は確かにあるだろう。
たとえ、どれほど上品な紳士であろうとも、この的をみたら狙わざるを得ない、いや、きっと狙うだろう。ぐっと腰を落として、息を整え。
無表情に、淡々と放出し……そして色が変わると、口元にかすかな笑みを浮かべ……やめてくれぇい。
もう一度言う、この商品は、男の悲しい習性を利用した恐るべき商品なのだ。
しかし、もうこの商品は世に出てしまった。
今後は、SAや公共施設のトイレで、こういった的を頻繁に見ることになるかも知れない。
しかし、断言する。わたしは狙わないと。(達成感をくすぐられ、おもしろそうだけど)
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