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2005年9月16日 (金)

愛・地球博9.6(その6:LAST)


 次にベルギー館に入る。
 入ってしばらく、暗い通路を抜けると、いきなり広い空間に出る。
 目前には美しい絵が飾られている。
 巨大な絵だ。
 しかもそれは薄い布に描かれ、前後に少しずつ離して、幾層にも重ねて展示されている。
 ライティングの角度と位置を変えれば、ある時は最前面の婦人が浮かび上がり、次にはうっそうとした森がクローズアップされるのだ。
 そんな巨大な絵がいくつも展示されているのがベルギー館だ。
 普通の絵はそれ自体動きはしないが、この布絵(というのか?)は、見ていて飽きないほど、光の加減で表情を変える。一見の価値があるだろう。

 通路にそって隣の部屋に進むと、ここでは帯状のスクリーンが、ぐるりと取り囲んでベルギーの代表的な各都市の紹介をしている。
 空を行く飛行機から、あるいは川を高速で移動する船から360度カメラで撮った映像は、大迫力で、いつまで見てもあきない。
 ふた昔前ならこの映像だけで、大盛況のパビリオンになれたことだろう。
 これが何に似ているかといえば……、ディズニーランドにあった360度映像(キャプテンEOの近くにあった)、あれに似ているが、あれよりずっと迫力を感じる映像であった。

 外に出ると、相変わらずの強い風に混じって雨粒が降り始めていた。
 そこで、小走りに近くのイギリス館に入る。
 しかし、このパビリオンは何というのか……。不思議なパビリオンだった。

 英国といえば何を思い浮かべるだろうか?
 牧羊?
 ストーン・ヘンジなどの遺跡?
 コッツウォルズ丘陵のような古い家並?

 だが、この英国パビリオンは違う。あるいは博覧会という性質のためか、英国館は、英国の誇る最新の技術(自然を利用した、という但し書きがつくが)紹介を行っているのだ。

 館内随所で、入館と同時に受け取る栞(しおり)と同形の「木の葉」がメイン・イメージとして使われている。
 メイン・ホールとなる「イノベーション・ゾーン」の壁面も、美しく立体的に切り抜かれ、緑に光を放つ複雑な木の葉の重なりが新鮮な印象を与えるのだった。

 メインホールとなる、イノベーション・ゾーンでは、まさしくイノベーション(技術革新)たるべき、手を触れずに本のページをめくったり、ヤモリが天井に張り付く仕組みを利用して開発された強力な接着テープを紹介している。
 その表現の仕方も、センスの良さをを感じるものだった。
 このパビリオンも、木の葉の美しさ、天井に映し出される映像の不思議さを見るために入館しても良いだろう。

 ついで、コモン4最後の大物、ロシア館に入館する。
 ここでは、マンモスの復元化石を見ることができる。
 まあ、あとは、売店で売っている巨大マトリョーシカ以外に見るべきものはない。

 ロシア館を出るとすぐ右手にExpoドームがあるが、今は閑散として人気はなかった。
 最後に、グローバルループに戻る途中で、空模様が怪しくなり、他のパビリオンが続々と閉館しつつある中、ひとり気を吐いて門戸を開放しているポルトガル館に飛び込んだ。
 が、中にはほとんど何もない。
 目を惹く唯一のものは、館内に植えられた木だ。それほど大きくはないが、その幹の形に見覚えがあった。
 コルクの木なのだ。
 解説を聞いて驚いたのだが、コルクは切り倒さずに利用できる数少ない木の一つだという。 幹を数センチの深さに削り取るだけで、ワインの栓にも、カバンや服の素材としても仕えるエコロジカルな植物なのだ。

 外に出ると、さらに雨脚は強くなり始めていた。
 一日中、台風にそなえて重い思いをして持ち歩いていた雨具(ポンチョ及び雨ズボン)が、役に立つかも知れない。

 しかし、まだ気温は暖かく汗をかきそうな上に、雨は間欠的に激しく降るだけだったので、着るのは後回しにする。

 グローバル・ループ上、ビニール製の屋根の下北ゲートへと向かう。
 時刻は9時20分になっていた。
 もう開いているパビリオンはほとんどないだろう。

 サンクスの前、給水所の近くの椅子で休む。
 ここから二手に分かれる。
 わたしは、ひと足先に会場を出て地下通路を通り、北ゲート駐輪場に置いた折りたたみ自転車に乗って、再び八草駅前(民間)パーキングに駈け戻り、自転車を積んで、再び北ゲートに戻って来た。
 北ゲートから八草駐車場まで自転車でおよそ5分。
 思ったより早くに二人を拾いあげ、帰路につくことができた。

●午後10時過ぎ
 道はまったく混雑していない。
 こうして、長い長い一日は終わったのだった。

(おしまい)

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