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2005年9月15日 (木)

愛・地球博9.6(その4)







●5時10分
 時計がおとなしくなると、次にどこに行くか考えたが、結局、イタリア館へいくことにする。
 ここには、おそらく万博でも無いことには決して海外には持ち出さなかったであろう、と言われている、1998年にシチリア沖で発見された2000年以上前の、古代ギリシアのブロンズ像「踊るサテュロス」が展示されているからだ。

 日本館前から、コモン3(ヨーロッパエリア)へ向かうためには、ループに戻る必要があるが、その近道は、フード・コート(カフェテリア)ビルにあるエスカレーターを使うことだ。

 ループを歩いてコモン3に着くと、情報ディスプレイが目についた。どのパビリオンが何分待ちかをデジタル表示している緑色のポストだ。
 それで、イタリア館が20分待ちだったのですぐに並ぶことにする。

 他は軒並み30分ほどの待ち時間だったのだが、ドイツ館のみが、150分以上の待ち時間だったのは、ライドという乗り物に乗って館内を見て回るからだろう。
 やはり、乗り物は人気がある。

 イタリア館では、入館の前に、トガリモノ(傘や三角椅子やステッキ)を預けるように要求される。サテュロスや他の展示物を突かれるとでも思っているのだろうか?
 館内に入ると、涼しげな風が顔に当たった。
 最初の部屋の床は、水で満たされている。
 部屋の端から数条の滝が流れ落ちて、水面に水しぶきを立てていた。
 水面は、見学者の足下まで伸びていて、その上に透明プラスティックを敷き詰めた床がしつらえてある。
 見学者は、その上を歩き、展示された様々なイタリアン・デザインを見て回ることになる。
 個人的にはオートバイのドゥカティに心が惹かれた。
 順路の端で、人だまりができていた。
 係員が人数を区切ってビデオを見せているのだ。
 そこで、20秒ほどサティユロスの説明を受けてから、本物と対面することになる。
 実際に見てみると、これは必見の価値があると思った。
 展示方法も振っている。
 球形の展示室の真ん中にブロンズ像が置いてあり、見学者は、そのまわりをくるっと回って部屋を出て行くことになるのだが、暗い展示室内には、まっとうな明かりなど無く、様々な角度から、さまざまな色の明かりが、様々なタイミングで像に照射されてるのだ。
 はじめは、余計なことをせずとも、普通の明かりではっきり見せてくれればよいのに、と思ったのだが、しばらく立ち止まって眺めていると、あることに気づいた。
 下方からタイミングを変えて照らすライトが、球形の部屋の壁に、様々な色の、様々なアングルのサテュロスの影を映し出すのだ。
 それにより、像の踊るポーズと相まって像に不思議な躍動感を与えることに成功している。
 感心しつつ部屋を出ると、そこはイタリア文化と伝統の紹介という、いささか退屈な展示場だった。
 唯一目を惹かれたのは、チョコレートでできた、実物大のフィアットだ。
 私は行かなかったが、案内書によると、この第三ホール内に再現されたイタリアの家内には、ピエモンテ州トリノをイメージした歴史的カフェや本格的なイタリア料理と地中海料理を味わえるレストランもあるらしいが、高いのだろうなあ。
 休日は混雑するかもしれない。

 イタリア館を出て、入り口に戻る。
 椅子を返してもらおうとしたが係員がいない。
 普通の傘なら、図書館などにあるロック式の傘立てで勝手に持って行けるのだが、わたしが預けたのは、傘立てに収まらない形状のものだったので、札をつけてどこかにしまわれていたのだった。
 先ほど椅子を預けた係の女性を探すと、今は、館内入り口で愛想を振りまいている。
 しばらく待ったが、なかなかこちらに来ないので、勝手に傘立ての横に置かれた椅子を見つけ、ゴムでとめられた番号札を外し、渡された番号と共にその女性に渡した。
 デザインがイタリア風なのは良いが、態度までイタリア風怠惰なのはいただけない。郷に入って郷に従ったのかもしれないが。

●6時6分
 そのまま、しばらくイタリア館横のベンチで休憩する。
 少し腹が減ったので、叔母がサークルKで買っていたハンペン(たこ焼き味、チーズ味)を食した。

 このエリアのプロムナードの天井付近には、球を二つつなげたものに、布をかけたようなオブジェがいくつかぶら下がっている。いわば、布でできたひょうたんのようなものだ。これが風を受けて、ゆるやかに形を変え、涼しげに見えて心地よい。

 その後、ドイツ館、フランス館に行こうとしたが、共にかなりの待ち時間だったので諦め、死海を体験できるという「ヨルダン館」に向かった。

●6時13分
 ヨルダン館の前には、岩塩らしきものが、無造作に置かれていた。
 さすがに待ち時間は0分だったが、死海体験コース(水着も貸してくれるらしい)は、募集が終了されていた。
 後に聴くところでは、早朝から並ばないと無理だということだ。
 館内に入ると、すぐにエレベーターがあり、おりたところから階下を見ると、細長いプールがあり、貧相な日本人男性二人がプカプカと浮かんでいた。
 これが、死海から運んできた海水を張ったというプールらしい。
 このプールには少し仕掛けがしてあって、およそ二十秒ごとに、プールの半分に鮫の泳ぐ影が投影されて見ていて飽きさせない。
 階段を下りると、そこには人だかりがあった。
 のぞき込むと、死海の塩に色をつけたものを材料に瓶の中に絵を描き出す、サンドアートならぬソルト・アートの実演だった。
 二人の男性が作業を行っていたが、私が並んだ男の技術の方が未熟だった。
 それでも、漏斗で瓶に色塩を入れ、針金のようなもので、とんとんと突くと、魔法のように、瓶の壁にラクダが浮かび上がってくる。
 となりの売店では、できあがった瓶と塩の入浴剤を売っていた。小さい瓶で1200円だった。

●6時26分
 ヨルダン館を出たところで、叔母が「前に来た時に、向かいのチュニジア館で珈琲を飲んだ」と言い出したので、我々も飲むことにした。
 館内では様々なものが売られていた。
 その一部に喫茶コーナーがあり、男女二人の店員が、お茶や珈琲を販売している。
 しかし、この店員というのがひどかった。
 まず、叔母がアイスティー(300円だったかな)を頼んだ。
 500円を渡して待っていると、ホットコーヒーを出してきて、しかも釣りを渡さない。文句を言うと、仏頂面でカップをさげ、何事もなかったようにアイスティーを出すが、まだ、釣りを渡さな。
 何度か催促すると、やっと釣りを渡した。
 少し腹が立ったが、慣れない異国で、勝手が分からないのだろうと思って、自分の分をオーダーする。
 暑い日でチュニジア館、といえば、当然ホットコーヒー(というか、いつもどこでもホットコーヒーを飲むのだが)と考えて、チュニジア珈琲を頼んだ。
 だが出てきたのは「アイスコーヒー」だった。
 ホットを頼んだのだ、と言うと、「チュニジアコーヒーはアイス」と、不明瞭な日本語で木で鼻をくくったような応対だ。

 だが、日本語で書かれた「おしながき」を見ると、チュニジアコーヒーとは別にアイスコーヒーというのがあるのだ。
 おまけに、確かチュニジアコーヒー300円、アイスコーヒー500円と値段も違う。
 そこで、
「チュニジア館で売っているアイスコーヒーは、チュニジアコーヒーの冷たい版ではないのか。自分はそう思った。だから、ただのチュニジア珈琲は、ホットだろうと思ったのだ」
と、いったが、女は、さらに「チュニジアコーヒーはアイス」とだけ答えて、ぷい、と顔を背けるのだった。
 しかし、入館前に、前回、叔母が飲んだ時は、チュニジアコーヒーはホットだったと聞いていたので、「とにかくホットをくれ」と何度か催促すると、やっとホットコーヒーを出してきた。
 もちろん詫びも何もない。
 それが、まるでインドの悪徳商人のような態度だったので、懐かしさで、つい苦笑してしまった。
 あるいは、前回、叔母が飲んだ時にホットだったチュニジアコーヒーが、時期が移っていつのまにか「アイスのみ」に変わっていたのかもしれないが(叔母が前回来たのは8月だったのだ。アイスがホットになったのなら分かるのだが逆はおかしい)、どうにも納得がいかない対応だった。
 叔母も「前回は可愛い、愛想の良い女の子だったのに、今回は駄目だ」と憤慨していた。
 チュニジア館を出ると、とっぷりと日は暮れていた。

●6時半
 叔母の意見で、そのまま「こいの池」に向かう。
 7時過ぎから、この池にサルの顔が浮かぶのだ(こいの池ナイト・イベントというらしい)。
 本来、このイベントは、グローバル・ループの下の段から(さきほどマンモスを見るために並んだ場所の近く)、池のほとりにある閲覧席に出て、そこで見るのが正しいらしいのだが、イベントの全体を見るためには、グローバル・ループの上の段から見た方が良いらしい。
 せっかく持ってきた三角椅子を、朝の待ち時間以外まったく使わず、無用の長物と化していたため、これを使って休みつつ、ループからゆっくりとサルの顔を拝もうというのだ。

 グローバル・ループには、二十メートルおきくらいに椅子が設けられているが、「こいの池」付近では、池と反対側にしか椅子がない。だから自前の椅子が必要なのだ。

 先にも書いたが、グローバル・ループには、所々に、マラソンで用いられるような、霧を吹き出す仕掛けがしてあって、真昼の暑い時には格好の避暑場となっている。
 この日は台風の影響で風が強く、日差しはあってもそれほど暑さは感じなかったが、風の無い晴天ならありがたい施設となるだろう。
(その5へ続く)

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