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2005年9月

2005年9月19日 (月)

キリゾー&モッコロ


地球博のキャラクター、モリゾー&キッコロのパロディ版

キリゾー&モッコロというのがちょっとした人気らしい

http://www.asahi.com/national/update/0919/TKY200509180192.html

というので、早速、モッコロ・ハットをつくってみたが、いかがだろう。

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朝、ゲートの開門を待っているときに気づいたこと


 朝五時から九時まで、北ゲートの前で待っていて気づいたことは、若者のほとんどが、ポータブル・ゲーム機で遊んでいたことだ。

 男女の区別無く、話もせず、奪い合うように交互に。

 だいたいの待ち位置が決まると、各人が示し合わせたように、さっとマシンを取り出して遊び始める。

 もっとも、それ以外のほとんどの人々は、携帯電話のメールを書いているか、実際に電話で現状報告していたのだが。

 六〇代の老人だけが、新聞を読んでおり、漫画を含め、本を読んでいる者は皆無だった。

 道具なしに時間をつぶせないって、ちょっとどうかな。

 内省する材料を、少しでも多く持っているなら、ためつすがめつそれを吟味して、いくらでも外部の遊具なしに時間をつぶせる。

 必死でゲームボーイアドバンスやPSPに興じるまわりの男女を見て、ぐずる子供をおとなしくさせるために、親が与えたゲーム機で、必死で遊ぶ小学校低学年の児童のイメージが重なり、少し寂しい気分になった。

 じっと内省できないなら、せめて漫画でもいいから本を読んだほうがいい。

 もっとも、全員が四季報や六法全書を読んでいたら気持ち悪いだろうが。

 日系プレジデントやDIMEなんか嫌だし、小林秀雄なんか読んでいたら取り上げて、引きちぎりたくなるかもしれない。

 やっぱり、待ち時間には、門田泰明の黒豹シリーズあたりが適当なのではなかろうか?
 (門田氏は、今は半引退した状態だが、クロヒョーは、昔はキオスクに必ず置いてあった怪作だ。総理大臣直属の特命検事である自意識過剰な主人公と、作者が醸し出すちょっと鼻につく正義感、そして美人秘書との不倫まがいのアバンチュールが、作者の少々子供っぽい筆致とあいまって、なかなか味のある作品だった)

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2005年9月18日 (日)

青かった……

 先ほど観た大阪万博EXPO70のDVDによると、最高入場者数は、閉幕間近の9月5日の時点で、1日83万人!地球博は、がんばっても二十数万人。

 70年当時とは、社会状況も会場規模も違うとはいえ、数分の一とは凄いものです。

 これから、愛・地球博は、最終局面に向かいますが、さて、どれぐらい一日の入場者数を伸ばすことができるでしょうか。

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2005年9月16日 (金)

そういえば、会場でよく見かけたモリゾーハット


あれって、万博会場を出たあとでは、決して被ることはないだろうな。

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あまり有名でないパビリオンをまわる楽しみは

 各パビリオンの趣向を凝らしたスタンプを集めることにある。

 はじめ、冗談交じりにメモノートに押してみたのだが、

 なんだか、70年の万博を思い出したなぁ。

 いくつか集め出すと、意地になってくるから面白い。

 そういった楽しみを得るために、きれいなスタンプ長を一冊、無地のミニノートあたりを
用意しておくといいかも。

 今では有名な話だが、大阪万博では、スタンプノートに外国人コンパニオンのサインなんかも
もらったんだなぁ。

 今、コンパニオンにサインをもらう人はいないだろう。
 というより、コンパニオンのほとんどが日本人だから、サインをもらう気にもならない。

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愛・地球博9.6(その6:LAST)


 次にベルギー館に入る。
 入ってしばらく、暗い通路を抜けると、いきなり広い空間に出る。
 目前には美しい絵が飾られている。
 巨大な絵だ。
 しかもそれは薄い布に描かれ、前後に少しずつ離して、幾層にも重ねて展示されている。
 ライティングの角度と位置を変えれば、ある時は最前面の婦人が浮かび上がり、次にはうっそうとした森がクローズアップされるのだ。
 そんな巨大な絵がいくつも展示されているのがベルギー館だ。
 普通の絵はそれ自体動きはしないが、この布絵(というのか?)は、見ていて飽きないほど、光の加減で表情を変える。一見の価値があるだろう。

 通路にそって隣の部屋に進むと、ここでは帯状のスクリーンが、ぐるりと取り囲んでベルギーの代表的な各都市の紹介をしている。
 空を行く飛行機から、あるいは川を高速で移動する船から360度カメラで撮った映像は、大迫力で、いつまで見てもあきない。
 ふた昔前ならこの映像だけで、大盛況のパビリオンになれたことだろう。
 これが何に似ているかといえば……、ディズニーランドにあった360度映像(キャプテンEOの近くにあった)、あれに似ているが、あれよりずっと迫力を感じる映像であった。

 外に出ると、相変わらずの強い風に混じって雨粒が降り始めていた。
 そこで、小走りに近くのイギリス館に入る。
 しかし、このパビリオンは何というのか……。不思議なパビリオンだった。

 英国といえば何を思い浮かべるだろうか?
 牧羊?
 ストーン・ヘンジなどの遺跡?
 コッツウォルズ丘陵のような古い家並?

 だが、この英国パビリオンは違う。あるいは博覧会という性質のためか、英国館は、英国の誇る最新の技術(自然を利用した、という但し書きがつくが)紹介を行っているのだ。

 館内随所で、入館と同時に受け取る栞(しおり)と同形の「木の葉」がメイン・イメージとして使われている。
 メイン・ホールとなる「イノベーション・ゾーン」の壁面も、美しく立体的に切り抜かれ、緑に光を放つ複雑な木の葉の重なりが新鮮な印象を与えるのだった。

 メインホールとなる、イノベーション・ゾーンでは、まさしくイノベーション(技術革新)たるべき、手を触れずに本のページをめくったり、ヤモリが天井に張り付く仕組みを利用して開発された強力な接着テープを紹介している。
 その表現の仕方も、センスの良さをを感じるものだった。
 このパビリオンも、木の葉の美しさ、天井に映し出される映像の不思議さを見るために入館しても良いだろう。

 ついで、コモン4最後の大物、ロシア館に入館する。
 ここでは、マンモスの復元化石を見ることができる。
 まあ、あとは、売店で売っている巨大マトリョーシカ以外に見るべきものはない。

 ロシア館を出るとすぐ右手にExpoドームがあるが、今は閑散として人気はなかった。
 最後に、グローバルループに戻る途中で、空模様が怪しくなり、他のパビリオンが続々と閉館しつつある中、ひとり気を吐いて門戸を開放しているポルトガル館に飛び込んだ。
 が、中にはほとんど何もない。
 目を惹く唯一のものは、館内に植えられた木だ。それほど大きくはないが、その幹の形に見覚えがあった。
 コルクの木なのだ。
 解説を聞いて驚いたのだが、コルクは切り倒さずに利用できる数少ない木の一つだという。 幹を数センチの深さに削り取るだけで、ワインの栓にも、カバンや服の素材としても仕えるエコロジカルな植物なのだ。

 外に出ると、さらに雨脚は強くなり始めていた。
 一日中、台風にそなえて重い思いをして持ち歩いていた雨具(ポンチョ及び雨ズボン)が、役に立つかも知れない。

 しかし、まだ気温は暖かく汗をかきそうな上に、雨は間欠的に激しく降るだけだったので、着るのは後回しにする。

 グローバル・ループ上、ビニール製の屋根の下北ゲートへと向かう。
 時刻は9時20分になっていた。
 もう開いているパビリオンはほとんどないだろう。

 サンクスの前、給水所の近くの椅子で休む。
 ここから二手に分かれる。
 わたしは、ひと足先に会場を出て地下通路を通り、北ゲート駐輪場に置いた折りたたみ自転車に乗って、再び八草駅前(民間)パーキングに駈け戻り、自転車を積んで、再び北ゲートに戻って来た。
 北ゲートから八草駐車場まで自転車でおよそ5分。
 思ったより早くに二人を拾いあげ、帰路につくことができた。

●午後10時過ぎ
 道はまったく混雑していない。
 こうして、長い長い一日は終わったのだった。

(おしまい)

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2005年9月15日 (木)

愛・地球博9.6(その4)







●5時10分
 時計がおとなしくなると、次にどこに行くか考えたが、結局、イタリア館へいくことにする。
 ここには、おそらく万博でも無いことには決して海外には持ち出さなかったであろう、と言われている、1998年にシチリア沖で発見された2000年以上前の、古代ギリシアのブロンズ像「踊るサテュロス」が展示されているからだ。

 日本館前から、コモン3(ヨーロッパエリア)へ向かうためには、ループに戻る必要があるが、その近道は、フード・コート(カフェテリア)ビルにあるエスカレーターを使うことだ。

 ループを歩いてコモン3に着くと、情報ディスプレイが目についた。どのパビリオンが何分待ちかをデジタル表示している緑色のポストだ。
 それで、イタリア館が20分待ちだったのですぐに並ぶことにする。

 他は軒並み30分ほどの待ち時間だったのだが、ドイツ館のみが、150分以上の待ち時間だったのは、ライドという乗り物に乗って館内を見て回るからだろう。
 やはり、乗り物は人気がある。

 イタリア館では、入館の前に、トガリモノ(傘や三角椅子やステッキ)を預けるように要求される。サテュロスや他の展示物を突かれるとでも思っているのだろうか?
 館内に入ると、涼しげな風が顔に当たった。
 最初の部屋の床は、水で満たされている。
 部屋の端から数条の滝が流れ落ちて、水面に水しぶきを立てていた。
 水面は、見学者の足下まで伸びていて、その上に透明プラスティックを敷き詰めた床がしつらえてある。
 見学者は、その上を歩き、展示された様々なイタリアン・デザインを見て回ることになる。
 個人的にはオートバイのドゥカティに心が惹かれた。
 順路の端で、人だまりができていた。
 係員が人数を区切ってビデオを見せているのだ。
 そこで、20秒ほどサティユロスの説明を受けてから、本物と対面することになる。
 実際に見てみると、これは必見の価値があると思った。
 展示方法も振っている。
 球形の展示室の真ん中にブロンズ像が置いてあり、見学者は、そのまわりをくるっと回って部屋を出て行くことになるのだが、暗い展示室内には、まっとうな明かりなど無く、様々な角度から、さまざまな色の明かりが、様々なタイミングで像に照射されてるのだ。
 はじめは、余計なことをせずとも、普通の明かりではっきり見せてくれればよいのに、と思ったのだが、しばらく立ち止まって眺めていると、あることに気づいた。
 下方からタイミングを変えて照らすライトが、球形の部屋の壁に、様々な色の、様々なアングルのサテュロスの影を映し出すのだ。
 それにより、像の踊るポーズと相まって像に不思議な躍動感を与えることに成功している。
 感心しつつ部屋を出ると、そこはイタリア文化と伝統の紹介という、いささか退屈な展示場だった。
 唯一目を惹かれたのは、チョコレートでできた、実物大のフィアットだ。
 私は行かなかったが、案内書によると、この第三ホール内に再現されたイタリアの家内には、ピエモンテ州トリノをイメージした歴史的カフェや本格的なイタリア料理と地中海料理を味わえるレストランもあるらしいが、高いのだろうなあ。
 休日は混雑するかもしれない。

 イタリア館を出て、入り口に戻る。
 椅子を返してもらおうとしたが係員がいない。
 普通の傘なら、図書館などにあるロック式の傘立てで勝手に持って行けるのだが、わたしが預けたのは、傘立てに収まらない形状のものだったので、札をつけてどこかにしまわれていたのだった。
 先ほど椅子を預けた係の女性を探すと、今は、館内入り口で愛想を振りまいている。
 しばらく待ったが、なかなかこちらに来ないので、勝手に傘立ての横に置かれた椅子を見つけ、ゴムでとめられた番号札を外し、渡された番号と共にその女性に渡した。
 デザインがイタリア風なのは良いが、態度までイタリア風怠惰なのはいただけない。郷に入って郷に従ったのかもしれないが。

●6時6分
 そのまま、しばらくイタリア館横のベンチで休憩する。
 少し腹が減ったので、叔母がサークルKで買っていたハンペン(たこ焼き味、チーズ味)を食した。

 このエリアのプロムナードの天井付近には、球を二つつなげたものに、布をかけたようなオブジェがいくつかぶら下がっている。いわば、布でできたひょうたんのようなものだ。これが風を受けて、ゆるやかに形を変え、涼しげに見えて心地よい。

 その後、ドイツ館、フランス館に行こうとしたが、共にかなりの待ち時間だったので諦め、死海を体験できるという「ヨルダン館」に向かった。

●6時13分
 ヨルダン館の前には、岩塩らしきものが、無造作に置かれていた。
 さすがに待ち時間は0分だったが、死海体験コース(水着も貸してくれるらしい)は、募集が終了されていた。
 後に聴くところでは、早朝から並ばないと無理だということだ。
 館内に入ると、すぐにエレベーターがあり、おりたところから階下を見ると、細長いプールがあり、貧相な日本人男性二人がプカプカと浮かんでいた。
 これが、死海から運んできた海水を張ったというプールらしい。
 このプールには少し仕掛けがしてあって、およそ二十秒ごとに、プールの半分に鮫の泳ぐ影が投影されて見ていて飽きさせない。
 階段を下りると、そこには人だかりがあった。
 のぞき込むと、死海の塩に色をつけたものを材料に瓶の中に絵を描き出す、サンドアートならぬソルト・アートの実演だった。
 二人の男性が作業を行っていたが、私が並んだ男の技術の方が未熟だった。
 それでも、漏斗で瓶に色塩を入れ、針金のようなもので、とんとんと突くと、魔法のように、瓶の壁にラクダが浮かび上がってくる。
 となりの売店では、できあがった瓶と塩の入浴剤を売っていた。小さい瓶で1200円だった。

●6時26分
 ヨルダン館を出たところで、叔母が「前に来た時に、向かいのチュニジア館で珈琲を飲んだ」と言い出したので、我々も飲むことにした。
 館内では様々なものが売られていた。
 その一部に喫茶コーナーがあり、男女二人の店員が、お茶や珈琲を販売している。
 しかし、この店員というのがひどかった。
 まず、叔母がアイスティー(300円だったかな)を頼んだ。
 500円を渡して待っていると、ホットコーヒーを出してきて、しかも釣りを渡さない。文句を言うと、仏頂面でカップをさげ、何事もなかったようにアイスティーを出すが、まだ、釣りを渡さな。
 何度か催促すると、やっと釣りを渡した。
 少し腹が立ったが、慣れない異国で、勝手が分からないのだろうと思って、自分の分をオーダーする。
 暑い日でチュニジア館、といえば、当然ホットコーヒー(というか、いつもどこでもホットコーヒーを飲むのだが)と考えて、チュニジア珈琲を頼んだ。
 だが出てきたのは「アイスコーヒー」だった。
 ホットを頼んだのだ、と言うと、「チュニジアコーヒーはアイス」と、不明瞭な日本語で木で鼻をくくったような応対だ。

 だが、日本語で書かれた「おしながき」を見ると、チュニジアコーヒーとは別にアイスコーヒーというのがあるのだ。
 おまけに、確かチュニジアコーヒー300円、アイスコーヒー500円と値段も違う。
 そこで、
「チュニジア館で売っているアイスコーヒーは、チュニジアコーヒーの冷たい版ではないのか。自分はそう思った。だから、ただのチュニジア珈琲は、ホットだろうと思ったのだ」
と、いったが、女は、さらに「チュニジアコーヒーはアイス」とだけ答えて、ぷい、と顔を背けるのだった。
 しかし、入館前に、前回、叔母が飲んだ時は、チュニジアコーヒーはホットだったと聞いていたので、「とにかくホットをくれ」と何度か催促すると、やっとホットコーヒーを出してきた。
 もちろん詫びも何もない。
 それが、まるでインドの悪徳商人のような態度だったので、懐かしさで、つい苦笑してしまった。
 あるいは、前回、叔母が飲んだ時にホットだったチュニジアコーヒーが、時期が移っていつのまにか「アイスのみ」に変わっていたのかもしれないが(叔母が前回来たのは8月だったのだ。アイスがホットになったのなら分かるのだが逆はおかしい)、どうにも納得がいかない対応だった。
 叔母も「前回は可愛い、愛想の良い女の子だったのに、今回は駄目だ」と憤慨していた。
 チュニジア館を出ると、とっぷりと日は暮れていた。

●6時半
 叔母の意見で、そのまま「こいの池」に向かう。
 7時過ぎから、この池にサルの顔が浮かぶのだ(こいの池ナイト・イベントというらしい)。
 本来、このイベントは、グローバル・ループの下の段から(さきほどマンモスを見るために並んだ場所の近く)、池のほとりにある閲覧席に出て、そこで見るのが正しいらしいのだが、イベントの全体を見るためには、グローバル・ループの上の段から見た方が良いらしい。
 せっかく持ってきた三角椅子を、朝の待ち時間以外まったく使わず、無用の長物と化していたため、これを使って休みつつ、ループからゆっくりとサルの顔を拝もうというのだ。

 グローバル・ループには、二十メートルおきくらいに椅子が設けられているが、「こいの池」付近では、池と反対側にしか椅子がない。だから自前の椅子が必要なのだ。

 先にも書いたが、グローバル・ループには、所々に、マラソンで用いられるような、霧を吹き出す仕掛けがしてあって、真昼の暑い時には格好の避暑場となっている。
 この日は台風の影響で風が強く、日差しはあってもそれほど暑さは感じなかったが、風の無い晴天ならありがたい施設となるだろう。
(その5へ続く)

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愛・地球博9.6(その3)


 そこで、視線を転じて、グローバル・ループの左側を見ると、アジア風の「長久手愛知県館」があり、その横にはランドマーク「踊る指南鉄塔」が、三本の鉄製の足を昆虫の触手のようにゆらゆらと動かしていた。
 これは、宇宙ステーションに使われる先端技術を伝統的なからくり仕掛けと融合させたものらしいが動きが面白いのでしばらく眺めていたのだった。

 ループから下に下りていくエスカレーター(ほとんどのエリアは、ループより下にある)のところに「地球タイヘン大講演会」という看板があって、アインシュタインのような男性が空中に浮かんでいる絵が描かれていた。これにちょっと気が惹かれて下に行くと、20分待ちで見ることができるという話だった。

 だが、これも叔母の「ただ、マジックを使った劇で、環境問題について話すだけ」という言葉と、當麻の「自然の森へ行きたい」という言葉で見学をあきらめ、「長久手愛知県館」からグローバル・ループの外へとのびていく池沿い(かえで池)の道を進むことにする。

 池沿いの道には、美濃和紙を使ったさまざまな灯籠の展示(あかりアートというらしい)がされていて、日が暮れると美しく明かりが灯るということだったが、その日は台風の強風のため、灯籠の上から透明プラスチックのカバーが被せられていて、いささか興ざめだった。

 後に、日が暮れてから、ループの上より池を見ることができたが、灯籠に灯された明かりは幻想的で美しかった。パビリオンに並ぶのに飽きたら、日が暮れてから見に来ても良いかもしれない。

 また、「あかりアート」のあたりには、きれいな芝生があり、疲れた人たちが、ひっくり返って、思いおもいの体勢で体を休めていた。

 さらに、「かえで池」を東に進むと、池の上空を横切っていくゴンドラの下を通る。
 これが会場を縦断して通っている「キッコロ・ゴンドラ」だ。グローバル・ループの南端、グローバル・コモン4(ヨーロッパその2)のエリアから、一気に企業パビリオンエリア(北ゲート)まで帰りたい人は、利用しても良いと思う(有料)。

 「かえで池」のさらに先(東)には、もう一つ池がある。これが「めだか池」で、二つの池の間には、コンクリートで、渦を巻くように作られた人工の小川があり、歩き疲れた人々が靴下を脱いで足を流れに浸して休んでいた。
 おそらくは循環式の水だろうが、かなりきつい塩素の匂いがしていたため、病原菌の心配はないだろう。足が丈夫な人は試しても良いかもしれない。

 めだか池の横にはトイレがあるが、ここを利用するより、少し先の「日本庭園」内、茶室の中にあるトイレの方がきれいだ。
 ほとんどの人が、池のトイレでいくため、茶室のトイレは空いているようだった。
 このあたりは、未舗装ということもあり、強風のせいか砂埃がひどかった。
 あくびをすると、口の中が砂でジャリジャリになる。

「茶室」のさらに先、庭園の上の方では、霧の散布があった。
 渓流を模した庭園の岩間から、冷たい霧が出てきて心地よい。
 マラソンなどでやっているあれに似ているが、これはグローバル・ループでも行われていた。
 庭園一周してを茶室の方に戻ってくると「サツキとメイの家」日本庭園観覧外周コース、という看板が立っている。
 右手に曲がり、そちらへ歩いていくと、青いシャツを着た女性が立っている入り口が見えてきた。
 このすぐ先に、あの「サツキとメイの家」があるらしい。
 もちろん、一日800人のみ。
 往復はがきで応募して当選しなければ入れてはもらえない。
 中年夫婦が「中に入ることはできないのか」と尋ねると、係員が、予約者しか入ることはできないが、もう少し先に展望台がある、と答えていた。

 それを聞いて、周遊コースを先に進む。
 少し歩くと、「サツキ〜家」の前の池(ひょうたん池というらしい)が見え、意外なほど近くに「あの」赤い屋根の家が見えた。

 家の周りには、抽選に当たった幸運な人々が、引率の係員に率いられて家の前にたむろしている、が、中には入れてもらえないように見えた。
 もし、そうなら、別に無理にすぐ近くに行く必要など無いだろうか。
 第一、家の中に入らなくてよいのなら、もったいぶらずに一方通行の道を拵えて、全員に見せるという方法を選んでも良いだろう。

 首をひねりながら、さらに歩くとエレベーターが見えてきた。
 これが、先ほど係員が言っていた、「サツキ〜家」を、外から見るための展望台用エレベーターだ。
 実際、この展望台からは、はっきりと和洋折衷の家と、その前のひょうたん池を見ることができた。
 これならば、本当に、無理に予約して中に入らなくても良い。
 ただ、問題は、このことをどれほど多くの人が知っているかということだ。
 まったく予備知識なしで、会場にやって来た私が悪いのだろうが、迂闊にも、実際に来るまで、この家は森に隠されて、選ばれた者のみが見ることができると思いこんでいたのだ。

 展望台からは、まっすぐに森へ続く道があった。
 地図でみると、グローバル・コモン4(イギリス館やEXPOドームがある)への近道なので、そこを通りたかったが、通行止めの看板が立っている。
 展望台の下で監視している警備員に尋ねると、これはコモン4からの一方通行でこちらから向こうへは行けないとのことだった。(後に気づいたのだが、正確には「森の学校」をインターネット予約した人のみが通って出てこられるのではないだろうか)
 仕方がないので、展望台下から舗装路(おそらくは資材運搬用の道)を通って、めだか池とかえで池の間の道、先に述べた「らせんの川」に戻り、ふたたび「あかりアート」の道を通って、長久手愛知県館へと戻る。

●4時40分
 長久手愛知県館前で、どこへ行こうかと地図を見る。
 ここで、4度目の来場となる叔母から、グランド・ループの下の道(グランド・ループは二階建構造で、日陰の道を歩くことができる{部分がある})を、北ゲートの方へ戻って左手の列に並ぶと、「こいの池」の縁(グローバル・ハウス)で「マンモスのミイラ」を見ることが出来る、と言ったので、ループの上に登らずに、下の道を池を左に見ながら戻ることにする。

 なんでも、マンモスを見る方法には二つあって、グローバル・ハウスで並んで、巨大スクリーンの映像を見てからミイラをみる方法と、直接ミイラをみる方法を選べるらしい。 スクリーンを見る方は、待ち時間が長いので、もしマンモスだけを見たいなら、こちらのコースを選ぶのが正解なのだという。
 「こいの池」の端あたりで、ループから、グローバル・ハウスに隣接しているマンモス・ラボへの道が斜めに下りていて、待ち時間20分と書いてあった。
 列の最後尾に並ぶ、が、実際は5分足らずで、マンモス・ラボに入ることが出来た。
 その際の注意点は、進行方向の右側に並ぶということだ。
 マンモス・ラボは、動く歩道で、移動しながら見学するのだが、それが二段になっていて、左側に並ぶと、上の少し離れたベルトに乗ってしまうことになるからだ。
 だから、見学者も心得たもので、なるべく右側に並ぼうと争って列を作ろうとするのだった。
 マンモスのミイラは思ったより迫力があって良かった。

 ラボを出ると、そのまま、こいの池の反対側に登ることしかできなかった。
 戻ろうとすると、ラボに入ろうと並んでいる人たちにぶつかるのだ。そこで、こいの池沿いにぐるりと日本間に向けて歩いていく。
 すぐに、例の「大地の塔」が見えてきた。やはり、かなりの人だかりだ。

●5時
 突然、大きな音楽が鳴り出したので、そちらへ進むと、大地の塔横の、からくり時計が動き始めていた。
 道後温泉のからくり時計ほど大仕掛けではないが、大音響で鳴らされる音楽が、妙に耳に残る仕掛けだった。
 高山のからくり人形を模した感じで、踊りながら仮面を付け表情が変わる人形は、しかしながら、日本人形なのか中国人形なのか、はたまた中東の人形なのか、判別不明、国籍不詳の不思議なデザインだった。音楽も然り。
 正0分ごとに行われるパフォーマンスらしいので、その時間帯に近くにいるなら、見てもよいだろう。
(その4へ続く)

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愛・地球博9.6(その2)


●11時20分
 日立館を出ると、目標がなくなってしまった。トヨタ館はインターネット予約で午後1時50分からなので二時間半ほどある。
 この程度の時間だと、もう人気パビリオンに並ぶことはできない。
 もうすでに日立館では、6時間半待ちなどという、冗談のような言葉が飛び交っているのだ。
 とりあえず、景色の良い方へと、グローバル・ループ(会場を一週している全長2.5キロの木の道)へ向かう。
 リニア・モーターカーが印象的なJR館の横で無料の給水所をみつけた。
 紙コップで、どんどん冷水を手渡ししてくる。
 それまでに、水筒(ぺちゃんこになるジュース、アクエリアスやQoo350mmの入れ物に水や茶をいれ、冷凍庫で凍らせたもの)の水を飲み尽くし、喉が渇いていたので何杯もお代わりをする。
 水筒を渡せば、係員がそれに冷水を満たしてくれるから、利用すべきだろう。
 このサービスは、かなり遅く(夕方頃)まで行われていたようだ。

●11時40分
 給水所の向かいにサークルKを見つける。
 通常の、子供の好きそうなマクドナルド系のカラーではなく、木の色を基調とした落ち着いたデザインの建物だ。
 今のうちに昼弁当の買い出しをしようと、叔母が入っていく。
 中は人が多そうだったので、しばらく外で待っていたが、気温があまりに暑いので、店で涼もうと店内に入った直後にロープが賭けられた。
 店員が、外に向かって
「店内が混み合って来ましたので、入場制限をします。20分待ちです」
と叫んでいるのが聞こえる。
 つまり、11時40分には(昼の買い出しによる)サークルKの入場制限が始まるので、何か買い物があるなら、11時30分までには買っておいた方が良いということだ。
 混雑する時期なら、もっと早めに買い出しをするべきなのだろう。
 巷の噂どおり、弁当の値段は普通のコンビニと同じ値段なので人気があるのだ。
 店の規模は、一般的なコンビニエンス・ストアより小さめのような気がした。

 当時の万博関係のブログで、一番人気は「日立グループ館」次に「国際赤十字館」となっていたので、歩いてグローバル・コモン2にある(この場合のコモンは共有地という意味らしい。「エリア」に置き換えても良いだろう)赤十字館に向かう。

 このコモンには、他に「アメリカ館」や「メキシコ館」「田崎真珠」などがある。
 グローバル・ループから下りるとすぐに人だかりが見えるが、これが国際赤十字館だった。
 万博ガイドなどでも、ほとんど紹介されていないながら、知っている人は知っているのだ。
 正午の時点で待ち時間120分。これでは、とてもトヨタ館の予約時間には間に合わないので諦める。
 国際赤十字館の斜め前に売店があって、なかなか盛況であったが、値段が高い上、かなりの人だかりだったので、その近くにあるキューバ館に入って涼をとることにする。
 これが正解だった。
 特に何もない、いわゆるフツーの外国館であったが、中が涼しいのがよかった。
 それほど広くないパビリオンの中には、スペイン風のパティオが作られ、小さな噴水が水しぶきをあげている。その周りには腰を下ろせる石壁があり、荷物を降ろしてくつろげるのだ。
 さらに、パビリオン内にある売店では、マンゴージュース(小200円)が売られているので、これを飲んでも良いだろう。量はそれほど多くないが、濃く、冷たいのがいい。

 ここで充分休んだ後、となりの国連館に入った。
 その内部は涼しく、テーブルなどがあり、くつろげるスペースで良かったのだが、老人達がどっかりと腰をおろして、いっこうに動こうとはしないため、あきらめて外にでる。
 結局、隣の「メキシコ館」横の日陰のベンチに座って、先ほど買った弁当を食べた。

 食後、すぐ近くにある、パビリオンの前に滝が流れるアンデス共同館に入った。
 黒い通路を、展示された写真を見つつ、ぐるぐる回って上に上がると、にぎやかな場所に出た。特産物を売るコーナーだ。
 そこでは、ワニのサンドイッチ800円が売られている。試しに味見しても良いだろう。
 アンデス館を出て、隣のUSA、ならびにカナダ館をのぞこうとしたが、これも30分待ち程度の列が出来ていたので諦める。
 再び赤十字の前を通ったが、やはり150分待ちだったので、いよいよ諦めて、トヨタ館に向かった。

●13時20分
 トヨタ館に着いたが、まだ早いので(予約時間は13時50分)、先ほどから何度も通り過ぎていた売店の一つに入り、パイナップルソフトクリーム(350円)を食べる。
 この店は他にカレーを売っていて、その値段は、ビーフもポークもカツカレーも1000円だった。
 少し高いが、ペットボトル入りの水とスプーンを持ち帰っても良いということなので、価格の評価はわかれるだろう。
 しかし、個人的には、1gでも軽くして歩きたい真夏の会場で、水はともかく、ステンレス製(たぶん)のスプーンを渡すというのはどうかと思う。家族五人で食べたら、結構な重量になるはずだ。
 それに、遠くから見た限りでは、特別記念になるようなスプーンでもないように思えたが、実際は、万博記念の刻印でも入っているのだろうか?

●13時50分
 トヨタ館に並ぶ。すでに建物沿いに作られたスロープには、かなりの人数が並んでいる。これらすべてがインターネット予約の申込者なのだろうか。
 係員にインターネット予約していると告げ、チケットを見せると、その列に加わることができる。
 この時点では、特にチェックもされなかったが、もう少し先でチケットを機械に通して確認された。インターネット予約する時に入力したチケット番号が、トヨタ館のメモリに控えられていたのだろう。
 ロボットが歌い踊る、内容はともかく、トヨタ館という建物自体には興味があった。
 前回のドイツ万博以来、特にエコロジー色を強めている万博にあって、トヨタ館は、待ちスロープの上に芝生を植えて、熱を軽減するという手法をとっているという話だったからだ。しかし、実際のところ、その効果は体感できるほどではなかった。
 インターネットで予約をしているとはいえ、50分近く待たされた。
 その間、隣の通路を、車いすとベビーカーを押した人々が、ごぼう抜きしていく。肉体的弱者は、優先的にパビリオンに入れるようになっているのだ。
 いい加減、疲れてきたころ、やっとパビリオンに入ることができた。
 その第一印象は「涼しい」だ。
 中は普通の小振りな体育館程度。
 ステージをぐるりと客席が取り囲んでいる。
 大阪城ホールを50分の一ぐらいにしたような感じだ。
 ショウが始まると、まず饒舌なMC(人間)が現れ、「俺はトランペットが吹けないんだぁ」と叫ぶ。
 そこへ、楽器をかかえたロボットが登場し、音楽を奏で出す。
 ここで苦言をひとつ。
 MC(人間)の言葉ははっきりとわかるのだが、ロボットの声が割れて何をいっているか、ほとんど判別できない。
 逆ならばまだ分かるのだが、何時間もかけて作り込まれているはずのロボットの声が聞こえにくいというのは解せない。
 などと書いてはいるが、じつはこのショーについては、語る言葉を持たないのだった。
 なにせ、ロボットがトランペットを吹き始めた途端に、意識を失って、小突かれて目を覚ましたら、人間が天井からロープでぶら下がり、くるくる回って、その下を車型の乗り物(ロボット?)にのった人間が、やはりくるくるしているところだったのだ。
 が、絶対に見たかった二足歩行のロボット式乗り物(よく取り上げられていたやつ。未来少年コナンにおけるロボノイドのような乗り物)が、たった一台しか登場しない上、階段を上り下りしたり、障害物を乗り越えたりというパフォーマンスも見せずに、ただ足踏みを繰り返したりしているのを見ているうちに、再び意識が途切れ……気づくとすべてのショーは終わっていたのだ。つまりほとんど見ることができなかったのだ。

 やはり前日から徹夜で車を飛ばして予約券取りをしたツケがまわってきたのだろう。
 きっと多分そうだ。

 決して、トヨタ館の踊りが、人間ばかり目立って、ロボットはお供え物に過ぎず、どっちが主役か分からず、目玉の二足歩行ロボット型車いす?がたった一台しか出ない上に、たいした動きもしない、付け加えると、音楽も大したことがなく、まるで完全に面白くなかった……からではないと……思いたい……。
 だが、トヨタ館以外のすべてのパビリオンでは寝ることがなかったのだ。
 ひょっとして、つまり、ショウの内容がつまらなかったのか。

●3時
 トヨタ館を出た。
 どこに行こうかと迷ったのち、再びグローバル・ループに乗り、ぶらぶらとグローバル・コモン2(北・中・南アメリカ)からコモン3(ヨーロッパ)へ向けて右回りに歩き始める。
 空は、相変わらず台風特有のくっきりとした不気味な厚い雲に覆われてはいるものの、時おり射す日差しでかなり温度は上がっている。
 台風による風があるから過ごしやすいものの、通常の天候ならば、凍らせたドリンクを頭に当てながら歩きでもしないと、熱中症になる人もいることだろう。

 ループは木で出来ているが、その真ん中には色の違う部分があって、ちょっと近代的なリクシャ(アシスト・サイクル!)が客を乗せて走っている。値段に折り合いがつけば、プチ・インドの雰囲気を味わうのも一興かもしれない。

 しばらく歩くと、夜七時に吹き出した噴水に映像を投射して、巨大なサルの頭が浮かび上がるという「こいの池」が右手に見えてくる。
 さらに進むと、「こいの池」の縁に黒い直方体があった。
 藤井フミヤがプロデュースしている「大地の塔」、つまり内部が巨大な万華鏡のビルだ。
 が、先日、塔を見学済みの叔母が「あんなもの、うちの子の万華鏡の方がきれいだった」と斬り捨てたため、並ばずに通り過ぎることにする。
 藤井人気のためか、かなりの人だかりだった。
 時間が限られた人は、見ない方がいいかもしれない。

 「大地の塔」のとなりには、巨大な竹駕籠のようなものが見える。
 これが「長久手日本館」だ。この大きさは結構インパクトがある。
 中には、確か、巨大な球体の内側に映像を映し、橋でそこを渡りながら映像を見る「地球の部屋」や、3Dメガネなしで立体映像を楽しめるエリアがあったはずだが、これも叔母の「あの竹駕籠の中を、四重に見学待ちの列がトグロを巻いている」という言葉で見学を断念する。
(その3へ続く)

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愛・地球博9.6(その1)







9月6日

●午前5時前
 あらかじめ、インターネットで予約をしておいた八草駅前パーキング到着。
 すでにパーキング入り口から二十台ほどが並んでいた。
 そのまま一キロほど離れた北ゲートに向かい、叔母たちを降ろす。
 ゲート入り口の近くには簡単な柵で囲まれた駐輪場があり、およそ100台ほど収容できる大きさだった。
 再び八草駐車場に戻ると、すでにパーキング・ゲートは開いており、いまは三台ほど車が並んでいるだけだった。それに続いて入る。
 駐車場内部は舗装されていないものの、砂利が敷かれ、ロープで区画が示されていた。
 指示された場所に車を停め、郵送されてきた封筒をダッシュボードの外から見える場所に置き、折りたたみ自転車を組み立てると、北ゲートに向かった。
 わざわざ自転車を組み立てるのは、リニモの始発がまだ運行されていないからだ。
 八草駅から北ゲートまでは、リニモの駅にしてふた駅。
 途中に丘を越えねばならないため、段変速なしの折りたたみ自転車では少々苦しい。
 時刻は5時過ぎ。
 だが、すでに八草から北ゲートまでの歩道には、ぱらぱらと人影が見えていた。
 それを右に左に抜き去ってゲートに向かう。

 いくつかある入り口で、特に北ゲートを選んで並ぶのは、ゲートをくぐって左下に企業間エリアがあり、一番人気の日立館の入館予約チケットがパビリオン前で配られているからだ。

 先ほど見つけておいた駐輪場に自転車を停め、地下道をくぐって北ゲートに出る。
 そこは北ゲート駅の出入り口でもあるが、まだ始発が到着していないので、人影は少ない。
 時計を見ると、時刻は午前5時45分ほどであったが、すでに25個あるゲートの前には十五人ずつほどが並んでいた。
 以来、待つこと3時間。
 その間に、我々の前にひとりで座っていた女の子のボーイフレンドが七時頃にやってきて、それを非難する前の兄ちゃんと喧嘩になりかかる。
 幸い、お互いのガールフレンドが男どもをなだめ事なきを得るが、事態が落ち着くと、すぐに、この遅れ男は、不届きにもメンチカツ・バーガーを担いできた巨大なズダ袋から取り出すと「朝からキッツいわ」と言いながら、あたりに脂っこい匂いをまき散らすのだった。

●午前8時30分
 徐々に、ゲート前に警備員が並び始める。
 そうこうするうちに、警備員長らしき男が、ゲートのすぐ内側で、大声で「ありがとうございました」「いらっしゃいませ」などと掛け声の練習を始めさせた。
 パフォーマンスの一種だろうが、一声あげるごとに、待ちくたびれている入場者から拍手が起こるのが面白い。
 鈍足の台風がゆっくりと東行しているために、日差しはほとんどなく過ごしやすい。
 そのため、空を見上げると、いかにも台風特有の、くっきりとうねりの見える灰色がかった雲が空を埋め尽くしている。

●午前8時35分
 時折、雲が途切れて、日差しが見えるようになってきた頃、警備員に促され、椅子をたたみ一列に並ぶ。
 警備員が拡声器を使って、今後の予定を伝え始める。
 警護センサーは、空港などのレントゲンタイプではなくて磁気タイプ。
 だからフィルムなどの感光を心配する必要はない。
 さらに、人間のみをチェックするため(手荷物は、すべて警備員が実際に鞄の中をのぞいて確かめる!)、身につけた金属類は、はずさなければならない。
 金属の総量によって反応するかどうかが決まるため、指輪、ピアス、ネックレスなどは大丈夫だが、ベルト、巨大な金属アクセサリ等は反応するらしい。
 開門の時刻が近づくと、警備員が前後に移動しながら、早く検査をすませるために、カバンのチャックをすべて開け、金属関係はカバンの中にいれるように支持をする。
 どうにも心配のなのは、先ほど遅れてやってきた男が持っているズダ袋だ。
 これは巾着方式で上にしか口がない袋で、いかにも検査に手間取りそうな感じなのだ。
 8時45分。ゲートが開き、一斉に検査が開始される。
 検査を受けた人々が会場内に走り込む。
 この場合、慌てるな、という係員の声は無意味だ。
 ゲートの中でも、もっとも左側、つまり企業間に近い側の列が、異様に早く検査をすませている。
 どうやら、それは期間パスを持っている人々の列であるらしい。
 期間中何度でも来ることができるから検査なれしているのだ。
 そして、我が列は、ああ、案の定、前の割り込み男のズダ袋の検査がなかなか進まず、どんどんと他の列に先を越されていく。
 やっと自分の番になった。
 あらかじめベルトまで外していたために、さすがに検査が早い。
 荷物を受け取ると、ずり落ちそうなズボンを引っ張り上げながらゲートを走り抜け(良い子は真似しちゃだめだよ)た。
 右手の階段に向けて走る。
 すぐに、ビルの間が割れ岩盤が露出したような外観の日立館が見えてくる。
 その下にはすでにかなり長い列ができている。
 老若男女、千差万別の人々が押し合いへし合い、鉄作で区切られた待ち通路に並んでいる。さすがに人種はほとんど日本人である。
「ひとりが全員の券を持って並んでも駄目です。全員で並ばないと」という警備員の言葉に不安感が高まる。
 あまりに全力疾走してきたために、あとのふたりが追いついて来られるとは思えなかったのだ。
 すでに、後ろにはびっしりと人垣ができている。
 ふたりが、それを押しのけて近くまでやって来られるとは思えない。
 他の人々も不安になったのか、押し合いながら携帯電話で連絡を取り合っている。
 その間も、行列は間欠的にどっと前に進む。
 意外なことに、もっとも行列が不安定になるコーナー部分の内側で、頑丈な鉄柵がなくなり、プラスチック・パイロン(コーン)が置かれていた。
 押された拍子にパイロンを蹴り倒し、それを踏みつけてこけそうになる人もいる。
 このあたり、ディズニーやUSJという良いサンプルがあるのだから、もっと工夫が必要ではないか。
 携帯電話でふたりに連絡を取ると、つながったもののすぐに切れてしまった。
 どうしようかと思っていると、すぐ近くで声がした。
 振り返ると、信じられないことに、5メートルほど後ろ、人の波にもまれて後から来たふたりの顔が左右に揺れている。
 そのとき、係員が、
「予約券を別々にもらって、それが違う時間だったら、そのどれかの時間にパビリオンに並べば良いのです」
と叫びだした。
 さらに続いて、
「慌てなくても、今並んでいる人は、全員券がもらえますよ」
 現金なもので、これで殺気だった列の雰囲気が一度に和やかなものになった。

 その後、すぐに緑色のちゃちな印刷の予約券を受け取ることができた。
 ふたりを待つ。
 予約券は10時〜10時半のものだった。
 他の二人も同時間だったため、好きな時間を選ぶことはできなかったが、とりあえずは目標の予約券を手に入れることができたのだ。

●9時20分
 合流した後、次はどこに行こうかとあたりを見回すと、売店を挟んで向こう側の三井東芝館が、予約チケットのあたりは混んでいるものの、ダイレクト入場する列がガラ空きに見えたため、走ってそちらに向かう。

 このことから分かるように、パビリオンには、すぐに入場する列と、予約券をもらう列があるのだった。

 係員に尋ねると、案の定、待ち時間なしで9時35分〜10時15分の回(本日初回!)に間に合うとのことで、これに入場することにする。

 我々が最初のはずなのに、説明ビデオを見せられたりして、15分ほど待たされる。
 しかし、おかげさまで、このパビリオンがどのような催しをしているかを理解した。
 スキャン装置を使って取り込んだ観客の顔を、映画の中で貼り付けて使用するらしい。 あのユーゾー加山キャプテン(このCGからして全然似ていない)の下、巨大宇宙船の乗組員になって、我々自身が冒険するのだ。
 誰がどのクルーを演じるかはやってみないと分からないらしいが、後で考えたら、小さい子供が一番良い役を演じていたから、スキャン操作する係員の最良で誰を割り振るか決められているようだ。

 しばらくして、五つ並んでいるドアが開き、部屋に入れられる。数えてみると一部屋25人ずつだ。
 そこは、5人の人間の顔を、一度にスキャンできる機械のある部屋だった。
 後で知ったところによると、このような部屋が、ぐるりと建物を取り巻いて数十もあるのだった。
 25人が二回ずつ顔をスキャンされたあと、隣の部屋に通される。
 そこは、こじんまりした映画館だった。
 そして映画が始まる。
 最初に登場人物の紹介があり、そこに、さっきスキャンされた自分の顔を貼り付けたキャラクターが登場する……はずだったが、最後まで自分の顔がどれなのかわからなかった。
 連れの二人は、はっきりと分かるのだが、わたしが何者なのかさっぱりわからない。
 どうも、人の顔にはCG化向きの顔とそうでない顔の二通りがあるようだ。
 映画の内容も、少しハードSFかつエコロジー寄りすぎて、よくわからなかった。何より面白くない。千住明の音楽は良かったが。

 三井・東芝館、これは映画の内容はともかく、問題がもう一つあった。
 それは時間だ。
 10時15分に終わるということは、日立館の予約券使用時間終了まで15分しかないということだ。
 まわりの人々も、日立館を予約した人たちばかりのようで、映画を待つあいだも、上映の最中も、小声でそれを心配しているようだった。
 皆、映画の上映が終わるなり、小走りにパビリオンを出て、再び売店の横を通って日立館に向かった。

●10時20分
 予約をしたといっても、やはり少し並ばねばならない。ほっとして周りをみると、さっき映画で共演した人たちばかりだった。
 この10時20分の時点で、日立館の予約券は無くなっている。
 あとは並ぶしかないのだ。

 日立館では、まず名前をきかれ、写真を撮られた。
 次に、ちょっと大きめの機械を渡されて、最初の部屋に入る。
 そこでは、燃料電池をバッテリーとした小型端末(これがまたデカい。女子高生の弁当より大きいくらい)で、レッドデータ(絶滅危惧種)の動物の紹介を受けるのだ。
 ユビキタス社会の実現、というお題目は立派だが、何をしたいのかよく分からない。
 うちの観にノートコンピュータなみの大きさの端末ならば、もっといろいろ出来てもよいのではないだろうか。液晶画面も小さいし。
 まあ、噂の燃料電池を、透明ケースを通してゆっくり眺められたのは良かった。
 動物のデータを読んでいるうち、あまり面白くなかったためか、三角椅子3つ分の重さが肩に食い込み始めた。やはり荷物は軽い方が良いようだ。

 端末を返し、次のコーナーへ向かう。
 小さな乗り物が一列に並んでいる。
 これが、日立館の主眼だ。
 車に乗り込み、腕にセンサーをとりつけ、双眼鏡を目に当てると乗り物が動き出す。
 その先々で、本当の景色(ジオラマ)とCGが双眼鏡で合成され、立体的に動物をみることができる。サイが襲ってきたり、すぐ近くでワニが大あくびをしたり。
 それだけではなく、腕につけたセンサーの周りを鳥が飛び、フクロウが手のひらにとまり、いろいろな角度で希少動物を眺めたり、と、なかなか未来的な雰囲気を楽しめる。
 パビリオンの一番人気というのも頷けるものだった。
(以下続く)

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愛・地球博訪問記1


愛・地球博が9月25日に閉幕します。 

 インターネットを利用した初の博覧会という性質のためか、あるいはテロ後の大イベントだったからか、開幕以来、さまざまな噂が取りざたされた、いわくつきのバンパクが幕を下ろすのです。
 いまのうちに言いたいことを書いておきましょう。

 2005年9月6日に、愛・地球博にいってまいりました。
 例の鈍足台風がゆっくりと東行していた時です。

 その時の記録を公開します。
 今後、博覧会に行かれる方は、駆け込み入場で相当な混雑が予想されることでしょう。

 台風が近づいた平日の記録が役に立つかどうかわかりませんが、なんらかの参考になれば幸いです。

 また、ご自身の経験などもお書きください。

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2005年9月 5日 (月)

僕の好きな道具

僕の好きな道具は、

かぶらや別館 「アサブロ」

http://kabulaya.asablo.jp/blog/

に宿泊中です。ご覧になってください。

                   かぶらや

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