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2005年8月 9日 (火)

スモールビル

「スモールビル」、その名を聞いて、いったいどれぐらいの日本人が「ああ」と思うだろうか?

 それは、おそらく世界で一番有名な男の故郷の名だ。
 父の名はジョナサン、母の名はマーサ。

 男の名はケント、クラーク・ケント。
 別名スーパーマン。

 これはつまり、クラーク・ケントことスーパーマンの、青年期における故郷の活躍を描くストーリィなのだ。

 例によって、邦題は「ヤンスグーパーマンの冒険」という凡庸なタイトルになっているが。

 全米では2001年に公開され、現在(2005年)では第四シーズンが放映されているドラマで、日本では今年、AXNで第一シーズンのみが公開された。

 これがなかなか面白い。一つひとつの脚本は、たいしたことは無いのだが、設定が魅力的なのだ。

 個人的には、特にスーパーマンのファンではない。
 日本語版、雑誌「スーパーマン」など買ったことはないし、どちらかというと、スパイダーマンはじめ、Xメン、ハルク、スポーンなどのアメコミ風、すべてに濃い画風は苦手だし、よく知らない。

 しかし、スーパーマンに関しては人並みに知識はある。

 というのも、もうかなり以前になるが、今は亡きクリストファー・リーヴの主演で「スーパーマン」がリメイクされたことがあった。
 当時、熱狂的に読んでいた雑誌が、再三その特集をしてくれたおかげで、かなりの知識を得ることが出来たのだ。

 まず、スーパーマンの本名はカル・エルといい、惑星クリプトンの住人であるということ。
 故郷のクリプトン星は、大爆発を起こし、破滅してしまうが、政治の重鎮であった両親の手によって、赤ん坊はロケットに乗せられ脱出し、地球にたどり着いたこと。

 スモールビル近くの農場に落下したロケットから、赤ん坊を拾いげたのが、ジョナサン、マーサのケント夫妻であること。

 惑星クリプトンの破片は「クリプト・ナイト」と呼ばれ、不死身、無敵のスーパーマン唯一の弱点であり、うまく使えば彼を死に追いやることもできる物質であること。

 「弾よりも速く空を飛ぶ」スーパーマンも、最初は「飛ぶ」ことができず、バッタのように、ぴょんぴょん跳ねていたこと。

 大人になったスーパーマンは、南極だったかに「孤独の砦」と称する、知力、体力用のトレーニング要塞を持つようになること。

 また、こんなエピソードもあった。
 超人スーパーマン(重箱表現?)は24時間眠る必要がなく、不眠不休で街の警備をしていたが、ある事件で怪物に能力を半分近く吸い取られてしまった。
 だが、責任感の強い彼は、それ以後も24時間勤務を続ける。
 が、疲労から二重人格となって、犯罪を犯してしまうようになるのだ。

 影も形も残さず犯罪を犯して回る犯人を、必死になって追いかけたスーパーマンが、やっとの思いで捕まえたら自分自身だった、というちょっとオカルティックなオチはスーパーマンらしくないが、このことは、強すぎるヒーローに対する批判への反省から、弱点を持つヒーローへと変遷しつつあった70年代コミック・ブックの傾向を示しているようだ。

 また不倶戴天の敵が、レックス・ルーサーという富豪の悪人であること。(件の映画では、ジーンハックマンが怪演していた)

 コミックスで、レックスは大人のスーパーマンと初めて出会うのだが、ドラマ「スモールビル」では、17歳のクラーク・ケントが若き日のレックス・ルーサーと出会い、ほのかな友情を感じるようになるという設定だ。

 ちょっと先走ってしまった。

 さて、ドラマ「スモールビル」

 このドラマは、一話ごとの内容は凡庸であるが、その設定が秀逸だ。

 高校生のクラークが、ほのかな思慕を寄せるラナは、赤ん坊クラークがロケットで落下した時に、引き連れてきた惑星クリプトンの破片(隕石)によって両親を失っている。

 隣同士で幼なじみでありながら、クラークはほとんどラナと話をしたことがない。
 それは、彼がラナから半径2メートル以内に近づくと、突然、意識を失って倒れてしまうからだ。
 この設定がうまい!
 そのわけは、両親の死後、ラナを引き取った叔母が、両親を殺した隕石(クリプトナイト)からペンダントを作って身につけさせているからだ。

 この頃、クラーク自身、まだクリプト・ナイトが自分の弱点であることを知らない。

 さらにうまい設定、天下無敵のスーパーマン唯一の弱点物質だけあって、クリプト・ナイトには、もう一つ際だった特質があるのだ。
 それは、身につけるものに、様々な特殊能力を授けるということだ。

 ゆえに、田舎町、スモールビル中に散らばったクリプト・ナイトは、そこに住む住人に様々な特殊能力を与えていく。

 そういった臨時超人たちが、若き日のスーパーマン最初の敵になるのだ。

 次々に現れる、クリプト・ナイト超人との闘い。

 なおかつ、超人を生み出すスモール・ビルには、同時にスーパーマンを死に追いやるクリプトナイトが散らばっている。

 怪人にぶっ飛ばされたケントがたまたま転がった先に、クリプト・ナイトが埋まっていたりするともうダメなのだ。

 急に力がなくなって、怪人の思うがまま。

 という、アダルト版スーパーマンでは、味わうことのできない楽しみが「スモールビル」にはあるのだ。

 好き嫌いはあるだろうけど、機会があったら、観て欲しいなぁ。



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