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2005年8月16日 (火)

ゴシカ


 これは、何というのか。

 今、流行のサイコモノというのか、ホラーモノというのか。

 まったく何の予備知識もなく観させてもらいました。

 そびえ立つ女性刑務所精神病棟。苔むした建物、薄暗い廊下。その表情に異常性を感じさせる犯罪者たち。

 そういった、いかにも、という舞台設定の中、元は診察する側だった女医が、嵐の夜、雨に濡れて立っている少女を見た瞬間に意識を失い、気がつくと愛する夫を殺害した犯人として、今度は自分が診察される立場になる。

 オスカー女優、ハル・ベリーが主役を演じるが、どうも疲れているというか、老けた感じがしてならない。「ソード・フィッシュ」や「XMEN1」の頃のような、張りが感じられないのだ。

 もと同僚だった医者を、中年になってしまったロバート・ダウニー・Jrが演じている。
 この医者の役どころがイマイチはっきりしない。
 味方なのか敵なのか、要するにいてもいなくても良い役なのだ。
 麻薬中毒で長らく銀幕から遠ざかっていたダウニーだが、久しぶりに見る彼には、映画「チャーリー」の青年らしい面影はすっかりなく、老人と呼びたくなるような変容ぶりだった。薬物がこれほど人を早老させてしまうとは……。

 さらに、ペネロペ・クルスが、彼女だといってもらわないとわからないほど、やつれきった囚人役で鬼気迫る演技を見せている(だからといって、この映画が魅力的になるとは思えないが)。
 クルスは、夜な夜な入れ墨の男に独房で犯されると言い続けているが、誰もそれを信じない。。

 殺人現場には、「NOT ALONE」の文字が残され、やがて、ハル・ベリーの腕にもナイフの傷として同じ文字が浮かび上がる。

 なぜ、彼女の夫は殺されねばならなかったのか?
 このあたりから、映画は、ミステリーの気配が濃厚になってくる。

 やがて、彼女は気づいた。
 クルスを、独房で犯す刺青の男。
 皆は、それを幻覚だと思っていたが、そいつは実在するのだ。
 いったい誰なのか?

 ベリーは、「NOT ALONE」が、もうひとり殺人鬼がいる、という意味だと考える。

 このあたりから、映画はアクションモノに様変わりする。
 そして、盛り上がる暇もなく急転直下、終わってしまう。あっさりしすぎ。
 映画館で観ていたら、怒ってるだろうなぁ。

 それにしても、この映画におけるハル・ベリーのスタイルの悪さはなんなのだ。
 スーツ姿の膝小僧が、長谷川町子描くところの磯野ワカメちゃんのごとく、ぴょこんと飛び出ている上に、ガニ股、おまけに妙に足が短いぞ。

 うーむ、スターの美しさは撮りよう次第なのか?

 それとも、「チョコレート」で、アッキャデミー賞をとったからには、儚い美しさより末永い演技で勝負していこうという心意気の現れなのか。

 ホラーといっても、それほど怖いことはないので、恐がりの人も、ちょっと身構えるだけで観ることができるでしょう。
 機会があれば、ごらんになって、ベリーのスタイルを確認してみては?

 映画の内容としては、まったく観る必要がないレベルですな。

 ミステリなのかホラーなのか、どっちかはっきりして欲しい。

 中途半端はいけません。

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