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2005年7月26日 (火)

ファイナル・ファンタジー



「ファイナル・ファンタジー」

 まず、最初に一言。
 いいですねぇ、FF。

 この映画には、サイファイでもっとも大切な、センスオブワンダが多数ちりばめられている。

 観始めて、最初に嬉しくなるのは、空挺隊の使うゼリーガン(っていいましたか?英語で聞くだけなのでよくわからない)だ。

 空中から地面に向けて発射し、地表でゼリー化したところへ、パラシュートなしに装甲兵士(ディープ・アイでしたね)が突っ込み、くるりと前転して体の向きを変えたところで、気化、蒸発する。

 パラシュートみたいに、「さあ俺を撃ってくれ」っていうような、ふらふらした降下じゃないのがいい。

 あれは小汚いジェット噴射でノロノロと「打ち上げ」られる現実バンザイのロケット同様、サイファイでは唾棄すべきものの一つでしょう。

 野田昌宏氏が言うように、「着地はドカン、離陸はふわり」これがSiFiだと思います。

 これに匹敵するのは、なんかのマンガで読んだ、飛行機から放り出された男が、巨大なガンを降下途中に何度か地表に向けてぶっ放して減速し、林に落ちて助かるというものぐらいです。

 後に、このゼリーを使う作戦の伏線として最初に紹介しているのもさすが本場の脚本家という気がします。

 ただ、惜しむらくは、ナウシカを意識しすぎている(ガイジンの脚本ではあるが、コンセプトは日米混合だろうから)ことでしょうか?

 地表に蔓延する異生命体、ガイア理論を信奉し、すべての生き物と共存を計る主人公、地表ごとエイリアンをぶっ飛ばそうとする将軍。

 そして、侵略生命体と奇妙な共生関係にある主人公。

 筒井康隆の作り出した美しい産婦人科医は、強姦された恨みから、各種性病を制御しながら病原菌を体に飼って男を脅かしていたが、FFの主人公も、体に異生命体を飼っていて、そのためか何度も奇妙な夢をみる。
 そしてそれが行動のモチベーションになっている。

 お約束といえばお約束だろうけど……。

 しかし、この敵がいい。

 大きいのやら小さいのやら、実体があるのやらないのやら。

 種類もいくつあるのかわからないぐらいで、チュートハンパなちゃんらんぽらんですが、巨大なキャラクタが特にいい。

 ミジンコが巨大化したような感じで(幽体だからあたりまえなのだろうが)、体内が透けて輝いてみえて、なにより巨きいのがふるっている。

 怖いくらい大きい。GRも真っ青。

 今も、横のディスプレイに写っているが、いやあ美しいです。
 ナウシカのオームとは違う(あれもそれなりにデカイが)。
 ミジンコが体内から発光している感じ。そして発光して多数ゆらめく触手がいい。

 昔、夢で見たような既視感を感じる。

 こんな敵になら殺されてやってもいいかな、という気になってしまうほどだ。

 というか、同じ殺されるなら、変質者のナイフより巨大な怪物に殺されたいものだ。

 中には、ナウシカにでてくる空飛ぶトンボみたいなパクリもでてくるが、それはハリウッドのパクリ体質の発露ということで、斟酌してやらねばならないでしょう。

 その触手に触れられただけで、ブルーに光る魂を持って行かれて死んでしまうというのも、ちょっとオカルトっぽくて、戦うのに絶望的でまたよろしい。

 それに、目線が自然なのもいい。

 同様にCGのモンスターと戦う、スターシップ・トゥルーパーズでは、役者が存在しないものが見えている演技をしているから、少し不自然さがあった。

 しかし、今回は、合成はあるだろうが全部同じ世界にいるから自然さがある。

              

 さて、自然といえば、問題のCGですが……。

 作り物くさくないぜ、と主張するあまり、ヒロインにはおそらく不要な「シミそばかす」をくっきりと描きすぎるのはご愛敬だ。

 普通は、化粧して隠すはずだから。

 そんなことするから、かえって嘘くさくなってしまった。
 「史上初」だから肩に力が入りすぎたのだろうか。

 また、世界、いや日米のパンピーを対象に作られた作品ゆえか、日本製のヲタク毒から解放され、ために、ヒロインが例のあの「巨ちち」の魔毒からまぬがれ、実際の米人女性によくある、しっかりした肩幅からつづく小粒な胸回りをしているのは、個人的に好感が持てた。

 手足が長すぎるのは仕方ないのだろうな。

 また、ツクリモノであるがゆえに、ピントのシャープネスはさすがで、FFを見終わったあとで、「バックドラフト」を観たら、画像のエッジが甘くて観られたものではなかった。

 しかし、キャラクタの造詣が、思いっきり実在の人物に似せてあるのは、すごいことこかもしれないが、失笑モノでもある。

 主人公は(アキという名前からすると日系か)誰をモデルにしたかは知らない(個人的には、フロムダスクの1に出てくるあの娘、いわゆるよくあるヤンキー顔の四角い顎を三角にした感じだと思う+サンドラ・ブロックあたりか……あまり好きではないが)。
 あるいは、どこぞのモデルとかのサンプルがあるのかもしれない。

 ヒーロー役は明らかにベン・アフレック(あのアルマゲドンのクソ女の相手ね、いや、今ならあのクソ「パールハーバー」か)だし、敵役は、デンゲキ(沈黙シリーズのほうが通りがいい?)の十条セガール+若い頃のアラン・ドロンかあるいはジャック・ニコルソン。

 マシュー・ブローデリック似(ケロッグ博士、ガジラ、ガジェット警部)のバイプレーヤーも、ぬめついた動きで、お約束のとぼけた味を出してる。

 そして、出たぁ、アクションに必ず登場の、実直な黒人大男、役者でいうと、エイリアン1の(あるいはテレビホミサイドの警部、ミッドナイトランのFBI捜査官)のヤフェット・コットーあたりの役どころだ。

 ストーリーとしては、最近よくある、何かを知っていて(あるいは知っていると思って)、がんばりすぎる主人公が、まわりにいるすべての人を犠牲にして、なにやら崇高な目的のために盲目に突き進み、気がつけば、だーれもいない、って感じだが……。

 これもハリウッドでは好まれないだろうな。
 だから流行しなかった?

 だが、荒れ果てた廃墟のオールドニューヨークに対して、マンハッタン島の先っちょを輝く三角形のドームですっぽり覆ったドーム・シティの画はいい(これもエピソード1のジャージャーの都市のパクリだが)

 小物もいい。

 たとえば、ホログラムで浮かび上がるリストコントローラー。
 力場を使った、スタートレック・ボイジャータイプのホログラムらしくて、ちゃんとボタンなどを指で押すことができる。

 同様に、手首にはめたリストバンドに触れると、ふわ、という感じて二の腕に浮かび上がり、操作ができる。

 実写だとこうはいきません。ドでかい弁当箱みたいなコントローラーを腕にくくりつけて、ぴっぴっぴと不器用な手つきで嘘臭い操作を役者がしなければならない。

 そうそう、書き忘れたが、ディープ・アイズの装甲も良かった。
 人狼や赤い眼鏡の(ケルベロスはしらないが)チープな装甲もいいものだが、この最先端っぽい装甲はやっぱり本道であると思う。

 ヒロインのコスチュームデザインも秀逸。
 どことなくウルトラ警備隊の流れを汲んでいて美しい。

 敵役はじーくジオン風か。

 個人的に、色っぽいシーンが皆無なのもいい。

 結論:ストーリーはイマイチだが、細かいコンセプトは良い映画。だから音を消して、画だけ観るのが正解。

 このDVDは、部屋の隅で、景色の一部としてかけっぱなしにしておきたいタイプの作品です。

 しかし、ゲームのファンの人は、やっぱりこれをみたら怒るんだろうな。

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